CASE 四郎
落下した衝撃で、右肩の骨が折れたか。
状況はかなり最悪な方向に逸れて行っている。
何故なら、さっき俺が殺した男達が湧いて出て来やがった。
「クッソ、こんな時に。モモ!!」
「っ!!四郎っ!!」
俺は大きな声を出してモモを呼び、抱き上げる。
その瞬間、右肩に激痛が走った。
思わず顔が歪むが、トカレフTT-33の銃口を男達に向け引き金を引く。
パシュッ、パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
ブシャッ、ブシャッ、ブシャッ、ブシャッ!!
「「「うがあぁぁぁあぁぁぁあぁあ!!!」」」
次々と男達の頭を撃ち抜くが、男達は動きを止めない。
何なんだよ、コイツ等。
双葉のJewelry Wordsか。
チラッと双葉の方に視線を向けると、やはり発動させていた。
スッ。
左側から二見の気配がし、避けようと動くが体が思う
ように動かない。
ズプッ。
左側の脇腹に嫌な音が聞こえ、鈍い痛みが走る。
視線を向けると、二見が脇腹にナイフを突き刺さしていた。
「四郎っ!!」
「ッチ。」
ズポッ。
脇腹に刺さったナイフを抜き、二見に向かって投げ飛ばす。
ビュンッ!!
投げたナイフは軽々と二見は避け、銃を取り出した。
カチャッ。
「四郎君は何で、モモちゃんの力を使わへんの?」
二見は銃口を向けながら、俺に尋ねてくる。
「普通なら、Jewelry Pupilが懐いてたら使うやろ?辰巳君だって、美雨ちゃんを使ってるやろ?」
「お前等の普通を押し付けんな。」
「四郎君がおかしいやろ?モモちゃのJewelry Wordsを見たやろ。普通なら、使うんちゃうかなぁ?」
コイツの話し方は、モモを煽るような感じだな。
案の定、モモはムッとしている。
「あ、分かった。君等、第2段階まで行ってへんのやろ。だから、モモちゃんのJewelry Wordsが使えへんのや。」
「四郎は優しいから、私の力を使わないようにしてくれてるの。」
「へぇ?ただ単に、信用されてないんとちゃう?」
その言葉を聞いたモモは、眉毛を吊り上がらせた。
すぐに怒りの表情から泣きそうな表情に変わり、瞳に涙を溜めさせる。
モモのこんな表情を見たのは初めてだった。
心臓がソワソワして、締め付けられる感覚がしてきた。
何だ?
何だよ、この感じ。
他人の感情が、俺の体に流れ込んできている。
モモが感じている感情が伝わってきてるのか。
こんな感情がモモの中にはあって、俺にはない。
だからモモが双葉の言葉を聞いて、泣きそうになっているのは…?
俺がモモのJewelry Wordsを使わないから?
