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#ざつだぁぁぁぁあん!!
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翌朝。
大智は、妙に近い人の気配で目を覚ました。
まだ眠い。
ぼんやりと目を開ける。
すぐ目の前に。
勇斗の顔があった。
「…………」
近い。
近すぎる。
寝息が分かるくらい。
一瞬。
何が起きているのか理解できなかった。
どうして勇斗がいる。
どうして同じベッドにいる。
そして。
どうしてこんなに近い。
「…………」
大智は、恐る恐る自分の手を見る。
見慣れた手。
腕も。
身体も。
ちゃんと。
自分だった。
「…………戻っとる」
小さく呟く。
その声に反応したのか。
勇斗が薄く目を開けた。
「……ん」
まだ完全には起きていない。
ぼんやりと大智を見る。
「……朝?」
寝ぼけた声。
大智が何か言うより先に。
勇斗の腕が伸びてきた。
腰に回る。
「……え?」
そのまま。
ぐっと引き寄せられた。
身体が滑って。
次の瞬間。
大智の顔は、勇斗の胸元に埋まっていた。
「…………」
大きな胸。
腰に回った腕。
密着した身体。
逃げようにも。
寝ぼけた勇斗の腕は、思ったよりしっかりしている。
「……ちょ、待て」
身体を引こうとする。
けれど。
勇斗は離すどころか。
さらに抱き寄せた。
「……もうちょっと寝よ」
「…………は?」
甘い声が。
頭のすぐ上から落ちてくる。
大智の顔が引きつった。
「いやいやいやいや!」
両手で勇斗の胸を押す。
「離せ!」
「……ん?」
「離せって!」
もがく。
押す。
身体を捻る。
それでも。
勇斗はまだ半分寝ている。
「仁人、動かないで」
「仁人ちゃうわ!!」
その瞬間。
大智が思いきり身体を起こした。
「うわああああ!! 無理無理無理!!」
ようやく腕が外れる。
大智はベッドの端まで一気に逃げた。
「何してんねん!!」
「……うるさ」
勇斗が目を擦りながら身体を起こす。
まだ眠そうに大智を見る。
「朝から何……」
「何ちゃうわ!」
大智は警戒するように勇斗から距離を取った。
「何で俺の腰抱いて胸元に引き寄せとんねん!」
「…………」
勇斗が止まった。
改めて。
大智を見る。
「…………」
数秒。
「……大智?」
「そうや!!」
「…………」
「今気づいたんか!」
ようやく目が覚めたらしい。
勇斗は大智を見ながら。
少しずつ状況を理解していく。
「……戻ったんだ」
「戻ったわ!」
大智はまだベッドの端から動かない。
むしろ。
勇斗との距離を確認して。
さらに少し離れた。
「近づくなよ」
「もうしないって」
「絶対やぞ」
「仁人だと思っただけじゃん」
「分かっとるわ!」
戻った。
ちゃんと。
自分の身体に。
それ自体は。
ものすごく嬉しい。
なのに。
元に戻って最初にしたことが。
勇斗の腕の中から逃げることになるとは。
思ってもいなかった。
「…………」
そこで。
大智はふと止まった。
戻ったということは。
仁人も。
「スマホ!」
「何?」
大智はベッドの上を見回す。
見つけるなり。
すぐに手に取った。
勇斗に構っている場合ではない。
確認しなければならない。
まず。
仁人が本当に戻っているのか。
そして。
もう一つ。
どうしても確認したいことがある。
すぐに電話をかける。
数回の呼び出し音のあと。
『もしもし』
聞こえてきた声に。
大智は一瞬、力が抜けた。
仁人の声。
ちゃんと。
仁人の声だった。
「戻った?」
『戻ったよ』
電話の向こうで。
仁人が笑う。
その声を聞いて。
ようやく本当に安心した。
「よかった……」
『大智も?』
「戻った」
『じゃあ良かったじゃん』
「良かったけど」
『けど?』
大智はちらりと勇斗を見る。
勇斗はまだベッドの上で。
眠そうに髪をかき上げている。
さっき。
自分の腰を抱いて。
胸元に引き寄せてきた男。
「…………」
嫌な想像が。
頭をよぎった。
大智は声を潜める。
「仁人」
『何?』
「一個だけ聞いてええ?」
『何だよ』
少し間を置いて。
大智は聞いた。
「……昨日、エッチした?」
「…………」
電話の向こうが。
一瞬。
静かになった。
そして。
仁人が吹き出した。
『してないよ』
「ほんまに!?」
『してないって』
笑いながら答える仁人に。
大智は胸を撫で下ろした。
「よかった……」
『何想像してんだよ』
「そらするやろ! 俺の身体やぞ!」
『大智の身体でも中身は俺だったけど』
「そういう問題違うねん!」
仁人はまだ笑っている。
『ていうか』
「何?」
『キスすら無理って言われた』
「……は?」
大智の動きが止まる。
ゆっくり。
勇斗を見る。
勇斗が。
露骨に目を逸らした。
『中身が仁人でも、顔が大智だから無理って』
「…………」
安心した。
ものすごく。
安心した。
けれど。
それはそれで。
何だか腹が立つ。
「それはそれで失礼やろ!!」
朝から。
大智の声が。
勇人の部屋いっぱいに響いた。
コメント
9件

他の作品でもコメントさせていただいたのに、しつこく申し訳ありません。設定が天才で、最高でした。仁人の顔でぶりっ子しだす大ちゃん、仁人の顔に弱い佐野さん、美味しすぎで、ずっと読んでいたい作品でした。こちらも気がむけば、番外編などがありましたら是非読みたいです。大ファンです。ありがとうございました。
コミカルな部分もありつつ、すごく読みやすかったです!これからも応援しています!

初めてコメントさせて頂きます✨ すごく良いお話に出会えて感動しております😂 このパターンのお話は初めて読みましたが最高です💖 ぜひフォローさせて頂きますね!