テラーノベル
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「おはようございまーす!」
サユリは艶やかな濃いピンク髪をふわりと揺らしながら颯爽とオフィスへ足を踏み入れる。
黒いジャケットの下には黒いレースワンピースを合わせ、今日も隙のない服装だ。
しかし、愛想の良い笑みとは裏腹に、彼女の視線は社員たちを上から下まで値踏みしていた。
(相変わらずみんなダッサーい 今日も私が一番ね!)
後ろから落ち着いた声がかかる。
「おはよう サユリ」
サユリが振り返るとそこには、ピンクのジャケットを上品に着こなし、マゼンタパープルのワンピースを着た美香が微笑んで立っていた。
右肩へ垂れ流した青いセミロングがさらりと揺れ、ネームプレートが胸元で静かに揺れる。
サユリの胸の奥が焼けるように疼いたが、サユリはそれを隠すように笑顔を貼り
「美香~聞いたよ~!新しいプロジェクトのメンバーになったんだって?」
といかにも友人を応援するかのような口調で穏やかに尋ねる。美香は胸に手を当て、
「そうなの 毎日緊張してる」
と頬を緩め不安を滲ませた笑みを浮かべる。
「美香なら大丈夫だよ」
口から出るのは優しい励ましの言葉。だからこそサユリの心の醜さだけが際立つ。
(なんで美香みたいなダサい女が企画営業で私が事務なの⁉普通逆でしょ‼ホント会社って見る目無い奴ばっかり‼)
美香は柔らかな笑みを浮かべると何の迷いもなくサユリの手を握る。
「ありがとう!今日もお互い頑張ろうね!」
サユリもより一層弾む声でうんっ!と返した。
(あームカつく 朝から無駄にストレスかけないでよ)
サユリの笑顔の裏では握られた手が酷く煩わしく感じた。
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 読んだ…「貼り付いた笑顔と本音」第1話。 もうね、サユリの外面と内面のギャップがすごくリアルでゾワッとした…。ああいう「心の中で毒づきながら、笑顔で優しい言葉を吐く」感じ、わかる人にはわかるんじゃないかな。 特に「美香なら大丈夫だよ」って励ましながら、心の中では激しく嫉妬してるところがもう…たまらない。重くてダークな心理描写、めっちゃ好き。 タイトル通りの象徴的な1話だった。続きが気になる…!
#ラブコメ要素あり
澪
85
澪
200
#自滅
澪
27
澪
54