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クリスマス当日。
街は完全に冬の光に包まれていた。
イルミネーション。
人のざわめき。
少し浮ついた空気。
約束の場所。
「……早いな」
先に来ていたのは
ブライト・アイズ。
ポケットに手を入れて、静かに立っている。
白い息が、少しだけ見える。
「……寒い」
ぽつり。
首元は相変わらず軽装。
「すみません!!」
少し遅れて走ってくる
シェドレツキー。
「遅くなりました!」
「……別に」
「今日はその……」
少しだけ言葉に詰まる。
(渡すタイミング……)
「行く?」
ブライトが先に言う。
「あ、はい!」
流される。
歩き出す二人。
クリスマスの街。
人が多い。
距離が自然と近くなる。
「……」
ブライトが少しだけ肩をすくめる。
また。
同じ仕草。
「……寒いですか」
「……まあ」
強がり気味。
「……」
シェドレツキー、決める。
「……あの」
「なに」
立ち止まる。
人の流れの中で、少しだけ空間ができる。
「これ」
袋を差し出す。
「……?」
「クリスマスなんで」
少しだけ照れながら。
「その……寒そうだったんで」
「……」
ブライトが袋を見る。
ゆっくり受け取る。
開ける。
中には——
白いマフラー。
「……」
一瞬、無言。
「……これ」
「はい」
「……あたしに?」
「はい」
「……」
少しだけ、目が細くなる。
「……なんで白」
「似合うかなって」
まっすぐ。
沈黙。
数秒。
「……」
ブライトがマフラーを見る。
そして。
「……」
少しだけ、自分の首元に当ててみる。
「……」
似合う。
シンプルに。
「……つけていい?」
ぽつり。
「……もちろん!!」
ちょっと声が大きい。
くるり。
マフラーを巻く。
白が、紫の髪とよく合う。
「……どう」
少しだけ顔を上げる。
「……めっちゃいいです」
即答。
「……そう」
少しだけ視線を逸らす。
でも。
「……ありがと」
小さく。
ちゃんとしたお礼。
「……っ」
シェドレツキー、少し固まる。
(言った……)
そのまま。
また歩き出す。
今度は——
さっきより少し近い距離。
「……あったかい」
ブライトがぽつり。
「……よかったです」
自然に笑う。
少しして。
「……あんた」
「はい」
「こういうの」
少しだけ間。
「……嫌いじゃない」
「……!」
完全に止まるシェドレツキー。
「……行くよ」
先に歩くブライト。
マフラーを軽く押さえながら。
その後ろで。
「……やばい」
小声。
少し離れた場所。
木の影。
「見たか」
腕を組む
デュセッカー。
「見た」
頷く
ビルダーマン。
「成功だな」
「完璧だ」
なぜか評価している。
「……こっちも進んだな」
デュセッカーがぼそっと言う。
その先。
白いマフラーを巻いた
ブライト・アイズ。
その横に並ぶ
シェドレツキー。
冬の夜。
少しだけ、距離が縮まった二人。