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俺は幸せだ。
「七星~!」
そう言って抱きついてきたのは、彼女の千歌だった。
「なんだ…千歌か…」
いきなり声をかけられ、びっくりした俺は、安心して胸を撫で下ろした。
「何だとは何よ!可愛い可愛い、千歌ちゃんが来てあげたのに!」
まるで少女漫画の悪役令嬢のようなことを言う。
「自分で言うか?それ…」
ため息交じりでそうツッコミを入れた俺に千歌はすねたようにこたえた。
「いいじゃん…そんなことより、早くいかないと遅れるよ!」
そう言うと千歌は小走りで校舎内へ入っていく…。
「怒らせちまったかな…早く行くか」
俺も他の生徒で溢れかえっている校舎内に入っていく。
「こんな日々がずっと続いてほしかったな…」