いや、モモは俺に好意を示して欲しいだけ。
美雨と辰巳さんを羨ましいそうにして見ていたのも、今の俺達にはないからだ。
あの2人は長い時間を過ごして来たからこそ、出来た信頼関係だ。
「あれ?もしかして、図星やった?ごめんなぁ、当てちゃって。」
「四郎は私の体の為に使わないだけなんだから。お前にそんな事を言う資格ない!!」
「そんな事を言われても強がりにしか聞こえへんで。」
「そ、そんな事…なっ。」
俺はスッとモモの耳を後ろから手で塞いだ。
モモは突然の出来事で動きを止めるが、すぐに口を開く。
「四郎…。」
「アイツの言葉は聞かなくていい。」
「四郎…、私はっ…。私はただ、四郎の事が好きなだけなの。それなのに、アイツは…。」
「モモ、俺達はまだ美雨達のようにはなれねぇ。過ごした時間が短すぎるからだ。分かるだろ?」
俺の言葉を聞いたモモは黙って頷く。
心臓が再び締め付けられる感覚がし、息苦しくなった。
モモの感情がダイレクトに伝わり出している。
俺はモモに優しい言葉を吐く事は出来ない。
今まで生きて来た中で、誰にも言った事がないからだ。
俺はただ、思っている事を言う事にした。
「お前の体に負担をかけなくても、殺しは出来る。だけど、お前が使って欲しいなら使うようにする。」
「え?」
「モモ、お前がそうしたいならしてやる。」
「それは…、四郎の気持ち?四郎が思ってくれた事?」
モモは俺の手を掴んで、顔を覗き込んで来る。
今、この瞬間。
俺とモモ以外の人間や物の動きが止まっているような気がした。
周りの動きがスローモーションに見えている。
「あぁ、俺の気持ちだ。お前のわがままを聞くように努力する。」
「本当?」
「あぁ。」
「嘘じゃない?四郎がそんな事を言ってくれるなんて…っ。」
泣きそうになるモモの顔を見ながら、小さな手を握り締める。
「お前が言わせたんだろ、モモ。」
「っ…!!四郎、大好き!!」
ガバッと勢いよくモモが俺に抱き付いた瞬間、体に力が漲って来た。
「瞬、まずいよ!!」
「分かっとる。」
カチャッ。
パァァンッ!!
双葉の言葉を聞いた二見が、俺に向かって引き金を引いた。
飛んで来る弾丸を止めようとしてなのか、手が勝手に動き出す。
パッと手のひらを広げると、弾丸が弾け飛んだ。
パァァンッ!!
「「?!」」
その光景を見た双葉と二見は目を丸くし、言葉を失った。
俺自身も何が起きたのか分からない。
体が勝手に動いて、弾丸を弾け飛ばした?
どう言う事だ?
「「ぐぎがががががぁぁぁぁぁぁ!!」」
ブシャァア!!
背後の男達の大きな叫び声が聞こえ、振り返ると頭が斬り落とされていた。
「四郎ー、お待たせ。遅くなってごめんねー。」
倒れた男達を踏みながら、傷だらけの三郎が手を振って歩きて来た。
顔には返り血がべっとりと付着していて、本人は気にしてない様子だった。
「三郎、汚い。」
「はいー?何て言ったのかなぁ?」
「むぐっ。」
俺が片手でモモを抱き上げているのを見て、三郎はモモの頬を軽くつねる。
「あちゃあ、三郎君まで来てもうたかぁ。」
「あれれ?何だー、死にかけじゃん。どうせ、モモちゃんがやったんでしょ?その腕。」
「佐助ちゃんはどないしたん?まさか、殺せたんか?」
「さぁ?どうかなー。穴に落としたから分かんない。運が良ければ生きてんじゃない?」
二見の問いに答えた三郎は、約500メートル先のビルに視線を向ける。
「成る程ねー。俺達を囲う為に、この死体達を動かしたのか。」
「へぇ、気付いてたんや?でも、遅い。」
二見がそう言って手を振り下ろすと、床に銃弾が食い込んだ。
パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
俺と三郎は男達の体を起こして、銃弾が当たらないように防ぐ。
ブシャッ、ブシャッ、ブシャッ!!
男達の体に容赦なく銃弾が放たれ、血飛沫が上がる。
「四郎。手、貸して。」
「手?」
「うん。今の私達なら、遠くにいる奴等も殺せる。」
モモはそう言って、俺の手を取り撃って来た方向に向かって手を広げさせた。
ヒルトン東京から500メートル圏内のビルの屋上に、
喜助を含めたスナイパー数人が配置されていたのだ。
カチャッ。
M16A2のライフルスコープから、喜助は四郎達の様子を見ていた。
「喜助の姉さん。二見さんからの指示が止まりましたね。」
「だろうね。あの黒髪の男があたし等の事に気付いてる。」
「え?ここからヒルトン東京って、かなり離れてますよ?目が良いって事ですかね…。」
「それもあるけど、どうかな。」
喜助は隣にいる椿会の組員の男の問いに答える。
だが、喜助はライフルスコープ越しにモモと目が合ってしまった。
その瞬間、隣にいた組員の男が弾け飛んだ。
ブシャァア!!!
