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第12話:「告白前夜!?部室で“会議”始まった」
「……なあ、俺さ」
「“なあ”じゃねぇよ」
「……なんやねんサム、いきなり怖い顔して」
「いきなりじゃない。ずっとや。お前、調子乗りすぎや!!」
バレー部の部室。
明日の告白に向けて浮かれてた俺(宮侑)は、 サムと角名に囲まれていた。
「いっちゃんに“日にち指定告白”とか、どこのクソドラマやねん。お前の人生脚本家おるんか?」
「いや違うやん!それがロマンってやつやん!少女漫画的なな!」
「お前の言うロマンは大体暴走やねん」
「わかる。こないだ“俺が背景になりたい”って言ってて、普通に心配した」
「背景のくだりまだ根に持ってるん!?」
そして角名がぼそりと呟いた。
「……まあでも、本気なんやろ?告白するって決めたってことはさ」
「……うん」
「じゃあ、俺らがツッコんだり笑ったりするのは、たぶん最後やで」
「え?」
「明日からお前、“彼氏”になんねんで?」
「うおおおお!?!?」
「しっかりせえよ。ボケじゃなくて、ちゃんと“好きや”って言葉で伝えろ」
「……わかった。ビビっても、絶対、ちゃんと言うわ」
沈黙。
でも、サムが最後にぽつりと言った。
「いちかちゃん、ええ子や。
お前の“好き”が本物やったら、絶対伝わる」
「サム……お前、もしかしてツンデレか?」
「今その話ちゃうやろが!!!!」
最後のツッコミで、場がパァッと明るくなった。
でも、みんなが言ってくれたこと、胸に刻んだ。
明日。
俺は、いっちゃんに告白する。
絶対、ちゃんと。
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