翔太Side(13話と繋がっています!)
目黒からの連絡を受けて、俺たちは一目散に○○ビルへと向かった。
ガチャン!!
勢いよくドアを開け、俺たちは屋上になだれ込むようにして入った。そこには、驚いた様子のスタッフさんやカメラマンさん、そして何人かの俳優さんたちの中に……
💙「目黒!」
🖤「しょっぴー、みんな!来てくれたんですね」
💛「あの跡って……」
照が聞こうとしたその時、目黒がスタッフさんに呼ばれた。
🖤「あー、すみません。すぐ終わるはずなんで、ちょっと行ってきます」
そう言って走っていき、少し何かを話したかと思えば、またすぐに戻ってきた。
🩷「何かマズかった?」
🖤「いや、大丈夫です。この後の撮影が監督の都合で無くなったから、屋上がもうすぐ空くよっていう」
💙「なるほどな」
🖤「あの跡なんですけど、こっちで見つけて……」
目黒に連れられて向かった先は、屋上の入り口がある小屋の横だった。少し奥ばった空間になっていて、左右の壁に波動の跡がついている。
💛「ここで……ふっかが……」
🤍「ねえ、見てコレ!もしかしたら……」
辛そうな表情を浮かべる照と、慌てた様子のラウール。ラウールの指さすところを見ると、
💙「え、コレって……」
阿部ちゃんの鞭入れについているはずの雪だるまチャームが落ちていた。ということは……
🩷「あべちゃんも、ここにいたってことだよな……」
みんなの心情を佐久間が代弁してくれた。阿部ちゃんとふっかが、ここで倒れた。あの2人を倒せるほどって……一体どんな力を持ってるんだ?
💛「……何か他に手がかりがないか、調べてみよう」
照の言葉で、俺たちは辺りに散らばって探索を始めた。壁の隙間やちょっとした傷、全てを丁寧に見ていく。
俺が担当した範囲がだいたい終わったな、という頃。
💙「うわっ!」
❤️「どうした、翔太?」
俺の驚く声にすぐに反応してくれた涼太。
いつもなら、俺と涼太が絡んだ瞬間に「ゆり組ぃ……」という声がどこからともなく聞こえてくるのだが、今日は何も聞こえない。
少し寂しさを感じながら、俺は涼太に説明する。
💙「いや、物陰から虫が……あれ?」
さっきまで虫がいたところに、黒い粒が。急に動きを止めた俺の視線の先を追った涼太も、俺の発見に気づいてくれた。
❤️「それはもしかして……」
💙「これ、ヤツらのだよな……?」
❤️「うん、きっとね。みんなにも確認してもらおうか」
💙「だな。なあ、全員こっち来てー!」
俺が声をかけると、みんなはすぐに集まった。
🩷「どったのー?って、それ……!」
佐久間は来てすぐ、ヤツらが残していったと思われる黒い粒に気がついた。
❤️「やっぱり、ヤツらのだよね」
🧡「マジか!こんなとこにあるとはなぁ……」
みんな驚く中、目黒だけずっと何かを考える素振りをしていた。
💙「ん?目黒、どうした?」
🖤「……これ、もしかしたら、やつらのとこに行けるかも」
💙「やつらって?」
🤍「めめ、それもしかして俺の力必要な感じ?」
🖤「そうそう。たぶん、ラウールがこの前習得したあの技なら……」
💙「おい、お前ら俺を無視すんなよ」
俺を置いて勝手に話を進めていく目黒とラウール。ジトーっとした目で見ていたら、目黒がやっと気づいてくれた。
🖤「あ、ごめんしょっぴー」
💙「『あ』って……もう。んで?何か分かったのか?」
俺がそう聞くと、目黒は頷いてこう言った。
🖤「たぶん、この前ラウールが習得した魔法を使えば、ここからやつらのとこに行けるかもです」
🧡「え、ほんまに?!」
🖤「うん、ほんまに」
💛「ラウール、お前いつの間に新技習得してんだよ」
🤍「えへへ、この前オフだった時にめめと特訓してて……その時に、習得出来たの!」
キラキラした笑顔でラウールは言って、目黒と肩を組む。
❤️「じゃあ、それを使って阿部たちの元に向かおうか」
🩷「だね!いける?ラウ」
🤍「うん、いこう!」
ラウールはさっそく本を取り出すと、とあるページを開く。本を持っていない片方の手で黒い粒に触れると、ページの上の文字が淡い光を放ち出した。
💙「おわっ、すげぇ……」
🤍「アローホモーラ!」
ラウールがそう言った次の瞬間、黒い粒がぶわぁっと広がり、壁に黒く大きな渦が出来上がった。
❤️「これが、入り口……」
🧡「なんか、思ってたより禍々しいんやな……」
🩷「え、てかさ、さっきラウが言った呪文って……」
🤍「まーそれは置いといて。早く2人のとこ行かないと!」
💛「そうだな」
🩷「え?置いといていいの?」
魔法の言葉に引っかかっている佐久間を置いて、ラウールと照を始め、みんなさっさと渦に入ろうとしている。
💙「ちょ、待って。……ほんとに、これの中入るの?」
俺の発言に、みんな驚いて振り返った。今さら何を言ってるんだ、と自分でも思う。でも、いざ入り口を前にしたら、少し怖くなって……
そんな俺の気持ちが伝わったのか、涼太が背中をさすってくれた。
❤️「俺たちなら大丈夫。ちゃんと、阿部とふっかを助けられる」
🖤「大丈夫、しょっぴー。俺たちがいるから」
涼太と目黒の言葉が沁みる。そうだ、俺は……1人じゃない。俺たち7人で、阿部とふっかを助けるんだ。
💙「……だな。ごめん、引き止めて」
💛「おし、じゃあ……みんな、覚悟はいい?」
照の言葉に、みんな頷く。
覚悟を決めた俺たちは、互いに手を握りあって、禍々しい輝きを放つ渦の中へと足を進めた。
(続く)
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