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携帯画面に浮かび上がったLINEメッセージのアイコンはバスケットボール、名前は羽場勝己だった。
「誰から?」
すかさず 青 が携帯電話画面を覗きに来た。拓真はそれを隠す事なく携帯電話を手渡した。基本、二人にプライベートは存在しない。
「羽場だよ」
ただ、石川県立美術館で紺谷と会う事、結城紅《モデル》を撮る事について、拓真は 青 に伏せた。彼女が風呂掃除をしている隙を見て逃げるように家を出た。この件に関しては《《知られてはならない》》とそう思った。
「羽場さん」
「うん」
ジワリと汗が出た。
「珍しいね」
「そうだな、なにかな、ちょっと見てくる」
「うん」
拓真は仕事場兼自室の洋間の扉を閉めた。
拓真久しぶり
既読
紺谷のおっさんに会ったんだって?
既読
おまえらしい写真楽しみにしてる
既読
佐原とはまだ付き合ってんのか
既読
羽場が紺谷に「あいつ、俺のダチなんすよ」と紹介した事が今日に繋がったのだと知り、「なら一杯奢れよ」と近々飲みに行く事になった。 青 については一切触れず、やり取りしたメッセージを全て削除した。
(あーーーー高校卒業以来、10年、早ぇなぁ)
部屋を出ると待ち構えたように 青 が廊下に立って待っていた。
「羽場さん、なんだって?」
「あぁ、 青 と仲良くやってるかって」
「えぇ、なんて返したの」
青 の目が期待に輝いた。
「仲良くしてるよって、マジかラブラブじゃんって羨ましがってた」
「えーーーーやだーーーー恥ずかしぃ、そんな事言ったの?」
「だって俺たち仲良いだろ」
青 の頬が赤らみ、次にハッと顔を上げた。
「羽場さん、まだ独身なの」
「みたいだな」
「高校生の時、ファンの女の子いっぱいいたのに」
「仕事が忙しいんだって」
「ふーーん」
機嫌よく鼻歌まじりになった 青 は「今夜は鯵の南蛮漬けだよ」と冷蔵庫の扉を開けて見せた。
(ーーーーふぅ)
何故か安堵のため息が漏れた。
然し乍ら、拓真には疑問が残った。
(俺の行き先を 青 がなぜ知っていたのか)
どうして自分と半径500m程の距離に 青 が居たのか。
「早く座ってよぉ」
「ちょっと待って」
拓真はソファの横に置きっぱなしだったカメラバッグに気が付き仕事部屋に運び入れるとカメラからSDカードを抜き取った。
「拓真、ビール飲むー!?」
「飲むーーーーーーーー!」
「はーーーい!」
本棚の奥から茶色の分厚い冊子を取り出して開いた。そのページの真ん中はカッターナイフでくり抜かれ、何個かのSDカードが入っていた。拓真は結城紅をその中に仕舞い込んだ。
暗がりの中で水道の水が止まった。キッチンの物音が消え、リビングのカーテンがレールに沿って閉められた。LEDライトのランタンを手に玄関扉の施錠を確かめる気配がした。
ギシギシ
フローリングの廊下を軋ませながらその足音が近付いて来た。拓真はギュッと目を閉じて身体を強張らせた。ランタンの灯りに照らされた美しい 青 は、無表情のまま拓真の肩に手を置いた。
「ねぇ拓真、起きているんでしょう」
その肩が小さく跳ね上がった。
「起きてる」
小さく呟いた拓真は張り付いた笑顔で背後を振り向いた。 青 が微笑んでいる。
ーーーその日《排卵日》だ
青 はベランダに寄り掛かって犀川の河川敷を見下ろしては「子どもが欲しいなぁ」と呟いている。妊娠しやすいタイミングを知る為に基礎体温計で毎朝の体温を測っていた。
「拓真、こっちを向いて」
「う、うん」
細い肩紐の薄いキャミソールドレスに顕になる胸の突起、薄い茂み。
「拓真」
馬乗りになった 青 に唇を貪られた。
「ん、うっ」
「なに」
「息が、出来ない」
そんな拓真の言葉などお構いなしに 青 は口腔に舌を差し込み掻き回した。涎が糸を引き、そしてまた絡み合う。
「んっ」
次に白い指先が拓真の股間を丁寧に揉み始めた。
「気持ち良いでしょう」
ボクサーパンツを両手で引き下ろした 青 は剥き出しになった局部を強弱を付けて上下に扱《しご》いた。それは拓真の意思に反しゆっくりと形を変えて硬くそり返った。
チュパチュパ
その先端を 青 の唇がすっぽりと覆い愛おしげに舐め回す。
「ーーーーん」
「ほら、もう大きい」
舌舐めずりをして口元を拭った 青 は拓真の上に跨《またが》るとゆっくりと腰を下ろし始めた。ズブズブと沈み込む局部、キャミソールドレスを捲り上げ、結合部分を見せつけながら 青 は髪を振り乱して腰を上下させた。
(やめてくれ)
「ん、は、はぁ、あ」
(もう、無理なんだ)
「あ、あ」
(青、もうやめよう)
拓真の心の叫びは 青 に伝わる筈もなく、ベッドに投げ出された身体は意に沿わない刺激に翻弄された。
(くそっ!)
