小川Side
 あれから‥
Tシャツを脱がせても、すっかり抵抗する気力のなくなった藍をベッドに寝転ばせる。シーツの上で惜しげもなく白い肌を無防備に晒す姿は‥ この上なく綺麗だった。
 肌の感触を楽しむように手を滑らせても、時折小さな反応を示すだけで‥抗う素振りもない。その瞳もきつく閉じられたまま。
 さっき話をした‥祐希さんが智さんのところに行ったという事が相当ショックだったんだろうか。
 きつく閉じた瞳の目尻が濡れている‥。
その目尻に唇を寄せ軽いキスを送る。慰めるようにチュッチュッと、リップ音を響かせながら顔から首元へと徐々に下りていった。
 可愛い反応が見たくて、時折歯を立てるが、眉をしかめる程度で反応を示してはくれない。
 藍なりの抵抗なんだろうかとふと考えると‥妙な嗜虐心が芽生えだす。
意地でも反応させてやりたいと思ってしまう。ははっ‥、俺の心の中にもこんな気持ちがあるなんて‥
 
 
 優しく頭を撫でる手とは裏腹に‥綺麗な胸の突起物には激しく吸い付いた。さっきまで弄られていたせいで、少しの刺激でもピンと立つ先端に歯を立てる。
 「ふっ‥ぐっ、」
 すると、それまで声も出さず無言だった藍の唇から、よがり声ともつかない声が漏れ出す。
 痛みの混じる快感に弱いんだろうか。必至で声を押し殺そうとするが‥そうするたびに可愛い突起物に歯を立てられ、否が応でも声が出てしまっていた。
 「気持ち‥いいんでしょ?ねぇ、藍、」
 認めて受け入れたほうが楽になるよ♡と忠告するが、ブンブンと頭を振るばかり‥強情だな。
素直にならないなら‥少々強引ではあるが、口に含んでいた突起物を今度は強く指で摘んだ。
途端に藍の口から悲鳴が漏れる。
 「やっ、らぁ‥やめ、痛‥い、いっ、や‥‥」
 ようやく藍が瞳を開く。濡れていた目尻からは新しい雫が溢れ落ちた。
 「あっ、やっと目、開けたな。素直にならない、藍が悪いんだよ」
 そういってニヤリと笑うと、涙を流す藍が睨みつけてくる。
 「小川‥さんの‥アホ!」
 上目遣いで悪態をつくがその表情は‥逆効果になるということを、そろそろ気付いても良さそうなのに‥
 藍自身気付いていないんだろう。一つ一つの動作が相手を煽っているということに‥
 
 「アホで結構!いっつも祐希さんとおままごとみたいなエッチしかしてないんだろ?それか‥全部祐希さん任せなのかもな‥どう?違う?藍ちゃん♡」
 「なっ!!///なん‥で、そん‥なん、言われんとあかんの?」
 俺の言葉一つで藍の顔は真っ赤に染まる。可愛い顔が怒りに満ちる。が、どれをとっても‥もはや今の俺にとっては興奮する材料にしかならない。
 まさか‥こんなに藍に夢中になるなんて‥思いもしなかった。
 ちなみに、智さんは何でも受け入れてくれるタイプだ。快楽に貪欲で好奇心もある。そこが大好きでもある。
 しかし、藍は‥あれだけ祐希さんに抱かれているはずなのに、キス一つとっても未熟だ。多分、何回行為をしても慣れることはないんだろうと思う。
全てが辿々しい。
だが、不思議なことにそんな所が愛らしいと思ってしまう。染まりきらない藍が、可愛くて仕方ない。
俺色に染めてみたい‥と沸き起こる欲望を抑えきれなくなる。
 
 そう‥
 どんどん夢中になっていく。
底なし沼のように‥
 
 
 
 
 
 「んっっ、‥嫌やっっ、」
 両手を突っぱねて嫌がる藍の顔を押さえつける。力では敵わないが、いま、俺は藍の身体に馬乗りになっている。
いつも決まって嬉しそうに智さんが舐めてくれるから、それを藍に強要しようと企む。
 智さんの場合は、楽しそうに俺のズボンを進んで脱がせるが、藍は‥必死で嫌がっている。普段ならそこまでの強要はさせないが‥今夜は酷く興奮しているせいか、嫌がる顔を見ても止めようとも思わない。
 「らぁん、お仕置き‥忘れたの?協力するって言ったよね?」
 ぷにぷにと柔らかい頬を揉むと、それを避けるように嫌々と顔を振る。
 「言ったけど‥これは嫌や!」
 ついさっきまではされるがままだったのに、いつの間にか通常通りになっている藍につい笑ってしまうが‥それでも欲望は抑えきれなかった。
 ごめん‥と思いながら、ズボンを脱ぎ捨て、可愛らしい唇に自身のソレを押し当てた。
 もちろん、暴れようとする藍だったが、少し脅してみせると途端に大人しくなった。眼差しはギラギラと睨んではいるが、抵抗する素振りはない。”偉いね“とご褒美のように頭を撫でる。
 
