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この作品はnmmn二大禁です
登場する人物や場所などは全てフィクションであり、実在する方々や団体などとは一切関係ありません。
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界隈のルールを守って楽しみましょう。
cp: 🩷💚🩷(左右なし 皆様の解釈次第です)
人間skm×人外ab
途中死ネタが含まれます
全年齢
とある曲のパロディ
よろしくお願いします。
(余談) ノベルの時どちらの方が読みやすいですか?
①「佐久間!」(今回の書き方)
②🩷「阿部ちゃん!」(色ハートあり)
コメントで教えて下さるととっても助かります。
ここは、俺が作ったちっぽけなお城。
いつしか人間に迫害され、居場所がなくなった。化け物の癖に力がない俺が行けるところなんて限られていて、限りなく頑張った結果、森の中にやっと小さな城を建てた。
ここには誰も入らせない。俺だけの場所だ。誰かを通すわけにはいかなかった。ドアを開けたくはなかった。それが俺のプライドだった。
人に触れて、自分が傷つくのが嫌だから。
俺が必死に築いたお城は、自身が肩身が狭いと感じるぐらいに、空虚に満ちていた。
突然、俺のお城に人間が来た。俺が城を作って、初めてだった。
「おーい、出てきなよ」
「……」
行きたくないと思った。返事をしたくなかった。それは警戒をしているから。
俺のテリトリーに来ないで、俺は一人でいたいんだ。
「誰かが住んでんの、俺は知ってるよ!」
「……はぁ」
しかしこのままここに居られても困る。
一度冷たい態度を取られたら、きっともう来なくなる。
それは辛いけれど、またすぐ一人になるけれど、俺は一人でいたいから。いるしかないから。
───
「……はい」
「あっ!でてきた!!ちわっす、佐久間大介って言います!」
「……アベ、です」
「アベ!なんて呼ぼうかな?」
「……なんでもいい。なんでここに来たの?」
「じゃあアベちゃんって呼ぶ!俺ね、アベちゃんと友達になりたかったの」
「は?……友達??」
意味が分からなかった。なんでわざわざ俺と友達に?
人間……佐久間はこういった。 「物心ついた時から、人と話せなかった。でもいつかにアベちゃんを見た時、あの人なら仲良くなれそうだと思った」と。
尚更、意味が分からなかった。人間同士で仲良くなれないのなら、化け物である俺となんてもっと無理だと思わないのだろうか。
「アベちゃんは俺と同じような気がしたの!」
「どこがだよ……」
佐久間が紡ぐ言葉全てに頭痛がした。理解ができなかった。
それから、佐久間は毎日俺の城に来るようになった。
たくさん酷い言葉を叫んだ。
佐久間は嫌な顔せずに俺の言葉を受け止めた 。
たくさん体を突き飛ばした。
佐久間はよろめいた後、笑って俺を宥めた。
城に帰らない日を作った。
佐久間は俺が帰ってくるまでずっと待っていた。
人間性を確かめたくて、色んな事をした。
佐久間は動物を見捨てなかったし、人に嘘をつかれても恨んだりはしなかった。
あいつは、俺にないもの全て持っていた。
「なんでそんなに優しいの?」
「え?なにが?」
「佐久間に酷いことしてきたのに。なんで俺から離れていかないの?」
「んー……アベちゃんはずっと寂しかったんでしょ」
「は?」
「だってアベちゃんのお城、すごく冷たいもん」
「……」
「だから、俺が一緒にいるんだ」
ある日、佐久間に心の内を言ったことがあった。
「お前が俺と一緒にいてくれんのは、同情?」
「はえ?違うけど……え、違うよ!?」
「いいから。同情なんだろ?俺が寂しかっただろうからって」
「違うってば、話聞いてよ」
「お前に俺の気持ちが分かってたまるかよ!!」
そう言った瞬間、佐久間から光が消えた気がした。まずいと思った。
「……俺も。俺も、寂しかった」
「っ……」
「アベちゃんの気持ち、すげえ分かるから。だから、一緒にいたいんだよ」
「……佐久間、」
「ねえアベちゃん。名前作ろうよ」
「……は?もうアベって…」
「そうじゃなくって、漢字で」
「……なんの意味があるの?」
「んふふ……仲直りの証!」
そうやって、俺に名前がついた。
俺はアベじゃなくて、阿部になった。
佐久間に少し絆された。でも、無意識に佐久間を一番の大切にするのを怖がった。
ずっと一人だった。
一人にされて、一人が必然だった。
だから体が、許してくれない。佐久間と仲を深めて、俺が佐久間に懐くのを、許してはくれない。
太陽みたいな彼に溶かされるのを、必死に氷で止められているのだ。
「阿部ちゃん」
「また会おうね」
「好きだよ、阿部ちゃん……」
ずっと、自分に隠し事をしていた。
それが彼に対する俺の愛だと知っていた。
ある日突然、佐久間が城に来なくなった。
……いや、突然ではなかった。
俺が佐久間に名を付けられて、半世紀は経っていた。
「……寿命かな」
ああ、ああ。いよいよ 彼もいなくなった。
俺が愛した人間が。愛せてたかも分からないけれど、彼がいなくなってここまで俺の感情が荒ぶるのなら、きっと愛せていたのだと思う。
そんな彼が、佐久間が、いなくなってしまった。
いなくならないで。いかないで。俺を置いていかないで。いやだ。ここにいて欲しかった。ずっとずっと俺のそばにいて欲しかった。佐久間が好きだった。
化け物の俺にあるのは永遠だけ。
どうせならば、永遠なんかよりも永久の愛が欲しかった。
「…っ、さくま”、さく”、まぁ”……!!」
初めて人の為に吼えた。
彼がいなくなってやっと後悔が募る。
もっと彼の手を握って、彼と笑って、彼と紡いで、
「もっと、愛を伝えたかった……っ」
城を出て、何百年ぶりに都心に向かった。
人々の中には、俺が忌み嫌って憎んでいた悪しき風習は消えていて、人々は化け物である俺を歓迎した。
俺は、人々を初めて愛した。
佐久間以外の人々を、好きになれるようにした。
人々を愛して、人々に尽くして、たくさん善い事をした。
そうすれば、佐久間とまた会えると思ったから。
佐久間のことを、忘れないで。
佐久間を思い出して、涙を紡いで。
佐久間がいつか俺の目の前に現れてくれるその日まで、俺はいつまでも待ち続ける。
いつまでも、いつまでも。
俺は佐久間が、好きだから。
「…………阿部ちゃん?」
終わり。
💚「もっと、愛を伝えたかった……っ」
人の姿をした人外。人間に国を追い出され、自分が築いた小さなお城で暮らしていると佐久間に出会う。自分に無いものを沢山持っている佐久間に嫉妬していた時もあった。
佐久間が死んでから自分の感情に気付いた。
そのうち自分の体にある永遠が消えていく(死ねるようになる)。
人々を愛した。
🩷「……阿部ちゃん?」
人間。阿部と出会った頃は15歳だった。人と仲良くしたかったけど人が怖くて、(人じゃない)阿部とならと思った。本当に阿部が人じゃないと気付いたのは、阿部に名前をつけた辺りから。段々と阿部に恋していった。死に際に阿部に愛を伝えた。
寿命を全うしたあと、何千年後に……