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貴 方 の 亡 骸 は 泣 い て い た
ザーザー…
syp「……」
静かな雨
生徒たちが慌てて帰っていく
先程まで晴れていた空は
雲で隠されている
syp「…”今回”の先生……なんであんなに怯えてたんやろ…ボソッ」
syp「薄々気づき始めてるとか…?」
syp「それやったら嫌やなぁ…ギッ…ギッ…」
揺れる椅子に乗る少年
密かに
静かに
計画を練っている
1人の教師と永遠を共にするために
syp「えっと…今回のループで3,4568回目…ピッ!」
俺は思っている
これはきっと
神様からの俺宛の贈り物だと
先生が死ぬのは苦しくて仕方ないけど
先生といる時間が長いのは嬉しい
syp「手当たり次第に先生のさ死ぬ原因は潰してるんやけどなぁ…ボソッ…」
そこにあったのは教師名簿
既にかなり多くの名前が消されていて
なにをかいていたのか
分からないほどに赤ペンでメモをされている
syp「えーっと…あ」
syp「次こいつや!」
嬉しそうに無邪気に笑う少年の姿は
悪魔ではない天使
だが
心の奥底に眠る彼は
悪魔に等しいだろう
syp「先生を傷付けるやつは…スタスタ…」
syp「この世から一つと残らず…スルッ…」
黒い手袋が
消しては行けないものを消していく
栁「はぁ”ッ…はッ…はッ…!」
止まらない冷や汗と
恐怖が体に残っている
あれほど恐ろしい彼を見た事がなかった
いやもしくは
本来の姿があれなのかもしれない
栁「私に惚れたってッ…何もいい事なんてありゃしないのにッ…ズルッ…」
呼吸を整え
聞こえる人の声を全てシャットアウトする
そうすれば
残るはただの雨音だけ
栁「……すぅ…はあ…ナデ…」
胸のざわめきを鎮めるために
優しく手を撫で下ろす
それでも
気持ち悪さのあまり
胃の中の異物を吐こうと
喉まで立ちこめてくる
栁「ん”“ッ!ダッ!」
栁「ぉ”えッ!う”ぁッ…!ビチャビチャッ…」
止まらない
空っぽになるまで
吐き続けた
栁「ぁ”ッ…んぐッ…はぁッ…はぁッ…!」
何も無い空っぽの胃の中
異物を全て外に出され
頭がぼーっとし始める
栁「(あぁッ…私が彼に近づかなかったらッ…」
栁「(彼は普通の男子中学生に慣れたのだろうかッ…?」
栁「(いやッ…彼の中での私はきっと私じゃないッ…」
栁「(ただのッ…」
謝って神が許すなら
私は地べたを顔に着けてでも頭を垂れる
なぁ、燋
私はお前が思うほどいい人間じゃない
だから
だから
栁「私を見るなッ…!グシャッ!」
████年
羅?月溟€*日
18時46分36秒
空は快晴の日
場所は1年3組の窓際近くの花壇
腹部に家庭科室のものと思われる包丁
syp「…ザッザッ……」
栁 凛夏は3,4568回目の死を迎えた
栁「……ドロッ…」
syp「…あ~ぁ……またこんな酷い死に方をして…スッ…」
syp「なんでわざわざ腹に刺して落ちたん?」
syp「そっちの方が苦しいのに…ナデ」
死んでまだ時間が経っていないせいか
体がほんのり暖かい
syp「まあでも…これもちゃうって分かったし…ピッ!」
体は冷たいのに
来ている服は太陽に当たって暖かい
syp「まあでも…これもちゃうって分かったし…ピッ!」
また名前が消される
誰の名前かすら分からない
syp「……はぁ”ッ~…!ギュッ~…」
syp「ぁあッ…やっぱ先生綺麗やなぁ”ッ…////」
syp「死んでもこんなに愛おしく見えるなんてッ…♡」
syp「やっぱワイと先生は運命の相手なんやなぁ”ッ…♡////」
syp「……チュッ…」
色のない唇に
軽いキスを落とす
syp「よし…ほんじゃ!カチャッ!」
syp「次はどんな死に方をするんかなぁッ…////サラッ…」
syp「楽しみにしときますねッ…♡///」
syp「また会いに行きますねニコ」
銃声の音が
晴れ晴れしい早朝に
小鳥の囀と消えていった
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「 声 の 主 は 消 え て い く .」