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2話 久米島照
「は?何それ、お前いつの間に?」
「これには深いわけがあるんだ…」
尾蜜様は必死に弁解しようとする。
私はというと……
(推しカプが目の前で話してる…!)
一人舞い上がっていた。
「星宮お前尾蜜のこと好きなの?」
「いやいやとんでもない!寧ろ私は…!」
危うく『久米島様と尾蜜様が結婚してほしいです!』というところだった。
「寧ろ何。」
「えっとそのぅ……」
「まあまあ良いじゃないか。」
尾蜜様がフォローをしてくれたおかげで難を逃れた。
(まったく、長いファンサだなぁ…後でメモっとかないと。)
時は過ぎ、夜9時30分。この学園に通う生徒は皆、学生寮で暮らす。なんとご飯付きだ。
そして今私は何をしているのかというと机に向かってひたすら……
“腐日記”を書いている。
説明しよう、腐日記とは腐女子のための腐女子による日記だ。(←ためにならない情報)
『今日は今までで一番最高な日だった。何故なら久米島様と尾蜜様が私の目の前でお話されていたから。2人は愛し合って』
「何夢中になって書いてんの。」
聞き馴染みのある声が聞こえた。ん?声が聞こえた?
「うわっ!?!?」
私は慌てて腐日記を閉じた。その理由は一人しか居ないはずの、男子禁制のはずの女子部屋に久米島様と尾蜜様が背後に居たからだ。
「な、なんのようですかっ、勝手に…」
「ノックした。気付かなかったのは星宮で俺達冤罪。」
「勉強していたのかい?」
運よく「愛し合っている」という言葉を書き終わらなかったのでバレては居ないようでホッとした。
「一応そんなところですね。で、何の用なのでしょうか?」
「星宮が尾蜜にふさわしい人間か見極めに来た。」
「あ、言い方凄いけど堅苦しいものじゃないからね。」
2人の性格が明らかに違うな、と改めて実感した。
「具体的には何を?」
「それは…」
ゴクリ……
「ババ抜きだ。」
「バ、え、凄い簡単じゃないですか。それでいいのですか?」
「なぁ尾蜜、ババ抜きって簡単か。」
「まあ、ご年配の方でも出来る遊びだね。」
「ま、まあいい。俺達と勝負しろ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1回目…
「俺の勝ちだ。」
「おめでとうございます。」
2回目…
「僕が勝ったみたいだね。」
「おめでとうございます。」
3回目
「僕が一番乗りかな?」
「おめでとうございます。」
4回目
「俺。」
「おめでとうございます。」
5回目
「俺が勝った…って…なんで星宮勝たないんだよ。」
「わかりません…」
「あぁ、もういい。ジュース買うから星宮ついて来い。」
「?あ、はい。」
私と久米島様の二人で外の自動販売機へと向かった。
「何がいい。」
「じゃ、じゃあリンゴジュースで。」
「はは、リンゴジュースって子供かよ。」
滅多に笑わないことで有名な久米島様が笑った。
「大人でも飲みますよ!!」
つられて私も笑った。
「……星宮って笑うんだ。」
「笑いますけど、それはこっちのセリフですよ?」
「………行こ。」
早足で先を行く久米島様の耳が少し赤い気がするのは気のせいか。