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「っ真!!!ダメだ…それ以上は死ぬ…」
「?殺すんだよ、何がだめなんだ?」
いつもの真じゃ無い。愛しい、何よりも大切な人なのに、肝が冷えるのを感じた。体が逃げろと言っているのを感じた。
「真….気持ちはわかる…でも、これは正当防衛にならない……真が罰せられる…」
「いいよ。澪さんだって罰せられる。何も悪くないのに。感謝されたまま、大事な人を失ったまま、罰せられる。俺が殺すよ。澪さんの罪を霞ませるよ。」
「霞ませられるわけないだろっ…。罪は重複したからって消えるわけじゃない…。一つずつ、上から罰せられていくだけだ。」
「やめてください、優しいお兄さん。」
俺たちのやり取りを見て、雨野さんは立ち上がった。
「私は犯罪者なのに、話を聞いてくれて嬉しかった。優しいあなたが涙を流しながら聞いてくれて、嬉しかった。救われました。だから、沢山の人をその優しさで救ってほしいの。あなたの優しさは、あなたの手を汚すためのものじゃないはず。」
ただ…と雨野さんは多岐の前まで歩き、屈んだ。
「あなただけは絶対許さない。私は寸前といえど人を殺してないから死刑にはならないけど、あなたはなるわね。どうせ死ぬならその前に殴らせて。」
と、多岐の顔を殴り、履いていたヒールを投げた。
「大っ嫌い。地獄に落ちて。」
多岐はまた気絶した。
「澪さん….いいの?」
「いい。すっきりしました。救ってくれたのがあなた達で本当によかった。ありがとう。」
それから俺たちは、多岐と雨野さんを警察に受け渡し、無傷である人質を家まで送り、手当済みの重傷者を病院まで運んだ。
その間、真はずっと涙を流していた。
____帰路。
「…真、そろそろ泣き止もう?」
「無理だよぉ”、何ッで澪さんが捕まるんだ…可哀想すぎるだろぉお”“」
「そこら辺は本人が償いたいって言ってるんだから…それに人質だった人達の証言もあるし、すぐ釈放されるよ」
「….そうかな?」
「うん」
ズビッと鼻をすする真が愛しくて、気づいたら抱きしめていた。
「ッンだよ弦ー….鼻水付くぞぉ”..」
「…いいよ。泣き止むまでこうしてる。」
「良い奴だなぁお前って….」
これを善意と解釈する真のお人好しさと鈍感さにため息が出る。
「…ていうかお前、また傷増えちゃったなぁ..」
真はそう言って、俺の腕の傷を手で覆った。
「いい。今回は3つだけで済んだし。」
「良くねぇよ….ッてか頭まで撫でられんのは恥ずいわ!!!何歳だと思ってんだよ!!」
「….落ち着くかなって」
「…..確かに…ちょっと眠くなってきたし….」
「寝てもいいよ、真1人くらいなら運べるから。」
「んん”ー?寝ね…ェ…….」
すぐ寝てしまった。起こさないようにおんぶして、軽さに驚愕する。
(….細いもんな。どうやって戦うんだよコレで)
それすらも愛しい。
…優しいからこそ暴走してしまうことがわかった。歯止めが効かないときっと真は人を殺めてしまう。それを止められるのは俺しかいない。
……それはいいが、真の家を知らない事に今更ながら気がついてしまった。