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【第十話:張り巡らされる公安の網】
警視庁の地下駐車場。薄暗い空間に、松田陣平の乗る愛車のエンジン音が響き、やがて静かに止まった。
江古田から戻ってきた松田は、車から降りると、手元にある黒羽快斗の資料を一度見つめ、それを上着の内ポケットへと深くしまい込んだ。
(あいつのバックにある組織の正体……一課の手に負える代物じゃねぇな)
快斗の孤独な戦いを知った松田は、何としても公安や一課より先に、自分の手であのガキをこの泥沼から引きずり出すと決意していた。
だが、車を降りて数歩歩いたところで、コンクリートの柱の影から静かに人影が現れた。
「――随分と熱心に、江古田周辺を回っていたようだね、松田」
静寂を切り裂くような硬質な声。
そこに立っていたのは、腕を組み、冷徹な眼光を放つ降谷零だった。
「……ゼロ。お前、いつからそこにいやがった」
松田は内心の動揺を隠し、ぶっきらぼうにサングラスの位置を直した。しかし、降谷の紫紺の瞳は、松田の防衛線を容易く踏み越えてくる。
「君が昨夜の現場から持ち帰った『違和感』。そして今日、有給を使ってまで単独で動いていた足取り……すべて追わせてもらったよ」
降谷は一歩前へ出ると、手に持っていたタブレットの画面を松田に見せた。そこには、江古田高校の周辺地図と、黒羽快斗の顔写真が表示されていた。
「なっ……!」
「驚くことはないさ。君が警視庁のデータベースで『黒羽盗一』についてアクセスしたログが残っていた。8年前に亡くなったマジシャンと、今回のキッドの復活……。そして、その息子の黒羽快斗。君が今朝、その少年の周辺を執筆するように調べていたことも、僕の耳には届いている」
降谷の言葉は、まるで逃げ道のない包囲網のように松田を追い詰めていく。
「松田、昨日君は言ったな。キッドが君を見て攻撃を躊躇った、と。……その理由は、奴が『君の知っている人間』だからじゃない。奴が、君に『命を救われた過去』があるからだ。違うか?」
「……ッ、ゼロ、お前――」
「忘れた訳じゃないだろう。数年前、君が爆弾から救ったあの『ボウズ』。そして3年前、観覧車で死を覚悟した君を、不可解なマジックで救い出し、閃光の中に消えた『あの中学生』。……そのすべての正体が、あの黒羽快斗という少年なんだね」
降谷の脳裏でも、すべてのピースが完璧に繋がっていた。
公安の捜査能力と降谷の異常な洞察力は、松田が隠そうとした事実の核心へ、一瞬にして辿り着いてしまったのだ。
「奴がどんな事情を抱えていようと、国際犯罪者であることに変わりはない。そして、君が警察官である以上、それを隠匿することは看過できない不祥事だ」
降谷はタブレットをしまい、冷酷なまでに真っ直ぐな目を松田に向けた。
「これ以上、独断で奴を庇うつもりなら……次は僕が、公安の権限であの少年を強制連行する。……どうする、松田」
地下駐車場の冷え切った空気の中、二人の天才警察官の視線が、かつてないほどの緊迫感ではっきりと激突した。
コメント
2件
ゼロ洞察力すご……! 松田さんはどんな決断するんだろ、、
うわ〜〜〜〜〜第10話もうヤバすぎた!!😭💕💕💕 降谷零さんの推理えぐすぎるでしょ!!松田さんが必死に隠してた快斗くんの正体、一瞬で見抜かれちゃったじゃん…「あの中学生」って松田さんを救ったのが快斗ってバレた瞬間、マジで息止まったわ🥺✨ でも松田さんの「絶対に俺の手で守る」って決意が熱すぎて泣ける…🔥🔥 公安VS松田の展開、次の話どうなっちゃうの!?!?はやく続き見たいよぉ〜〜⋆♡