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…いのさん……るいのさん…!
るいの「っ!!」
病「あ、お、起きた…?授業、終わったよ」
るいの「てんしがめのまえに…」
病「て、天使…?!」
るいの「あ、い、いや…なんでもない…!」
病「え、えぇ…?」
ただ、まだ少し寝ぼけている僕は、そんな風に困惑している病くんに可愛いと思っていた。
るいの(おかしいな、なんかずっと病くんが可愛く見える…)
その日の昼休み
蝶野「あ、風音さん、ちょっといいかしら?」
るいの「え、あ、はい」
担任の蝶野先生に呼ばれた。
るいの「どうしたんですか?」
蝶野「あなた、今日の化学の授業で寝てたって聞いたんだけど…」
るいの「あー…なんか眠くて…」
蝶野「寝不足なの?」
るいの「いえ、昨日はちゃんと15時間ほど寝たのですが…」
蝶野「あなたそれいつ寝たのかしら」
るいの「16時から寝てました」
蝶野「あなたもしかして停学中ずっと寝てたの?」
るいの「することなくて…」
蝶野「勉強はどうしたのよ、学生の本業よ?」
るいの「まあまあ」
蝶野「まあまあじゃないのよ()。それはいいとして」
るいの「?」
蝶野「あなた、悩みがあるように見えるけど…」
るいの「悩み?僕が?」
蝶野「ええ。気になる人でもできたかしら?」
るいの「気になる人…」
僕は、その言葉で真っ先に病くんを思い出した。
るいの「……!!!違う…!えーっと、病くんはただの友達で…親衛隊とかそんなんじゃなくて…!可愛いとか思ってなくて…!!!」
蝶野「……それ、思ってる時の物言いよ」
るいの「……よく、わからないんです。僕は病くんと友達なはずなのに、可愛いとか、笑顔を守りたいとか、ずっと隣にいたいとか、病くんをいじめるやつは殺してやりたいとか…思うんです」
蝶野「……物騒なことは考えないでちょうだい。ちなみに、それ自体は友達だろうがなんだろうが普通に思うことよ。ただ…」
るいの「ただ?」
蝶野「その感情は、友達以外に、好きな人…すなわち、恋人にしたい相手にも同様に抱くわ。」
るいの「恋人に…したい相手…」
蝶野「あなたがその気持ちを友情と見るか、愛情と見るかは任せるわ。また迷ったら相談しに来なさい。私はあなたの担任よ。どこまでも力になるわ」
るいの「先生…僕…病くんの親衛隊になりたいです…」
蝶野「決断早いわね…てか親衛隊なの?!」
るいの「笑顔を守りたい…あの可愛い笑顔を…それは親衛隊にしか出来ないと思うんです…!!」
蝶野「いえ、親衛隊以外にもできるわよ。友達と、恋人よ。もちろん、家族にも、その他の人にも、彼と関わる人なら誰にだってできるわ」
るいの「僕が文化祭の時殴ったやつは病くんを悲しませました」
蝶野「ああいうのは関係ないのよ、てかあなたがああいうのから守るのよ」
るいの「教師が生徒のことああいうのって言っていいの?」
蝶野「あなたが言わせたようなものよ?」
蝶野「とりあえず、私は授業があるから戻るわ。また何かあったら相談に来なさい」
るいの「……はい」