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💜「頼む、ひかる!」
💜「俺とも文化祭、回ってくれ!」
珍しく、必死な声。
💛「え、いいよ!」
💜「……よしっ!」
💜「ひかる、借りまーす」
そう言って、
深澤はそのままひかるの手首を掴み、
教室の外へ連れ出した。
──────────────
💜「……ほんと、似合ってる」
💛「えー、全然嬉しくないんだけど!」
💜「なんでだよ」
💜「普通に可愛いって」
💛「やめてよ……」
照れたように目を逸らす。
その反応が、余計に可愛い。
💜「……なあ」
💜「渡辺に、なんかされてない?」
💛「え?」
💛「一緒に写真撮ったくらいだけど……」
💜「……そっか」
小さく息を吐く。
💜(よかった……)
ほんの少しだけ、安心する。
──────────────
💜「あ、タピオカあるじゃん」
💜「行こ」
💛「ほんとだ!」
──────────────
💛「んー!!おいしー!!」
満面の笑み。
💜「ほんと甘いもん好きだな」
💛「美味しいだもん」
💜「……なあ」
💜「一口ちょうだい」
💛「え、いいよ!」
何も考えずに差し出す。
ストローをくわえる深澤。
💛(あ…)
間接キス。
一気に顔が熱くなる。
💜「……うま」
そのまま、
ひかるを見つめる。
どこか愛おしそうな目で。
💛「……ん?」
💜「いや」
💜「なんでもない」
──────────────
💜「……ちょっとさ」
💜「静かなとこ、行かね?」
人気のない校舎の端。
使われていない教室。
二人きり。
──────────────
床にしゃがみ込む。
少しだけ近い距離。
他愛のない会話が続く。
💜「……あー、なんか眠くなってきた」
💜「今日、疲れたわ」
💛「そりゃそうだよね…w」
💜「……ちょっとさ」
💜「肩貸してくんね?」
そう言って、
岩本の肩に頭を預ける。
💛「……っ//」
ふわっと触れる髪。
思わず、手が伸びる。
そっと、撫でる。
💛「……お疲れ様」
優しい声。
💜「……ん」
安心したように目を閉じる。
そのまま――
少しだけ顔を動かして、
ひかるの首元へ。
💛「ちょ、くすぐったいって!」
💜「……いいから」
💜「ちょっとだけ」
💜「このままでいさせて」
吐息が、かかる。
距離が近すぎて、
息も整わない。
でも――
💛「……」
嫌じゃない。
むしろ、落ち着く。
やがて、
深澤の呼吸がゆっくりになっていく。
💛(寝てる……?)
首元に触れたままの温もり。
離そうと思えば、離せるのに。
💛(……いっか)
そのまま、
岩本もゆっくりと目を閉じた。
静かな教室。
二人の呼吸だけが、
穏やかに重なっていった。
──────────────
💜「……ひかる、起きて」
小さく揺すられて、
岩本はゆっくりと目を開ける。
💛「ん……」
💜「そろそろ戻んねえと」
💛「……あ!」
💛「もうそんな時間!?」
慌てて立ち上がる。
少しだけ名残惜しさを残しながら、
二人は並んで教室へ向かう。
──────────────
廊下。
人の流れの中で――
💙「……」
ふいに、足が止まる。
目の前にいたのは、渡辺だった。
💙「随分長く、二人でいたな」
低い声。
💜「ああ」
💜「楽しかったよ♡」
わざとらしく笑って、
渡辺の肩をぽんっと叩く。
💜「じゃ、俺先戻るわ」
そのまま、すれ違うように教室へ戻っていく。
💙「……」
一瞬だけ、空気が張り詰める。
💙「お前ら、二人で何して――」
言いかけて、
ふと、視線が止まる。
💙「……っ」
岩本の首元。
肌に、うっすら残る赤い跡。
💙(……は?)
💛「翔太くん?」
💛「どうしたの?」
何も気づいていない顔。
無防備すぎる。
💙「……」
無言のまま、一歩近づく。
そして――
そっと、首元に手を伸ばす。
💛「……!?///」
指先が触れる。
そのまま、
赤い跡をなぞるように、ゆっくりと撫でる。
💙「……これ」
💛「え……?」
💙「……はあ」
小さく息を吐く。
💙「今日、そこ……ちゃんと洗っとけ」
💛「……?」
意味がわからないまま、
ただ戸惑うしかない。
視線だけを残して、
渡辺もその場を去っていく。
──────────────
廊下に一人、取り残される岩本。
💛「……?」
首元に手を当てる。
💛「なに……?」
まだ何も知らない。
それが“キスマーク”だと気づくのは
もう少し後の話。
つづく。