「うわぁぁぁぁぁあぁあ!?あ、頭が吹き飛んだ?!」
「おい、何だよこれっ!?」
「アンタ等、頭を下げないと吹き飛ぶよ!!」
ブシャァア!!!
喜助の言葉が届く前に、次々と組員達の頭が吹き飛び出した。
逃げ出そうとする組員の頭まで吹き飛び、喜助はモモの視界に入らないように身を隠す。
「何なのよ、あのガキ…っ。ヤバ過ぎるでしょっ、あたしの居場所まで分かってる。」
ブー、ブー、ブー、ブー。
喜助のスマホがポケットの中で振動する。
「誰からよ、こんな時に。」
スマホを取り出し、着信相手を確認すると嘉助からであった。
「嘉助?珍しいわね…。もしもし、どうしたの。」
「あ、喜助?今、大丈夫?」
「大丈夫じゃないわよ。こっちは二見瞬に駆り出されてんだから。おかげさまで、例のアルビノのガキに組員達が殺された所。」
「それは災難だね。」
「まぁね、用件は?」
「弥助が殺された。」
嘉助の言葉を聞いた喜助は言葉を失った。
「…え?や、弥助が?どうして…、また。」
「ボスが弥助を殺したんだ。まぁ、弥助が裏切ったからなんだけど。」
「椿様が弥助を…、殺した…。と、当然ね、弥助が椿様を裏切ったのが悪いよ。用件はそれだけ?忙しから切るわ。」
そう言って、喜助は通話を終わらせ座り込む。
「椿様を裏切った…?あの弥助が、まさか…。」
ブー、ブー、ブー。
再び喜助のスマホが振動し、画面に視線を落とす。
表示されたは名前は椿恭弥で、喜助はすぐに通話ボタ
ンを押した。
「もしもし、椿様…。」
「喜助、そっちの状況はどうかな?四郎君達を仕留めれた?」
「そ、それが…。ほ、他のスナイパー達が、一瞬で殺されました。あ、あの例の子供に…っ。」
椿恭弥は、少しの間だけ沈黙し言葉を発した。
「それで?お前は殺されなかったの。」
「あたしはすぐに隠れましたから…。でも、もう少し様子を見てからまた…。」
「はぁ。お前も使えないのか、喜助。」
「え?」
椿恭弥の言葉を聞いた喜助から、血の気が引かれていく。
「つ、椿様…。」
「どうして、お前達は仕事が出来ないんだ。四郎君達を殺す為に拾ったのに、無駄だったようだね。」
「そ、そんなっ…。あ、あたし、椿様の役に立ちますから!!」
「だったら、殺して来い。佐助も駆り出してんだ、どんな方法でも良いから殺して来い。」
ブチッ。
乱暴に切られた後、喜助は力なくへたり込む。
「つ、椿様が怒ってる。ど、どうしよう…、どうしよう。あたし、椿様に捨てられたら…。」
喜助は慌てて、M16A2を手に取り射程位置に付く。
「捨てられたくない、捨てられたくない。椿様に捨て
られたくないっ…。」
カチャッ。
M16A2のライフルスコープを覗き込み、四郎の頭上に向かって引き金を引いた。
CASE 四郎
三郎が俺の前に出て村正を振り翳すと、飛んで来た銃弾が2つに割れる。
「スナイパーが1人残ってるねって…、四郎?どうしたの。」
心配そうな顔をした三郎が何が言ってるな。
頭がボーッとして、耳が遠くなっている。
胃から何かが込み上げて来るのを堪えていたが、耐え切れずに吐き出した。
「ゴホッ、ゴホッ!!」
ピチャッ。
「四郎!?ち、血!!」
モモが吐き出したであろう血の塊を見て、驚愕する。
三郎も俺の事を心配そうにしながら、背中を摩って来た。
「はぁ、はぁ…。何だ、これ…。」
「四郎、大丈夫?俺とモモちゃんのJewelry Wordsを使ったから、体に影響が出たのかも。ごめん、四郎。」
「お前等の所為じゃねーだろ。」
そうは言っても頭がぐるぐる回って来て、気持ちが悪い。
まさか、モモのJewelry Wordsを使った代償か?
