【 時透side 】
月日は流れ3月。
祝言までは1ヶ月をきった。
夜蛾「本当にいいのか?あいつらに言わなくて。」
報告書を提出しに行ったときに夜蛾せんせーに言われた一言。
私は、中退することをみんなに言っていない。
時透「はい。楽しい日々を送れて幸せでしたし、、」
時透「それに、言っちゃったら、本当にお別れなんだって、私が哀しくなっちゃいますもん。」
夜蛾「…そうか。俺は任務で送り出せない。すまん。」
時透「いえ、お気になさらず。」
今夜、私は高専を出て行く。
時透「こんなもんかな。」
片付いた部屋。
服もみんなから貰ったお土産も、写真も、
全部綺麗になくなっていた。
時透「この花、どうしよっかな〜」
もうすぐ私の誕生日だから。と、花梨が誕生日花を贈ってくれた。
私は器用じゃない。
みんなに言わず。
手紙も書かず。
真夜中に出て行く。
顔を見たらきっと、もっと一緒に居たいと思ってしまうから。__
時透「!」
こんな真夜中に。
人の部屋にノックもなしに入ってくる人物を1人だけ知っている。
時透「…ノックしなさいよ。五条。」
五条「お前、なにしてる、、なんだこの部屋。」
心底驚いた表情をするそいつ。
時透「…私、高専出てくの。」
五条「____は、?」
あぁ嫌だ。
“そう”思ってしまった。
【 五条side 】
真夜中だった。
物音が聞こえて目が覚めた。
人影が見えた。
五条(呪詛師か?)
けれど、運ばれている “ 傘 ” には見覚えがあって。
飛び起きて部屋を出て行った。
“ 中退 ”
コイツが高専を辞める。
呪術師を辞める。
俺らの関係が_____終わる。
俺の前でつらつらと話すソイツにはやはり笑顔が消えていて。
なんだか俺が苦しくなった。
五条「お前、なんだその顔。」
時透「なにがよ。」
五条「お前のそんな塩らしい笑顔。見てらんねーんだけど。」
時透「前までの私が子供だっただけ。」
時透「私だって変わるの。」
時透「ごめん五条。外に車待たせてるから、もう行かなきゃ。」
五条「 “ もう行かなきゃ ” なんて、ガラスの靴でも履いて月にでも帰るつもりかよ。」
時透「なに言ってんのよ。」
時透「あれか?別れが哀しいのか?ハッ!らしくねー。」
五条「……」
久しぶりに聞いた喧嘩口調は
自分は大丈夫だと、平然を装っているようにしか、
この眼には映らなかった。
時透「じゃあ、もう行くから。*さようなら、五条。*」
五条「…おい、」
五条「*攫って欲しかったら、“連れ去って”って合図しろよ。*」
今、俺がこいつに掛けられる言葉は、
「さよなら」でも、「元気でな。」でもない。
それを聞いた瞬間、そいつは少し目を開いて、
時透「〜ッ…もう、、もう、遅いのよ」
そう言って、俺の横を通り過ぎて行った。
ほのかに香るあいつのシャンプーの匂いと
部屋に残った勿忘草の香りが
飽和して、
俺を落胆させた。
拝啓 “ ガラスの靴で月にでも帰った ” 君へ
お前が、
子供だった。って言おうとも___
君がどう否定したって
“素敵”なままだよ。
勿忘草の花言葉________私を忘れないで
コメント
10件
見返してたんですけど、宵さんって、人泣かせるの上手いですね。泣いてしまった!!!!!!!
へへ、好き() なんか、思い出せないけどさ、そーゆー歌の☆☆☆あったよね!?((語彙力どした?
ああああぁあああああぁああああああああああああああああああぁぁぁすきぃぃいィィィィィィィィィィィィィ