半ば自暴自棄になり 青 の腰を掴むとその奥を激しく突いた。
「あ、う!」
大きくM字に開いた脚の間で体液が音を立てた。
「あ、ん」
局部を上下させると 青 は突起を拓真の下腹になすり付けるように前屈みになり腰を前後に激しく振った。
「ん!ん!」
「あ、あ」
「ん!」
「あ、た、拓真、たく、ま」
(拓真)
名前を呼ばれた瞬間、火かき棒がその額へと振り下ろされた。開く事のない扉の前に置かれた木製の椅子。花瓶に活けられた一輪のサフランの花。
ーーー過度を慎め
青 の声が拓真の名前を呼ぶごとにどす黒く広がる染み。
「拓真、気持ち、いい」
そのよがり声に拓真は急に力を失い 青 の中で小さくなった。張り詰めていたものが柔らかくなり快感の波が引いた 青 は怒りにも近い声を発した。
「え、拓真《《また》》なの!」
拓真は萎えたそれをゆっくりと抜いた。
「ーーーーごめん」
ベッドに腰掛けうつむき加減になった拓真の背中にしがみついた 青 は首を横に激しく振った。
「ご、ごめんなさい!もう言わないから!ごめんなさい!」
「良いんだ、本当の事だから」
「ごめんなさい!気にしないで!」
「ーーーーごめん」
拓真と 青 がセックスレスになってもう二年になる。 青 は夫婦生活の倦怠期がそうさせるのだと考えていたが実際は違った。高校時代を経て続くこの十年の歳月が拓真には耐えられなかった。
(無理だ)
もう限界を迎えていた。
「え、また出掛けるの」
「うん」
「珍しいね」
青 が「写真撮影に出掛ける」と和かに笑いながらキッチンでサンドイッチを作っていた。薄切食パンにバターとマスタードを塗り、ハム、チーズ、「彩りが欲しいよね」と胡瓜とトマトを挟んでいる。
「拓真の分も作っておくね」
「うん」
「お仕事の合間に食べて」
「ありがとう」
拓真は 青 が撮影して来た花をパソコンに取り込んで青いフィルターを掛ける画像処理を施し、フォトグラファー|AO《あお》の作品として世間に公表して来た。
「今日はなにを撮りに行くの」
「紫陽花」
「紫陽花」
「そう、紫陽花を撮るの。紫陽花の花言葉は」
「ーーーー移り気、浮気、だろ」
「え、拓真、なんで知ってるの」
「 青 が俺に告白してきた時にそう言ってた」
「よく覚えてたわね」
「顔がちょっと怖かったから」
「ひどっ!」
青 は笑いながら四角い食パンに包丁を入れた。グニュっとはみ出す赤いトマトの肉、赤い汁。
「はい、出来上がり!」
籐のバスケットにサンドイッチと水筒を入れ、首から一眼レフカメラをぶら下げた 青 は黒いサンダルを履いた。
「じゃあ、行って来ます!」
「 青 、車に気を付けてよ、それに日傘じゃ駄目だろう」
拓真はカメラを構える邪魔になるからと 青 の頭に麦わら帽子を被せた。 青 は何度も振り返りながらエレベーターのボタンを押した。拓真は手を振りながらその後ろ姿を見送った。
エレベーターの扉が閉まった。
「ーーーー名刺、名刺!」
玄関先で踵を返した拓真は結城紅のマネージャーである日村の名刺を探した。名刺入れをパラパラと捲る。
「あれ?」
入れた筈の結城紅の名刺が無かった。
(落としたかな)
日村、日村、結城紅のマネージャー日村の携帯電話番号をタップした。
「おはようございます、蒼井です」
「おはようございます。昨日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」
「どうされましたか」
拓真はゴクリと唾を飲み込んだ。
「今日、結城さんのスケジュールは空いていますか」
「あぁ、スタジオですね、ちょっと待って下さい」
電話の向こうで紙の音が聞こえ、誰かと言葉を交わしている。カナリアの声だ。
「お待たせ致しました」
「突然、申し訳ありません」
「結城はこれからグラビアの撮影が入っています。13:00にスタジオに来て頂けると助かります」
(13:00、青 が家に帰って来るかどうか、際どいな)
「は、はい」
「では大豆田《おおまめだ》のスタジオで」
「はい、よろしくお願い致します」
拓真は紺谷が契約しているフォトスタジオでの結城紅の撮影に漕ぎ着けた。
( 13:00、今からだと早いな)
壁の時計は10:05を指していた。犀川沿いのサイクリングロードを走れば自宅マンションから大豆田のフォトスタジオまで自転車で15分も掛からない。
(何処かで時間を潰すか)
拓真は慌てて仕事部屋に戻った。
( 青 が帰って来るまでに家を出る!)
