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沢田はインクまみれの手をじっと見つめ、夕陽を背にしながら呟いた。
「……俺って、そんなに残念か?」


鈴は教室で、くすっと笑った。


「うん、結構残念よ。」


「なっ……!」沢田はびくっと肩を震わせ、鈴のほうを振り向く。「貴様……まだいたのか……!」


「うん。沢田が面白かったもの。」


「お、面白かっただと!? 我は至って真剣だったのだぞ!」


「そこが面白いの」


鈴はいたずらっぽく笑いながら、ツカツカと沢田に近づく。そして、不意に ぷにっ と彼の頬を指でつついた。


「なっ!??」


沢田は目を見開き、ガタッと椅子を揺らしながら後ずさる。

「な、何をする……!」


「いや、赤くなってて可愛かったから」


「かっ……!?」

沢田の顔が一瞬で真っ赤になる。


「ば、馬鹿を言うな! 我は可愛いなどという次元を超越した存在……!」


「いや、普通に可愛い。」


「ぐぬぬ……!」


鈴は面白がって、もう一度 ぷにっ とつつく。

「おー、柔らかいわね」


「や、やめろぉ……!」


必死に手でガードする沢田。しかし、鈴はその間をするりとすり抜け、再び ぷにぷにっ と頬をつつく。


「ふふ、思ったより弾力あるね」


「くっ……! これは……闇の波動の蓄積による影響……!」


「うんうん、そういうことにしとくねー」


「ぐっ……! 貴様、本当に意地が悪い……!」


鈴はけらけらと笑いながら、

「じゃあ、また明日ね、闇の波動さん」

と軽く手を振ると、教室を出て行った。


残された沢田は、机に突っ伏しながら顔を覆う。


「……お前、絶対楽しんでるだろ……!」


でも、心のどこかで悪くないなと思ってしまったのは、沢田だけの秘密だった。


…………

「何をしているんだい。沢田。鈴にフラれておかしくなったのか?さあ、この僕の素晴らしい美しさを見て、気力を取り戻したまえ…」


「違う、麗、そうじゃない。」


「沢田先輩元気ないんですか?…大丈夫ですか?振られたんですか?元気出してください。奢りますよ…

リンゴジュースのみ…」


いつの間にか現れた蘭が心配そうに見つめる。


「いや、フラれてないし。何故リンゴジュースのみなんだ…。」


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