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( ˘ω˘ ) スヤァ…
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「今日の任務や」
utの声が、簡易作戦室に響いた。
地図の前に集まる兵士たちの中で、rbrは一歩後ろに立っていた。
視線が、刺さる。
――A国出身。
――違法移民上がり。
――司令の特例。
そんな言葉が、口に出されずとも空気に滲んでいた。
「偵察と通信の確保。交戦は最小限や」
utは淡々と説明を続ける。
「今回、新入りも連れて行く」
一瞬、ざわりとした空気が広がった。
「……本気ですか、司令」
誰かがそう言った。
utは視線だけで黙らせる。
「戦場は、出身地で判断する場所やない」
そう言ってから、rbrを見る。
「rbr。お前は後方支援。
前に出過ぎるな、勝手な判断もするな」
「……わかりました」
短く答えた瞬間、隣の兵士が小さく舌打ちした。
信用されていない。
それは、分かっていた。
任務開始後、部隊は廃ビル地帯を進んでいた。
通信状況は不安定で、少しの判断ミスが全滅に繋がる。
「通信、途切れそうやな……」
rbrは端末を見つめ、周囲の地形に目を走らせた。
A国で生き延びるために、
こういう場所は何度も通ってきた。
「……中継点、あそこが使えます」
思わず口を出す。
「は?」
前を歩く兵士が振り返る。
「根拠は?」
「建物の構造が古い。
壁が厚くて、妨害を受けにくい」
一瞬の沈黙。
「勝手な指示を出すな」
冷たい声。
rbrは歯を食いしばった。
だが、その直後。
「……いや」
司令部隊長の部下の声が入る。
「言ってることは正しい。
A国の市街戦で、同じ構造を見た」
utは少し考え、頷いた。
「確認する。
rbr、案内せぇ」
その一言で、空気が変わった。
結果は、成功だった。
通信は安定し、部隊は無事に撤退。
拠点に戻ったあとも、誰もrbrを褒めなかった。
だが、露骨な拒絶もなかった。
それで十分だった。
utは書類に何かを書き込みながら言う。
「今日の評価は、マイナスからゼロや」
rbrは顔を上げる。
「まだ信用はせん。
でも——役に立つ可能性はある」
zmが、ほんの少しだけ頷いた。
「生き残れ。
それが一番の信用や」
rbrは静かに敬礼する。
「……わかりました」
こうしてrbrは、
“信用ゼロの新兵”……として、最初の一歩を踏み出した。
市民権への道は、まだ遠い。
だが、確かに前へ進み始めていた。
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ヴェヘ!
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