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あからさまにからかわれているのが分かるからこそ、余計に意識してしまう自分に腹が立つ。
私はわざと素っ気ない態度を取って、彼に背を向けようとした。
「ごめんごめん。さっちゃんが、あまりにも可愛い反応をするから、つい」
「……っ」
クスッと楽しそうに笑った後、彼は私の機嫌を取るように声を和らげた。
「そうだ、さっちゃん。せっかくだし、アイスも買ってあげようか」
「えっ、アイス?!いいの?」
「もちろん。ここのコンビニ、さっちゃんが昔よく食べてた『桜餅アイス』があるんだよ」
「え!そんなこと、まだ覚えててくれたの……?」
驚いて彼を見上げると、叶人くんは少し目を細め、胸の奥を焦がすような真剣な声で言った。
「そりゃあね。さっちゃんのこと忘れたことなんてないから」
「っ……」
「ほら、選びに行こ?」
「う、うん……!」
叶人くんが、自然な動作で私に大きな手を差し出してきた。
その手のひらに、私は吸い寄せられるように自分の手を重ね、自然と握り返す。
すると、叶人くんの長い指がすっと私の指の隙間に入り込んできて
隙間なくしっかりと絡ませられた。
恋人繋ぎ、というやつだ。
昔は幼馴染として普通に繋いでいたはずの手。
なのに、お互いのサイズを知ってしまった今となっては
とんでもなく生々しく、色っぽく感じられて、胸の動悸が止まらなくなってしまう。
「ありがとう……叶人くん」
◆◇◆◇
コンビニからの帰り道。
買ったばかりのアイスの蓋を彼に優しく開けてもらい
私は数年ぶりにお目にかかったもちもちの桜餅アイスを、付属の小さなフォークで贅沢に頬張った。
「んんっ~~!!?おいしいっ!昔と同じ味…相変わらず甘すぎる……っ」
甘くて、ふわふわしていて、特有の桜餅の芳醇な香りが鼻腔を抜けていく。
その桜餅アイスは、私が昔大好きだった味、そのまんまの味がした。
一口食べた途端、私はまるで小さな子どものように感動の声をあげてしまう。
「ふふ……さっちゃんは昔から、アイスを食べてるときが一番幸せそうだよね」
「そ、そうかな…っ?」
叶人くんは私のその姿を、とろけるほど柔らかい眼差しで見つめてくる。
私の心臓は、またしても大きく高鳴ってしまった。
「でも、本当に奢ってもらっちゃってよかったの……?」
「さっちゃん、ずっと緊張してるでしょ……? だから、少しでもリラックスして欲しかっただけ。だから気にしないで」
「……!!そっ、そっか…ありがとう」
(……イケメンすぎる…っ、気遣いがさりげなすぎる……!)
アイスの心地よい冷たさが舌の上でほどけていく。