テラーノベル
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錆びたドアノブを回して、粗末な扉を開ける。
ぶわっ、と風が吹きつけてきた。
「⋯風強くなってきたなー」
近くに人の気配はないので、相手はこれから来るのだろう。
「⋯呼び出した側が遅れてくるってどうなん?w」
ちゃんと呼ばれた側が来てるんだから早く来てくんないかなぁ。
さっさと帰りたいんだよこっちは。
ガチャッ
「え、マジでいんじゃんw」
「ちゃんと来んのかよw」
「頭おかしいだろww」
騒がしい話し声と一緒に、三人の男子が入ってきた。
話しぶりからして、今回の相手で間違いないだろう。
「⋯で、なんの用ですか?」
「え、分かってないの?w」
「察しろよそこはw」
「頭悪すぎだってw」
なるべく低姿勢に話しかける。
めんどくさいことにならなければ、それでいい。
「まあいいや、ちょっとそこ立っとけよ」
「動くんじゃねえぞw」
「⋯はーい」
言われるがままにして、じっと相手を見つめる。
「いくぞーw」
嘲笑を含んだ一言が聞こえた瞬間、腕に痛みが走った。
続いて、焼けるような熱を覚える。
カッターで切られたんだろう。
「〜〜〜w」
「〜〜〜〜!w」
「〜〜www」
腕に痛みが走った。
熱い感覚がじわじわと広がる。
視界もぼやけてきて、周りの声が遠くなる。
⋯気絶ENDかな。
「何やってんすか、先輩」
ふと、よく通る声が聞こえた。
三人が驚いたように振り向く。
そこには、背の高い白いキャップを被った男が立っていた。
歪んだ視界のせいでよく見えない。
「逃げても無駄っすよ、証拠の写真も動画も撮ってあるんで」
反響する耳鳴りの奥で、そいつの声だけが聞こえる。
喚きながら三人がそいつに殴りかかる。
と思った瞬間、綺麗にカウンターを取られて倒れた。
長身の男がこっちに駆け寄ってきて、俺を持ち上げる。
「⋯逃げますよ」
そう言って、俺を抱えたまま階段を駆け下りていく。
⋯なんで俺、お姫様抱っこされてんだ。
視界が薄れてくる。
俺は思考を放棄して、そのまま意識を失った。
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