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《神話を超える双星の勇者 - 外伝》
「魔導士の祈り - セリアの物語」
 
 — 追い求めた力の意味
 神イーグとの戦いを終えたセリアは、自らの故郷へと戻っていた。
それは彼女がかつて魔導士としての修行に励んだ場所。
だが、セリアは今、新たな疑問に直面していた。
 「私は…本当に正しい力を使えていたのだろうか?」
 神を打倒するために積み上げた努力と知識。
だが、戦いが終わった今、彼女の心には迷いが残っていた。
 「私が築いてきた魔法の力は、本当に誰かを守れていたのか…?」
 力に溺れ、強さだけを追い求めてきた過去。
それでも仲間と共に戦った日々が、彼女に優しさと絆の意味を教えてくれた。
 
 — 古き魔法の里
 ある日、セリアは故郷にある古代の魔法図書館を訪れた。
そこには、長きにわたり禁じられた魔法の知識が眠っていた。
 「この力は、本当に必要だったのか…?」
 セリアは、自分が学んできた魔法の数々を見つめ、葛藤していた。
強くなければ、誰も守れない。だが、強さの先にあるのは破壊なのか。
それとも、真に守るための力なのか。
 その時、一人の少女が図書館に現れた。
彼女の名はリスティア。
まだ魔法を学び始めたばかりの小さな少女だった。
 「セリアさん、私も…強くなりたいんです。みんなを守れる魔法使いになりたい。」
 その純粋な願いに、セリアは静かに答えた。
 「リスティア…何のために、強くなりたいの?」
 少女は真っ直ぐに答えた。
 「大切な人を守りたいから。」
 その言葉に、セリアはハッとする。
かつて、自分もそう願ったはずだった。
ただ強くなりたかったのではない。大切な人を守りたかったのだと。
 
 — 力の在り方
 リスティアの修行を見守るセリアだったが、少女は自分の魔力の弱さに悩んでいた。
 「私、全然上手くできない…。」
 魔法の光は弱く、何度も失敗を繰り返していた。
 「こんなんじゃ…みんなを守れないよ。」
 その涙を見て、セリアは静かにリスティアに寄り添った。
 「リスティア、強さって…力の大きさじゃないの。」
 「…じゃあ、何?」
 セリアは優しく答えた。
 「守りたいっていう気持ちが、一番の強さになるのよ。私もそうだった。」
 「…セリアさんも?」
 「うん。私も昔は、自分の弱さに悩んだ。でも、大切な人を守りたいって思った瞬間に、本当の強さを知ったの。」
 リスティアは驚いた表情でセリアを見つめ、静かに頷いた。
 「私…もっと努力する。守りたい気持ちを信じて、もっと強くなる!」
 セリアは優しく微笑み、少女の頭を撫でた。
 「その気持ちがあれば、きっと大丈夫よ。」
 
 — 魔導士の祈り
 数日後、リスティアは再び魔法の修行に挑んでいた。
 「私、負けない…絶対に諦めない!」
 何度失敗しても、リスティアは諦めなかった。
そしてついに、彼女の魔法が光を放ち、見事に成功を収めた。
 「やった…!」
 リスティアは涙を浮かべながら、セリアの方を見た。
 「セリアさん…私、できたよ!」
 セリアは微笑み、そっとリスティアを抱きしめた。
 「うん、よく頑張ったね。あなたの努力が、未来を変えたんだよ。」
 そして、セリアは祈るように呟いた。
 「この子の努力が、未来に繋がりますように。」
 
 その夜、セリアは星空の下で静かに誓った。
 「これからは、私もただ強さを求めるのではなく、大切な人を守るために努力し続けよう。」
 かつての迷いはもうなかった。
リスティアの努力が、セリアの心を導いてくれたのだ。
 
 ■ 未来を信じて
 セリアはリスティアに優しく語りかけた。
 「大切なのは、努力を続けること。そして、誰かを守りたいという気持ちを忘れないこと。」
 リスティアは頷きながら答えた。
 「セリアさんみたいな、優しい魔法使いになります!」
 セリアは微笑みながら、星空を見上げる。
 「…それが、私の一番の願いよ。」
 
 努力は、未来を変える。
そして、守りたいという気持ちこそが、本当の強さとなる。
 セリアの魔法は、これからも人々の希望を守り続けるだろう。
その努力と祈りは、永遠に輝き続ける。
 
 外伝・セリアの物語・完