テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
シェアハウスに戻った後——
「……」
誰も、すぐに動かなかった。
玄関で立ち止まったまま。
「……ねぇ」
最初に口を開いたのは、ゆあんくんだった。
「今の何?」
震えた声。
でも、はっきりと。
「……」
沈黙。
「……何なの、あれ」
一歩、踏み込む。
「触れてないよね?」
「ほとんど動いてないよね?」
「なのに、なんで……」
言葉が止まる。
「……」
答える人はいない。
「……」
でも、もう逃げられない。
「……教えて」
小さく、でも強く言う。
「何隠してるの?」
その一言。
「……」
空気が、張り詰める。
「……」
もふくんが、ゆっくりと目を閉じる。
「……」
そして——
「……ごめん」
また、その言葉。
「……!」
ゆあんくんの表情が揺れる。
「それじゃ分かんないって!」
声が少し強くなる。
「……なんで言えないの!?」
その問い。
「……」
もふくんは、何も言えない。
「……」
代わりに。
「……言わない方がいい」
うりが、静かに言う。
「……は?」
ゆあんくんが振り返る。
「なんで?」
「……」
うりは、少しだけ目を細める。
「知ったら戻れなくなるから」
その一言。
「……」
空気が、凍る。
「……戻れないって、何に」
ヒロくんが、静かに聞く。
「……普通に、だよ」
うりが答える。
「今みたいな日常に」
その言葉。
「……」
全員が、黙る。
「……」
そして。
「……もう戻れてないよ」
ヒロくんが、はっきりと言った。
「……!」
「さっき見ました」
「全部」
「……」
もふくんが、ゆっくりと目を開ける。
「もう知らないフリなんてできません」
その言葉。
「……」
「だから」
一歩、前に出る。
「ちゃんと教えてください」
真っ直ぐな目。
「……」
もふくんは、言葉を失う。
「……」
うりも、何も言わない。
「……」
沈黙。
長い沈黙。
そして——
「……」
もふくんが、ゆっくりと口を開く。
「……俺たちは——」
その瞬間。
「……っ!」
外から、大きな音。
ガンッ、と何かがぶつかる音。
「……!?」
全員が振り向く。
「……来たな」
うりが、小さく呟く。
「……」
もふくんの目が、完全に変わる。
「……ごめん」
小さく言う。
「……今は無理」
その一言。
そして。
「下がってて」
低い声。
「……!」
誰も、逆らえない。
そのまま——
2人が前に出る。
「……」
ドアの向こう。
確実に、“何か”がいる。
そして。
「……」
もう、止まらない。
日常は——
完全に壊れ始めていた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!