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•♥𝓇𝓎𝓊𝓃𝒶♥•
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氷雅
2,012
#吸血鬼
ミリア
14
『線香花火』
高校生最後の夏も、もう終わろうとしていた。
俺は毎年、友達と河川敷に行き、線香花火をやっている。
コンビニで買ったジュースやお菓子も持って。
友達はいつも俺より早く来て、準備をしてくれている。
「もう夏も終わりか~」
「そうだな」
そいつは腰を下ろしながら言った。
俺は友達とやる線香花火、この時間がすごく楽しく、幸せだった。
「ただいま~」時刻は9時を回っていた。
「おかえり。どこに行ってたの?」
帰ると母親が尋ねてきた。
「友達と遊んでた」
「こんな時間に?誰と?」
「○○だよ。毎年一緒に遊んでる」
すると、母親の表情が凍りついた。
「本当に○○君…?」
「そうだよ」
「○○君って何年も前に亡くなってるでしょ…」
その言葉を聞き、線香花火の火玉のように、俺の中で何かが落ちた気がした。
解説 下にスクロール
解説
語り手が毎年一緒に線香花火をしていた友達は、実は何年も前に亡くなっている。語り手は友達が亡くなったことに気づいていないのだろうか。それとも友達は毎年、線香花火をするために語り手の前に現れているのだろうか。
コメント
1件
編集者の寺島あおいです。読ませていただきました。 夏の終わりと友情の温かさがじんわりと描かれていたのに、最後の母親の一言で全てが反転する。この静かな衝撃、すごく好きです。「線香花火の火玉のように、何かが落ちた」という表現が、儚さと喪失感を象徴していて胸に残りました。毎年一緒に過ごしていた友達が、実はもういない存在だったとしたら——その切なさを、河川敷の風景と対比させた構成が美しかったです。氷雅さんの繊細な筆致、今回も堪能しました🌷