「瞬、今のアイツなら殺せる!!」
バッと手を上げた双葉に、俺の体を浮かさせる映像が脳裏に過った。
キキキッ!!
三郎は村正の刃を床に擦れさせながら、双葉に向かって走り出していた。
タタタタタタタ!!
双葉の目の前まで到着した三郎は、迷う事なく村雨を振り下ろす。
ブン!!
キィィィン!!
「瞬っ!!」
「大丈夫かっ、双葉。」
二見が双葉の前に立ち、持っていた銃で刃を受け止めていた。
「良いのかな、後ろ向いて。」
カチャッ。
三郎はそう言って、二見の腹にCz75の銃口を突きつけ弾き金を引こうとする。
「瞬から離れろっ!!」
ビュンッ!!
パァァンッ!!
双葉が三郎を吹き飛ばしたが、三郎が引き金を引く方が早かった。
ブシャ!!
二見の腹から血が噴き出し、グラッと大きく体揺れる。
「瞬っ!!!やだ、やだっ!!!」
「大丈夫や、双葉。お前の事は俺が守ったる。」
「瞬…、死んじゃうよ。」
「お前を置いて、俺は死なへん。」
カチャッ!!
空中に浮いている三郎に向かって、二見が引き金を引いた。
パァァンッ!!
だが、放たれた銃弾は最も簡単に三郎は弾く。
飛ばされた三郎は隣のビルの壁を強く蹴り、再び双葉の前まで跳ね返った。
ビュンッ!!
「何やねん、お前!!スパイダーマンみたいな事して。」
「悪い奴を倒す所は同じだよねぇ。」
「なら、俺にとって三郎君は悪い奴や。死んでくれ。」
カチャッ!!
二見は苦痛な表情を浮かべながら、銃口を三郎に向ける。
だが、三郎も同時にCz75の銃口を向けていた。
「四郎、今ならあの子を殺せる。四郎が私の力を使えば行ける。どうする?四郎。」
モモはそう言って、俺の手に触れた。
今の双葉と二見は、完全に三郎に気を取られている。
三郎はあえて囮役を買い、2人に隙を作ってるのだろう。
ボーッとする思考の中で、俺はモモの手を握りながら上に上げる。
ゆっくりと双葉の方に向かって手のひらを広げた。
CASE 双葉
パァァンッ!!
体の中で何かが弾けたのが分かった。
その瞬間、双葉の体大きく揺れて床に手をついた。
ピチャッ。
下が濡れてる…?
