コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠呼び捨てありです。
本人様とは関係はありません
とっても下手です
ーーーーーーーーーー
[あと1ヶ月]
医師の言葉は、莉犬の頭の中で、妙に穏やかな響きをもって反芻していた。
病名は何度か聞いて慣れてしまったもの。
そして、医師が勧める
“[手術]” は、彼に残された唯一の希望だった。
成功すれば命は助かるかもしれない
だが、その成功率はかなり低く、もし失敗すればただ苦しい時間を引き延ばすだけになるかもしれないと、
医師は正直に答えた。
白く清潔な診察室から抜け出し、莉犬は秋の冷たい風に吹かれた。
手の中には、小さく握りしめた手術同意書。
その紙を莉犬はポケットの奥深くに押し込んだ。
彼は決めた。苦しい治療や、先の見えない戦いで、貴重な最後の時間を費やしたくない。
それに、何よりメンバーに心配をかけたくない。
あの明るくて少し抜けたところもある、優しいるぅとくん。
冷静でしっかりものだけど、弟みたいに莉犬をいつも気にかけてくれるころちゃん。
頼れるリーダーで、1番莉犬の体調の変化に敏感やなーくん。
いつも元気で場を盛り上げてくれるムードメーカージェルくん。
そして、いつも優しく見守ってくれる兄貴分のさとみくん。
彼らは今新しいドームツアーとアルバム作成に向けて、かってないほど暑くなっている。
もし今、病気のことを打ち明ければ、その熱を冷まし、すべてを台無しにしてしまうだろう。
[俺はあと1ヶ月、すとぷりの莉犬として過ごす。いつもの、元気で可愛い莉犬として最高の思い出を作って終わるんだ。]
それが彼なりの、メンバーへの