本棚の奥から茶色い冊子を取り出してSDカードを掴むとポケットに放り込んだ。
(出掛けた言い訳なんてどうとでもなる!)
指先は震えこめかみが脈打った。慌ただしくカメラバッグに機材を入れてジッパーを閉め立ち上がる。
(ーーーー早く!)
それはまるで夜逃げでもするかのように靴を履き、自転車を担いでエレベーターのボタンを連打した。
青 は夏の日差しの下で額に汗を滲ませながらアスファルトにしゃがみ込んでいた。紫陽花の群生の中、夢中で一眼レフのシャッターを切る。濃淡の青紫の装飾花、中心の両性花では判別が難しい細かな粒の雄蕊《おしべ》と雌蕊《めしべ》が重なり合って朝露に濡れていた。
(ーーーふふ、いやらしい)
パシャ パシャ
青 は刻々と姿を変えるその息遣いを《《自分だけの時間》》、《《自分だけの物》》としてカメラレンズで切り取った。
(ーーーあなた、邪魔だわ)
紫陽花の葉先で今まさに飛び立とうと羽根を開きかけた《《赤い》》てんとう虫を、親指と人差し指で摘んでギュッと押し潰した。
(ふふ、トマトみたいね)
トマトの汁に似たてんとう虫の黄色い血が指先にベッタリと付着した。熱されたアスファルトに捻りつけるとそれは蒸発してやがて消えた。ふと人の気配に立ち上がる。
「拓真、どこに行くの」
首からぶら下げた一眼レフのレンズを素早く望遠レンズへと付け替え、ファインダーを覗いた。そこには大きな欠伸をしながら自転車に跨る拓真の姿があった。
パシャ パシャ
青 は刻々と姿を変えるその息遣いを《《自分だけの時間》》として切り取り《《自分だけの物》》にする。
パシャ パシャ
青 の携帯電話の画面で黒い足跡が犀川沿いのサイクリングロードを下流へと向かい移動して行った。
眩しい照明、純白のバックスクリーンを背に結城紅は佇んでいた。
「はーーーい!お疲れさまでしたーー!」
「紅ちゃん、今日も良かったよ!お疲れさま!」
「・・・・はい」
掻き上げる薄茶の長い髪。
「撤収!」
「はーい!撤収!」
水滴が垂れるペットボトル。
「はい、紅、お疲れさん」
「ありがとう」
マネージャー日村から手渡されたミネラルウォーターのボトルに口を付け喉仏を上下させながら水を飲む仕草は見えない糸で雄蜘蛛《おすぐも》を絡め取る女郎蜘蛛《じょろうぐも》のように妖艶だ。
「はーい、巻いて巻いて」
「二番、落としまーーす」
撮影現場では撤収作業が行われていた。暗幕の傍に佇んでいた拓真は結城紅の一挙一動に惹き寄せられるようにカメラを取り出しファインダーを覗いた。
パシャパシャ パシャパシャ
無意識のうちに指先がシャッターを切る。
パシャ パシャ
そのシャッター音に気が付いた結城紅はミネラルウォーターのペットボトルから唇を離した。滴る水が細い首筋を伝い、平らな胸元へと消える。
「はい、これ、もう要らない」
「了解」
日村に飲み掛けのペットボトルを手渡す。
パシャパシャ
純白のバックスクリーンに深紅のノースリーブロングドレス、脇ぐりは大きく開き薄い胸の膨らみが見え隠れする。色味のない唇、陶器のような肌、無表情な瞳、中性的な顔立ちは少年、いや壁画に描かれた天使だ。
パシャ パシャ
無音の空間に拓真の切るカメラのシャッター音だけが響く。
パシャ
拓真は結城紅に取り憑かれたように前のめりになった。
パシャパシャ
すると結城紅の赤茶の瞳はカメラレンズから視線を外す事なく優雅な動きで床に座ると惜しみなく脚を開いた。
(・・・・・!)