視線を下に向けると、床が真っ赤に染まっていて血溜
まりが出来ていた。
どこから血が出たのか視線を巡らすと、双葉のお腹に中ぐらいの穴が空いていたのだ。
胃から込み上げて来たものを吐き出すと、血溜まりの中に血の塊が落ちる。
「双葉!!!」
瞬が双葉の方に向かって走って来るのが見えた。
だけど、瞬の足からも血が噴き出して…。
双葉の前で転んでしまった瞬の右足は、もう跡形もなく無くなっていた。
バサッ、バサ。
黄緑色の羽が弾け、赤い血溜まりに羽が舞い落ちる。
真っ白な女の子と黒髪の男の人が、双葉に向かって手を広げていたのが見えた。
あぁ、双葉は負けたんだ。
本当はあの子に双葉が勝てない事は分かってた。
双葉達は他の子達とは違って、Jewelry Pupil同士の力の差も分かる。
あの子の力は凄く強くて、怖かった。
天使みたいな見た目なのにやる事は悪魔みたいで。
「双葉っ、双葉…。」
ズルッ、ズルッ。
瞬が重い体を引き摺って、双葉の前まで近寄って来た。
「大丈夫か?双葉。」
「瞬…、ごめんなさい。」
「な、何で…?双葉が謝るんや。」
「だって、双葉…っは、勝てなかったから。」
溢れ出す涙を止める事は出来なくて、ただ泣く事しか出来ない。
瞬が双葉を拾った理由を椿お兄ちゃんから聞いていたの。
利用価値のあるJewelry Pupilの子供を拾ったって。
瞬は椿お兄ちゃんに頼まれて、双葉を拾ったって。
それでも良かったの。
双葉に暖かいご飯を作ってくれて、優しくしてくれて。
親に捨てられた双葉を拾ってくれて、嬉しかったの。
どんな事をしてでも、瞬の役に立ちたかった。
人を殺す事だって出来るよ。
一緒にいる為だったら、何でも出来るよ。
瞬が双葉の為に寿命を削ってくれた事が嬉しかった。
双葉は愛されてるんだって思えたの。
好きなんだって思えたの。
だから、双葉を捨てないで。
役に立たない双葉を捨てないで、見捨てないで。
「双葉…、ごめんな。」
「え?」
「お前に無理させた。俺のわがままを聞いてくれて、ありがとうなあ。」
そう言って、瞬は双葉の頭を優しく撫でてくれた。
「瞬…っ。双葉は瞬がす…。」
CASE 四郎
パシュッ!!!
双葉か二見瞬に言葉を吐こうとした時、双葉の頭が撃ち抜かれた。
二見瞬は突然の出来事に驚き、動く事が出来ないでいた。
だが、俺達もまた状況を理解出来ずにいたのだ。
何故なら、この場にい俺と三郎は引き金を引いていない。
どこから撃って来たのかは分かっていた。
俺達を狙って撃っていたスナイパーな奴だ。
何故、急に双葉に狙いを定める?
2人はそんな事しなくても、良かったのだ。
致命傷を負っている2人は、数分後に死ぬ未来が三郎と俺には見えていた。
「双葉…?おい、双葉…っ?」
ドサッ。
力がなくなった双葉は、二見瞬の腕の中で崩れ落ちる。
「双葉?双葉!!?おい、双葉!!!嘘やろ?」
二見瞬はパニックになりながら、双葉の名前を呼び続けた。
だが、既に息をしていない双葉が返事をする事はない。
頭を撃ち抜かれたんだ。
双葉は即死してしまった。
誰が見ても死んだ事は明白に分かる。
双葉が死んだ事を理解した二見瞬は、力が抜けたように動かなくなった。
「三郎。スナイパーの野郎は俺達を狙ってたんじゃねーのか。」
「その筈だよ。だけど、映像が入れ替わったんだ。」
「入れ替わった?」
「うん、数分後に2人は死ぬ筈だった。なのに、スナイパーがあの子の頭を撃ち抜く未来に変わった。」
その言葉を聞き、スナイパーのいる方角に視線を向けた。
「裏切った可能性が高いな。」
「だけどさ、俺達には関係ないよ。それよりも、四郎の体の方が心配だよ。」
三郎は俺の背中に触れ、優しく摩る。
何故か、この状況が引っ掛かるんだよな。
「四郎…、大丈夫?」
そんな事を考えていると、抱き抱えられているモモが覗き込んで来た。
「この程度で死なねーよ。お前は平気か、モモ。」
「うんっ、平気。」
モモは嬉しそうに俺の首に腕を回し、抱きついて来る。
二見瞬が四郎達の方を振り返り、口を開けた。
「悪いけど、2人にさせてくれへんか。」
そう言って、二見瞬は力なく笑ったのだった。
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