 「ごめん、らん、舐めて♡」
 謝罪しながら強要すると、押し当てていたモノを涙目の藍がようやく口腔内に咥えてくれた。温かい粘膜に包まれ、ブルッと身体が震える。
 きっと、早く抜いてしまった方が手っ取り早いと考えたに違いない。あんなにも嫌がっていたのに、必死になって刺激を与えようとしている。
 それにしても、拙い動き。口を上下する事しか知らないのだろうかと思うほど、単調だった。
 「らぁん、もっと上手に舐めて?普段、祐希さんにしてないんだろ?そんなんじゃ、終わらないよ?」
 意地悪くそう言うと、思ったとおり、睨みつける藍に心底笑ってしまう。
 智さんと比較しても仕方ないが、智さんは絶品だ。きっと誰もが達してしまう、そんな技術を持っている。
それと比べてしまうと、藍はハッキリ言って下手だ。
それなのに、
 やばい‥。睨みつけながら必死になって咥える藍の表情を見て、ゾクッと震える。
腰を自然と動かしてしまうほど、気持ちがいい。
 藍が辛くなると可哀想だからと深くまで挿れないつもりでいたのに、身体中から沸き起こる快感が止められず、
 気がつけば、藍の頭を抑え欲望のままに腰を揺らしていた。
 チロリと時々見える赤い舌が否応なしに俺を誘っているみたいに見えて、興奮した。
 
 「やばっ、出る‥かも‥」
 俺の言葉にあからさまに反応し、涙目の藍が見上げる。相当嫌なのか身体中に力が入り足をバタバタと動かし始めた。
 
 くすっ‥。そんな藍を見て思わず笑みが溢れる。そこまで俺も無理強いをさせるつもりはない。あまり泣かせるのも可哀想だしな‥
名残惜しいが、腰を上げ藍の口から自身を引き抜く。
 「、かはっ、ゲホっ、ゴホッっ、‥」
 息苦しさから開放され、咳き込んでいる。
 「藍?ごめん‥苦しかった?」
 やりすぎてしまった事を少し後悔し、尋ねる。が‥
 「ゲホっ、苦しかった?やないよ、小川さんなんか、嫌いや!!」
 「ごめん、でも、咥える事ぐらいするだろ?」
 「俺はせぇへんよ!祐希さんも、ほとんどしろって言わんし!」
 「あー、だから、お前下手なんだ?」
 思わず呟いた俺の言葉に‥今まで以上に藍の顔が怒りの形相になる。
 「下手ちゃう!やった時は祐希さん喜んでたし」
 「してないって言ったじゃん!」
 「ちょっとはやってるに決まってるやん。バカなん?祐希さん喜んでたし!俺も嬉しかったし!最後には俺の口でイッたんやから!」
 子供のように顔を真っ赤にしながら怒る藍の顔を最初は平然と見ていたが‥徐々に苛々する気持ちが沸き起こる。
 あれほどさっき咥えさせた時は、泣くほど嫌がっていたくせに、祐希さんには喜んでするのか‥
 その姿を想像したら‥勝手に身体が動いていた。
 
 「も‥ええから、早くどいて‥んんっ!?もごっ!?」
 馬乗りになる俺を押しのけようとする藍を押さえつけ、また無理矢理、口腔内に屹立した自分自身を突っ込んだ。
 涙目の藍が視界に入るが、今度は止められない。
 「ねぇ?祐希さんも満足させたなら、俺も満足させてくれるよね?」
 首を振り嫌がる藍の頭を押さえつけ‥
 
 数回喉奥に押し込んだ後、勢いよく白濁を流し込む。
 藍の大きな瞳が苦しそうに歪むと、目尻から涙がこぼれ落ちた。
 「らん‥良かったよ、」
 ずるりと口腔内から引き抜くと、藍が激しく嘔吐く。出したモノを吐いてもいいようにと‥ティッシュを手に取り、顔を覗き込むが‥
 「あれ?」
 藍の口腔内には何もなかった。
 「もしかして、お前、飲んだ?」
 「ゲホッゲホッ‥小川さんが奥まで挿れるからやん!苦しい‥気持ち‥わるぃ‥祐希さんのも‥飲んだ‥事ないの‥に」
 
 咳き込みながら、涙をポロポロ流す。
 「マジ?飲んだことないの?」
 「‥グズっ‥祐希‥さん、嫌がるし、出せって言うから‥」
 「ふーん、そっか。俺が初めてか‥どう?美味しかった?」
 涙目の藍を見れば一目瞭然なのだが、それでも意地悪く顔を揺すりながら問うと‥案の定、
 「クソ不味い!!」
 と言い放つ始末で‥
 
 ああ、藍は本当に‥
 
 
 煽るのが上手いなと‥思わずにはいられなかった。
 
 
コメント
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まって笑小川くんドSなんだかよく分からないけどなんかいい(?)
やっぱり祐希さん飲むなって言うのかぁ~優しいねぇ🥰ただ小川くん好きになっても虚しいだけだって早く気づいてね🥰あなたには山本くんがいるから🥰