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中学三年生・女子(仮名:Rさん)
小さいころから「いい子だね」って言われてきて、
それがうれしくて、期待に応えようとしてきました。
でも最近、しんどいです。無理して笑ってるときもあるし、
本当は断りたいことも断れません。
「いい子でいよう」としてる自分が、だんだんわからなくなってきました。
本当の私は、なんなんでしょうか。
遥
「……わかる。すごく」
「“いい子だね”って、褒められたみたいで……
それ、逃げられなくなるんだよな」
「言われたら最後、
“裏切れない”って思っちまう。たとえ、
自分がつぶれそうでも」
日下部
「……それ、遥にも、何回も思った」
「“いい子”って……他人が安心したいときに、押しつけてくる言葉なんだよな」
蓮司
「その通り。
“いい子”って、
“悪い子を許さない社会”の中で便利に使われる札なんだよ」
「君が“しんどい”って言ってるってことは、
もうそれ、自分のためじゃなく、他人のために“いい子”を演じてるってことだよね」
遥
「でも……誰かに嫌われたくないから、
やめるのも怖いんだよ。
“変わった”って言われるのも、すげぇこわいし」
蓮司
「そう。だから“いい子”ってラベルは、
やめたら孤立するようにできてる。
その役から降りるってことは、
“裏切り者”扱いされるリスクがある」
日下部
「……でもさ。
“いい子”でいたままだと、
本当の自分が誰だったのか、わかんなくなってくるよな」
遥
「わかんなくなる。
誰のために笑ってるのか、
なんで我慢してるのか、
ぜんぶ、ぼやけてくる」
蓮司
「本当は“優しい子”だったのに、
“優しさを利用されて、ただの都合のいい人になっていく”って……
それ、ゆっくり死んでるのと同じだよ」
日下部
「声、出していいんだよ。
無理なときは“無理”って言っていい」
「君が言葉を持ってる限り、
“誰かの思い通りのいい子”じゃなくていられる」
遥
「やめたいって思うなら、やめていい」
「オレは……ほんとは、
やめられなかった。
でも、やめなきゃって、ずっと思ってた」
蓮司
「“本当の私はなんなんでしょうか”って君は言ったけど、
たぶんそれ、“まだ他人の視線で自分を定義しようとしてる”証拠だよ」
「答えがほしいなら、まず“誰にも褒められない自分”を肯定するところから始めないと」
📎 三人からのことば
蓮司:
「“いい子”を演じ続けてると、自分を守ったつもりで、
自分を消し続けることになるよ。
やめてもいい。むしろ、やめるべき」
日下部:
「誰かのための“正しさ”より、
君自身の“しんどさ”のほうが、大事なんだよ。
それは、わがままなんかじゃない」
遥:
「“もう無理かも”って思った時が、やめていいタイミングだよ。
それ、ちゃんと気づけてるの、偉いことだから」