テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
文化祭も終盤――
校庭では、キャンプファイヤーの火が揺れていた。
ぱちぱちと燃える音。
橙色の光が、夜をやさしく照らしている。
その少し離れた場所で、
岩本は一人、立ち尽くしていた。
💛(……今日)
💛(いろんなこと、ありすぎだろ)
無意識に、首元へ手をやる。
トイレの鏡で気づいた。
これは…間違いなくキスマーク。
💛(俺が寝てる間……)
💛(深澤くんはここに……)
胸がざわつく。
嬉しいのか、
戸惑っているのか、
自分でもよくわからない。
💛(ちゃんと、考えなきゃいけないのに……)
💛(答え、出さなきゃいけないのに……)
――でも。
💛(……怖い)
💛(この関係が壊れるのが)
俯いたまま、動けない。
そのとき――
背後に、気配。
💙「ひかる、おつかれー」
💜「なにぼーっとしてんの?」
振り向けば、
当たり前みたいに隣にいる二人。
いつも通りの距離。
💛「あ……」
言葉が出ない。
二人は、そんな様子にすぐ気づく。
💙「……」
💜「……」
ほんの少しの沈黙。
でも――
💙「なあ」
💙「今度さ、3人で夢の国行かね?」
突然の提案。
💛「え?」
💜「いいじゃん、それ!」
💜「楽しそう!」
💛「……!」
一瞬、目を見開いて――
すぐに、ぱっと笑顔になる。
💛「うん!!行きたい!」
無邪気な笑顔。
それを見て――
💙(……)
💙(返事は、まだいいや)
💙(今は、このままで)
💜「……」
💜(今は…ひかるの笑顔が
見れればそれで良い)
ふっと力を抜く。
💜「楽しみだな」
優しい目で、岩本を見つめる。
炎の光が揺れる中で――
三人は、また自然と並んでいた。
少しだけ、不安定で。
でも確かに、
大切な時間だった。
つづく。