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壊れた君を救うまで 5
薬の過剰摂取で脳の感覚が完全にバグっているすちは、痛みを一切感じていなかった。
ただの工作でもするかのように、無邪気な笑顔のまま、カッターの刃をさらに奥へと、骨に届くのではないかという深さまで一気に引き絞る。
「あははっ、あかい、きれい、あははははは!!」
ドクドクと、尋常じゃない量の鮮血が噴き出し、すちの細い腕を真っ赤に染めて床へと溢れ落ちた。
「すちっっっ!!!!!!」
なつが、人生で一番大きな悲鳴のような絶叫を上げた。
血の気が引いた顔で弾かれたように飛び出し、すちの手首を掴む。
感覚が麻痺して異常な力でカッターを握りしめるすちの手から、なつは自分の手が血で滑りながらも、狂ったように刃を奪い取った。
「何してんだお前ぇええ!! 死ぬ、それマジで死ぬから!!」
「はは、はなしてよぉ! いたくないもん! なんでとめるの、しなせてよぉお!」
「いるま! らん! こいつの身体押さえろ!! みことはタオルと止血帯!! こさめはすちの顔隠せ、男の顔見せるな!!」
なつの怒号が響き渡る。
いるまとらんが、信じられないほどの出血量に青ざめながら、暴れるすちの身体をベッドへ強く抱きすくめた。
「すち!! 頼むから暴れるな、血が止まらねぇ!!」
いるまの声が恐怖で激しく震えている。
「すち、すち……っ! お願いだから死なないで、俺たちを見て!!」
らんは、すちの傷口の少し上を、自分の手が真っ赤に染まるのも構わず全力で圧迫した。
「すちくん、すちくん……っ! 見ちゃダメ、僕だけ見て!!」
こさめが泣きじゃくりながら、すちの視界を遮るようにその小さな手で目を覆う。
「みこと! 早くしろ、圧迫じゃ追いつかねぇ!!」
なつが叫ぶと、みことが震える手で大量のタオルと救急箱を抱えてすっ飛んできた。
「すちくん、ごめん、ちょっと痛いよ、我慢してな……っ!」
みことは涙で視界を滲ませながら、すちの深く裂けた手首に何重にもタオルを巻きつけ、心臓に近い位置を思い切り縛って止血を試みる。
「いやあああ! はなして、はなしてぇええ!!」
感覚が狂ったまま、男たちの怒号と自分の血の匂いにパニックになったすちは、さらに大暴れした。しかし、あまりの失血量と薬の副作用の反動で、急にガクッと身体の力が抜ける。
「あ……、ぅ……、おとこの、ひと……、こわ……」
虚ろな瞳からハラハラと涙をこぼしながら、すちはいるまの腕の中で、今度こそ完全に意識を失って崩れ落ちた。
次回♥️350💬1
コメント
5件
怖い怖い怖いって!心臓に悪いよぉ😭
やばすぎた、、、読んでるこっちの心臓もバクバクしたよ😭💦 すちの「あかい、きれい」って無邪気に笑うとこがもう切なすぎて…薬で感覚バグってるのがわかるから余計つらい。 でもなつたちが血まみれになりながら全力で止める姿に泣きそうになった。こさめが「僕だけ見て!」って目隠しするところ、マジでエモすぎる…💔 次、すちはどうなっちゃうの!?早く続きが読みたいよ〜😭🙏 ゆらねさん、毎回心えぐってくるのずるい!!笑 でもそのぶん推せる。ありがとうございます✨