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#山中柔太朗
Freesia
370
4
3ヶ月で本気(マジ)になる恋。
🩷佐野勇斗
💛吉田仁人
🤍山中柔太郎
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
第12話 俺しか知らない。君との夜。
翌朝。
🩷「………………え?」
スマホの画面を見た勇斗は、数秒間、
完全に思考が停止した。
集合時間。現在時刻。
そして、隣で眠っている仁人。
🩷「…………うそでしょ!?」
がばっ!
🩷「えっ、待って待って待って!! もうこんな時間!?」
慌てて飛び起きた勇斗の声に、
隣の仁人がもぞもぞと動いた。
💛「……んん……なにぃ……?」
🩷「仁人!! 起きて!!」
💛「……んー……?」
🩷「やばい!! 遅刻!!」
💛「…………え?」
ゆっくりと目を開けた仁人。
寝ぼけた頭で、
ぼんやりと天井を見つめる。
それから。すぐ隣にいる勇斗を見た。
💛「………………え?」
🩷「仁人、早く準備して!!」
💛「………………え、ちょっと待って?」
🩷「ん!?」
💛「…………なんで勇斗がいるの?」
🩷「………………え?」
今度は勇斗が固まる番だった。
💛「……いや、え? 俺、昨日……」
仁人は眉を寄せて、必死に記憶をたどる。
昨日は夜のデート配信をして、
車に乗って、眠くなって…。
……そこから先が、曖昧だった。
💛「……あれ? 俺、車で寝たよね?」
🩷「…………うん」
💛「……え、じゃあなんでベッド?」
🩷「…………」
💛「……え、なんで勇斗もいるの?」
🩷「………………」
💛「………………え、怖い怖い怖い!!笑」
🩷「いやいやいや!! 違う違う!! 何も変なことしてないから!!」
💛「いや、俺、何も聞いてないんだけど!?」
🩷「あっ、そうだよね!? ごめん!!」
💛「……いや、ほんとに何があったの……?」
勇斗は口を開きかけて、閉じた。
言えるわけがない。
『帰んの?』
『やだぁ……』
『もうちょっと、いてぇ……?』
『はやと、ぎゅーして?』
………………。
……言えるわけないでしょ!!
思い出しただけで、顔が熱くなる。
💛「……勇斗?」
🩷「な、なんでもない!! とにかく準備!! 遅刻するから!!」
💛「えっ、あ、ちょっと!!」
仁人はまだ納得していない顔を
していたけれど、スマホの時刻を確認した
瞬間、表情が変わった。
💛「………………は!?」
💛「やばっ!! ほんとに遅刻じゃん!!」
🩷「でしょ!?」
💛「なんでもっと早く起こしてくれないの!?」
🩷「いや、俺も今起きたんだって!!」
💛「もう最悪!!」
二人は大慌てで準備を始めた。
仁人は着替えながら荷物をまとめ、
勇斗はスマホと財布を確認する。
そして、
玄関を飛び出そうとしたところで。
🩷「…………あっ!!」
💛「なに!?」
🩷「俺、昨日、車ここに置いたままだ!!」
💛「…………え?」
そう。
昨夜、仁人を家まで送り届けた勇斗は、
そのまま自分の車を仁人の家の近くに
置いていたのだ。
つまり。
🩷「車で行ける!!」
💛「それ早く言ってよ!!笑」
🩷「いや、今思い出したんだって!!」
💛「もうほんと、今日どうなってんの!?」
二人は再び走り出した。
車に乗り込むと、
勇斗はすぐにエンジンをかけた。
助手席に座った仁人は、
シートベルトを締めながら、
ちらりと勇斗を見た。
💛「……ねえ」
🩷「ん?」
💛「……俺、昨日どうやって家入ったの?」
🩷「…………っ」
危うくアクセルを
踏み間違えそうになった。
🩷「……ふ、普通に?」
💛「普通にってなに?笑」
🩷「いや、だから……俺が運んだというか……」
💛「………………は?」
🩷「…………」
💛「………………運んだ?」
🩷「…………うん」
💛「………………え、待って」
仁人の顔が、みるみる赤くなっていく。
💛「……え、俺、寝てたの?」
🩷「……うん」
💛「……ずっと?」
🩷「……うん」
💛「………………うわぁ……」
仁人は片手で顔を覆った。
💛「……最悪。めっちゃ恥ずかしいんだけど……」
🩷「…………」
💛「……変なことしてないよね、俺?」
🩷「………………っ!!」
してた。
めちゃくちゃ、してた。
少なくとも勇斗の心臓に対しては、
取り返しがつかないくらいのことを。
🩷「…………してない、よ」
💛「……ほんと?」
🩷「…………うん」
💛「……なら、いいけど」
ほっとしたように息を吐く仁人。
その横顔を見て、勇斗は思った。
……いや、ほんとに覚えてないんだ……。
少しだけ、寂しい。
でも、それ以上に、
……よかった。覚えてなくて。
だって、もし覚えていたら。
きっと今みたいに、
いつも通りの顔で隣に座ってなんて
いられない。
勇斗はハンドルを握り直し、
スタジオへと急いだ。
スタジオ到着!
スタジオでは、すでに柔太朗、舜太、太智
の三人がメイクを受けていた。
朝ごはんも、もちろん食べ終わっている。
❤️「……あ、もうこんな時間やん」
💙「今日、勇斗ら遅いなぁ」
🤍「……珍しいね」
そんな会話をしていた、そのとき。
バタバタバタッ!!
