レトさんの両親がいないお話。
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rt視点
今日は父と母の命日。
毎年必ずお墓参りに来ている。
今日はキヨくんと交際報告に来ている。
父と母がいなくなったのは20年前。
、、、20年前のことはよく覚えている。
家に帰る途中通り魔に襲われ、父と母は俺を助けるため犠牲になってしまった。
ショックだった。
今まで普通に生活してきた家族が、目の前で殺されてしまったこと。
幸せだった家庭を壊されたこと。
そして、1人残されたこと。
その後俺は親戚に引き取られ過ごしたが、それは幸せと言えるような生活ではなかった。
親戚と言っても遠い親戚であまり親しみのない人ばかりだったため気を遣う毎日。
ほんまに、辛かったなぁ、、、
「、、、父さん、母さん、、、」
2人の墓に手を合わせた。
楽しかった、幸せだったあの頃の思い出が蘇ってくる。
と同時にあの頃の嫌な思い出も蘇ってくる。
キ「、、、レトさん」
「、、、っ、ごめん、」
キ「辛かったね、」
キヨくんには俺の昔のことを伝えてある。
その時も辛かったね、と慰めてくれた。
キ「、、、俺も、手合わせていい?」
「うん」
線香をさして、手を合わせてくれる。
キ「、、、初めまして、レトルトさんと交際してます、キヨと言います」
何を喋りだしたかと思ったら父さんと母さんに話しかけていた。
その声はいつもより優しく、丁寧な言葉遣いで聞いていて心地よかった。
キ「彼と出会ったのは10年以上前ですが交際を始めたのは1年前ほど前です。」
キ「、、、過去のこと聞きました。」
キ「、、、過去に苦しんだ分、僕がこれから一生をかけて彼を幸せにします。」
「、、、え、これ交際報告じゃないじゃん」
キ「え?あの時のプロポーズって結婚してくださいの意味だったんだけど」
「え、え?」
キ「、、、あ”〜っ、じゃあ今改めて言うわ」
「え、あ、はい」
キ「俺はどんなレトさんでも大好きだよ。辛辣なレトさんも、デレデレのレトさんも、普段のレトさんも。、、、えっちぃ時のレトさんも。」
「、、、!!」
キ「でもねレトさんは無理しがちなとこがあるの。、、、そこ心配。」
キ「だから、俺がレトさんを守りたい。、、、幸せにしたい。」
キ「、、、お義父さんとお義母さんの分まで、レトさんを幸せにする。」
キ「だから、俺と結婚してください。」
俺だけ、幸せになっていいのだろうか。
パカッと小さな箱から指輪を取り出し、俺の左手の薬指に嵌めてくれる。
綺麗な銀色が太陽に反射して光った。
こんなに優しくて俺の事想ってくれている人、この人以外にはいないと思う。
俺もキヨくんのこと好き。
たまに辛辣なとこも、甘えてくるとこも、オンオフが激しいとこも、、、、えっちの時のキヨくんも。
お互いのことをしっかり分かりあっていることってなかなかないと思うの。
「ふふ、ありがとう、よろしくね」
キ「、、、いやって言っても離さないからね」
「上等。」
と言って手を握る。
お互いの指を絡ませて俺らは明日へと歩き出す。
母と父の分も。
ーーー
『行っちゃったわね』
『そうだな。』
『レトルトいい人見つけたやないか』
『そうね。、、、ねぇ、あの人、私たちの隣に引っ越してきた人やない?』
『そういえば、見覚えがあるなぁ』
『、、、昔、一緒に公園行ったわ』
『かわいい子やで、キヨ君。』
『お互い覚えてへんのか。、、、こんなことになったから。』
『そうね、だから私たちの分まで―
『幸せにな、』
『幸せになってね』
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レトさんのお父様お母様申し訳ございません🙇♂️
無事ね、志望校に合格致しました。
コメントくれた方、はーと押してくれた方ほんとに応援ありがとうございました。
最後に一言。
人殺しィ!!((
コメント
13件
めちゃくちゃ感動したよー😭✨この2人は絶対幸せになって欲しい🙏💕︎志望校合格おめでとう!!私も来年受験頑張る💪
もう最初の方でヤバかったのに最後でもうなんかいろんなのが爆発した…(?) おおおおおお!おめでとうございます!!!すごい…✨お疲れ様です!
ほわーー!!!おめでとう!!おめでとう!ほわーー!!!!嬉!!! 私も頑張らんと...!!! 私は本命公立推薦なの死ぬ。頑張ります。