のらりくらり。

のらりくらり。

絶対に恋なんかしたくない、根っからの男嫌いの私が恋をした。

そんな私が恋をしたのは、彼が私にとても素敵なことを言った＿＿

的なやつではない。

…一目惚れなのか、何が原因で恋したのか自分でもよく分からない。

でも確かなのは、喋ることが嫌いで、ほぼ声も聞かなくて見た目もそこまでかっこいい訳じゃないけど、喋らなくても気遣ってくれる所に心が高鳴った。

つい目線が貴方にいってしまう。

貴方の前では意識してしまう。

美意識も高まった。

不思議と体が貴方の近くを通りたがる。

＿＿これ、恋だね。

いきなり惚気臭かったけど、私の名前は

山﨑蒼空（やまざきそら）、高校二年生。

単位がヤバすぎる界隈だ。

初耳だって？当たり前だ。今私が作ったから。

そして、私が恋している相手こそが

堀之内大知（ほりのうち たいち）。

高校二年生、クラスメイトだ。

はあ、貴方のこと嫌いになりたいな。

だってさ、どんどん貴方のこと知っていくと、良いところも沢山見つかるけど、悪いとこもそれぐらい見つかるわけでしょ。

それで貴方のこと嫌いになったら、いやだ。

だから、そうなる前に先に嫌いになりたい。