🩷「すみません!! 遅れました!!」
💛「ごめんなさい!!」
勢いよく入ってきた二人に、
三人が一斉に振り返った。
❤️「えっ!? なんで二人!?」
💙「え、待って、二人とも遅刻!?」
❤️「いや、勇斗も仁人も遅刻するイメージないんやけど!?」
🤍「……珍しいね?笑」
🩷「……すみません……!」
💛「ほんとごめん!!」
💙「いや、ええけど……って、二人ともおにぎり持っとるやん!笑」
そう。
二人の手には、
コンビニで買ったおにぎり。
💛「……朝ごはん食べる時間なかったから」
🩷「……車で来たんだけど、思ったよりギリギリで……」
❤️「え、車で一緒に来たん!?」
🩷「…………あ」
💛「…………あ」
❤️「……え?」
💙「……え?」
🤍「…………ふふっ」
💛「いや、違う!! そういうんじゃなくて!!」
❤️「まだ何も言うてへんやん!!笑」
💛「……っ、もう!!」
仁人は顔を赤くしながら、
慌ててメイク用の椅子に座った。
勇斗も隣の席へ案内され、
メイクが始まる。
👤「勇斗くん、ちょっと前髪上げるね」
🩷「あ、はい!」
👤「仁人くんも、今日は先にベースからいきますね」
💛「お願いします!」
メイクが始まった瞬間、
二人はようやくおにぎりの袋を開けた。
💙「……いや、ほんまに食べながらメイクするんや笑」
💛「だってお腹すいたんだもん……」
🩷「俺も朝から何も食べてない……」
❤️「いや、二人とも大変やなぁ!笑」
💙「あ、仁人、それ何味?」
💛「鮭」
💙「ええなぁ。俺も鮭にすればよかった」
💛「……いや、もう食べ終わってるでしょ笑」
💙「確かに!!笑」
太智はけらけら笑って、それ以上は
特に気にしていない様子だった。
一方、舜太は。
❤️「…………」
昨夜のインスタライブを思い出していた。
眠っている仁人に、
上着を掛けていた勇斗。
そして、思わずこぼれた。
『仁人、大好きだよ』
あの言葉。
そして今。
二人そろって寝坊して、同じ車で来て。
しかも、
勇斗は仁人の様子を何度も気にしている。
仁人がメイク中におにぎりを食べている
と、勇斗は自分のおにぎりを食べる手を
止めて、スタッフに
「仁人、前髪大丈夫ですか?」
なんて聞いている。
……いや、気にしすぎやろ笑
舜太は、思わず笑いそうになった。
……勇斗、もしかしてほんまに……。
けれど、口には出さない。
もう少しだけ、様子を見てみよう。
そんなことを考えながら、
そっと視線を戻した。
そのとき。
💛「……勇斗」
🩷「ん?」
💛「……なんか、ついてる?」
🩷「…………え?」
💛「さっきから、めっちゃ見てくるんだけど」
🩷「…………っ!!」
……あ、これ絶対そうやん。
舜太は心の中で、静かに確信した。
一方、柔太朗は。
🤍「…………」
二人を見ながら、
何も言わずに小さく笑っていた。
けれど、勇斗と目が合うと、
いつも通りの穏やかな顔に戻る。
🤍「……寝坊、気をつけないとね?」
🩷「……はい……」
🤍「……ふふっ」
それ以上は、何も聞かなかった。
太智はすでに、別の話題で
盛り上がっている。
舜太だけが、
勇斗の様子を少し気にしている。
そして、仁人は。
💛「……ん、おいしい」
何も知らないまま、
おにぎりを頬張っていた。
昨夜、
自分がどんな声で勇斗を呼んだのか。
どんなふうに甘えて。
どんなお願いをしたのか。
そのすべてを、すっかり忘れたまま。
💛「……勇斗、食べないの?」
🩷「…………食べる」
💛「……ふーん?」
勇斗は、仁人の顔を見た。
何も覚えていない。
いつも通りの仁人。
それが少しだけ寂しくて。
でも、今はそれでいいとも思った。
……俺だけの秘密にしとこ。
昨夜の、あの甘い時間。
腕の中で安心しきって
眠ってしまった仁人。
あのときの温もりも、声も。
今はまだ、自分だけが覚えていればいい。
勇斗は小さく笑い、
おにぎりをひと口かじった。
……あと二ヶ月
いつか。
寝ぼけているときだけじゃなくて。
仁人がちゃんと起きているときにも。
自分から「ぎゅーして」って言ってくれる
日が来たらいいのに。
そんなことを考えながら、
勇斗は隣の仁人を見つめた。
そして、仁人がこちらを向く前に、
慌てて視線を逸らした。
💛「…ほんと、今日の勇斗、変なのぉ笑」
🩷「…………っ、気のせい!!」
❤️「……ふふっ」
舜太は、またひとつ、確信に近づいた。
――あと二ヶ月。
君は、昨夜のことを何も覚えていない。
でも俺は。
君がくれた、あの小さな
「ぎゅーして?」を。
きっと、ずっと忘れない。
コメント
11件
......( ゚∀゚):∵グハッ!!
もう仁人くんの「ぎゅーして?」は破壊力ヤバすぎる… もう気づき始めてる舜太くんと柔太郎くんも気づいてない大地くんも全員可愛くて最高! 続きも楽しみにしてます!
やばいやばい!!じんちゃんがかわいすぎて滅って感じ やっぱり舜ちゃん人一倍観察力あるよね! うちもその観察力欲しいわ〜 続き楽しみにしてます!!