テラーノベル
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この部署に来て数ヶ月が経った。
──退勤時間。
いつものように鞄を持つ。
💛「悪い、渡辺」
💙「……?」
💛「部下との面談がまだ残ってる」
💛「そのあと、流れで飯も行くことになった」
💙「……そっか」
💙「仕事なら仕方ないな」
平静を装う。
💛「悪いな」
💙「別に」
背を向ける。
岩本の視線を感じた。
最近、
一緒に帰っていない。
食事も、減った。
……まぁべつにいいだろ。
どうせ偽装なんだから。
──────────────
──自宅。
スーツのままソファに沈む。
テレビはついているのに、音が入ってこない。
何してるんだろ、今。
誰と、どんな顔で話してるんだろう。
……別に、気にする立場じゃない。
そのとき。
スマホが震えた。
【岩本】
💛《今から会えるか?》
💙《は? 今何時だと思ってんだよ》
文句を打ちながら、
もう玄関に立っている自分がいる。
──────────────
いつもの喫茶店。
💙「……で?」
💙「こんな時間に何だよ」
💛「最近、話せてないだろ」
💙「……」
💛「顔もちゃんと見てなかった」
💙「……つーかさ」
💙「変な噂、もう落ち着いてきてるよな」
💛「……まぁな」
💙「じゃあ、もういいんじゃねぇの」
言ってから、少しだけ後悔する。
本心じゃない。
💛「……そうだな」
静かな声。
💛「でも」
一歩、近づく。
💛「礼がしたい」
💙「いや、いいよ…」
💛「俺が、したい」
視線がまっすぐすぎる。
💙「……」
💛「日曜日、空けといて…」
💙「…わかった」
──────────────
気まずさを残しながらも、
他愛のない会話は、途切れずに続いた。
やがて――
ふたりはカフェをあとにする。
💛「じゃあ、また」
そう言って、背を向ける岩本。
――今度は、
俺がその背中を見つめる側だった。
つづく。
コメント
11件

めっちゃ好きです!! いつの間にかお互い💗💗💗 日曜日会って何話すのかしら🥰 続きが楽しみすぎます💛💙
もう2人とも好きじゃん!大好きでしょっ!((( すみません、🙇♀️ 進展が待ちきれない私でございます...😓笑