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2 - また、ここで

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2022年10月08日

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また、ここで


「ここ、いい?」


「好きなんだよね、この場所」


「公園が一望できて、太陽の光を遮ってくれて、それでいてベンチ以外余計なものがないから」


「そういう場所って、ここだけなんだ」


「君は?」


「やあ、また会ったね」


「今日は曇りだから少し涼し過ぎるかな?」


「寒くない?……そっか」


「じゃあ、そろそろ時間だから」


「どっかで、もう一度会えるといいね」


「あ、やっぱりここにいた」


「約束なんてしてないのになあ」


「偶然なはずだけど、運命みたいだね」


「それとも、もしかして待っててくれてるの?」


「なんてね、それじゃあ」


「またね」


「久しぶりにここ来たなあ」


「やっぱり君とここで会うのいいね」


「ここでしか会えないのが残念だけど」


「……ごめん、最近時間がなくて」


「でも、またここで会おうね」





「お互い、年を取ったね」


「こんなに遅くなってごめん」


「君が、あの日の約束を守ろうとしてくれてるの、嬉しかった」


「嘘、ついてたんだ」


「あのとき、何も知らない君が消えそうに見えて」


「好きでもない景色を美化したんだ」


「いなくなりそうで、怖かった」


「君と一緒にこんなに生きられるなんて思っていなかった」


「何気ない約束、守ってくれてありがとう」


「明日、君にあげたい物があるんだ」


「また、ここで」


「……いやだねぇ、事故だって」


「手に持ってた指輪、離さなかったらしいわよ」


「瀕死の状態ですって」


「……君から、会いに来てくれるのは初めてだね」


「心配させてごめん」


「そして、ありがとう」


「……泣かないでよ、無事だったんだからさ」


「……もう、あのベンチで約束するのは止めようか」


「約束、破っちゃうけど」


「今、ここで」


「君と一緒にずっと生きると約束するよ」

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