清らかな存在から淫靡な女に堕ちる瞬間を切り取った拓真は身震いがした。
(・・結城、紅)
薄い布切れで隔てられたその部分を掻き回した時、結城紅はどんな声で鳴くのだろう。拓真は息を呑み瞬きを忘れた。
パシャ
そのまま床に倒れ込む。
パシャ
結城紅は優雅に脚を交互に動かし中腰になると長い髪の毛を両腕で掻き上げ天を仰いだ。筋張った首から鎖骨へのライン、緩やかに背中を向けて振り返ると襟足で結えた赤い紐が魚の背鰭《せびれ》のように揺らめいた。
パシャパシャ パシャ
赤茶の瞳が拓真を捕らえて離さない。
「蒼井さん、どうされましたか?」
「それが、その」
日村は腕組みをしてしばらく考え込んだ。
「モデルを撮るのは初めてでしたね」
「はい」
結城紅にバスローブを羽織らせて向き直る。
「狩るか狩られるか、ですよ」
「狩る、狩られる?」
「モデルに負ければただの猥褻画像《わいせつがぞう》にしかなりません」
「猥褻画像、ですか」
「今の蒼井さんはどちらでしょうか」
「すみません」
日村は声を出して笑い拓真の肩を叩いた。
「正直で良いですね!頑張ってください!」
「は、はい」
「では、お疲れさまです!」
「お疲れさまです、ありがとうございました」
「またいつでも連絡して下さい」
「はい」
赤茶の瞳が拓真の目を冷たく見た。
「あ、ありがとうございます」
「お疲れさまです」
猥褻画像と表現され困惑する拓真の左手になにかが握らされた。咄嗟に振り向くが結城紅は素知らぬ顔でスタジオの扉を後にした。
090ー32**ー0***
携帯電話番号だった。
拓真はそのメモ紙をカメラバッグの内ポケットに畳んで仕舞った。
( 青 、帰って来ているだろうな)
慌てて自転車に跨り信号機のない交差点を斜め横断してペダルを踏み続けた。拓真の脳裏では 青 への言い訳の数々が渦を巻いていた。
(「俺も紫陽花を撮ってみようかと思って」、単純すぎるか)
その時、SDカードに結城紅の画像が記録されている事に気が付いた。
(・・・駄目だ!)
拓真は自転車をブロック塀に立て掛けた。歩道にしゃがみ込むとカメラを取り出しSDカードを交換した。
にゃーーーーん
(これで良いか)
拓真は日向で転がる野良猫と民家の庭先に咲いていた紫陽花を数枚連写した。そして陳腐なアリバイ作りに思わず失笑した。
(俺、なにやってるんだよ)
液晶モニターに映し出された写真の出来栄えは最悪で、適当に撮った物である事は一目瞭然だった。
( やっぱり 青 に見つかったら正直に謝ろう)
拓真は自転車を押してサイクリングロードを上流へと向かって歩いた。河川敷を笑い声を上げながら走り回る色取り取りの帽子、拓真の足取りは鉛を引き摺るように重かった。
「ふぅ」
マンションに着く頃にはTシャツの脇には汗染みが出来、額に汗が吹き出していた。ただ、自転車を担ぐ手のひらには違う意味での汗がジワリと滲んだ。
大きなため息が出る。
自分一人での外出、たかがそれだけで 青 の承諾を得なければならない。それに背けばあれこれと理由を探し、こうして取り繕って 青 の機嫌を窺わねばならない。
「ーーーーただいま」
玄関扉を開けるとそこに人の気配はなかった。肩の力が抜け、カメラバッグを床に力無く置いた。
(良かった)
だがこの汗はどう説明したら良いのか、Tシャツを着替えていれば 青 は不審に思うだろう。部屋を見回した拓真の目はベランダで止まった。
(雑草)
青 が世話をしているテラコッタのプランターに雑草が伸びていた。
(そうだ、ベランダの植物の世話をしていた、そうだ、そうしよう!)
慌ててサンダルを履いた。
「熱っ」
夏の日差しに晒されたサンダルは熱したフライパンのようだった。拓真は恐る恐るサンダルを突っ掛けるとベランダに座り込んで雑草をむしり始めた。首を汗が伝う。
程なくして玄関の扉が開いた。
「ただいまーー、暑かった!」
「おかえり」
「あれ、なにしてるの」
「雑草が生えていたから、汗、かいちゃったよ」
「へぇ、珍しい」
青 が冷蔵庫を開けると冷気が首筋を撫でた。ふと、気が付く。
「あれ、拓真、サンドイッチ食べなかったの?」
「忘れてたーーー」
「そう」
皿のラップを外した 青 はサンドイッチを生ごみのダストボックスに捨てた。
「拓真、お仕事すすんだ?」
「うん」
青 は玄関先に置かれた拓真のカメラバッグに視線を落とし指先で触れてみた。黒いカメラバッグは灼熱の太陽を吸収して熱を持っていた。
「そう、良かったね」
「 青 も紫陽花、良いのが撮れた?」
「うん、《《沢山撮れた》》よ」
「そう」
その時、リビングテーブルの上で拓真の携帯電話が震えた。
「バイブレーション、珍しいね」
「集中したかったんだ」
「誰から?」
LINE通話の相手は友人の羽場勝己だった。