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4話
𝒈𝒐⤵︎ ︎
「あの……呪いを解く方法ってないんですか……?」
うりの必死な問いかけに、神主は静かに目を閉じた。
そして、ゆっくりと、しかしはっきりとした口調で語り始める。
「…伝承に過ぎませんが、一つだけ、可能性が示唆されたことがあります」
「あなたにかかった呪いは、強い憎しみや後悔から生まれた『墨染桜(すみぞめざくら)』。人の心に闇を宿し、存在を蝕む、まさに死の呪いです。しかし、それには対の存在があると言われています」
「対の存在…?」
「はい。強い愛や希望から生まれた、『染井吉野(そめいよしの)』の呪いです。その呪いにかかった者は、桜の花のように美しい痣が体に現れます。そして、その者があなたに心を開き、自らの意思で触れてくれた時…」
神主は、そこで言葉を区切った。
「その二つの呪いが共鳴し、打ち消し合う。それが、墨染桜を解く唯一の方法だと、古文書には記されています」
しかし、神主の顔には、希望だけではない、複雑な表情が浮かんでいた。
「ただし…」
うりの期待に満ちた眼差しを、神主はまっすぐに見つめた。
「その方法は、成功する確率は極めて低い。染井吉野の呪いを持つ者を見つけること自体が奇跡に近い。それに、その者があなたに心を開き、受け入れてくれるかどうかも…」
神主は、うりの肩にある黒い桜の模様に視線を移した。
「…墨染桜の呪いは、周りの人間からあなたの存在を忘れさせてしまう力も持っています。相手に心を開いてもらうには、そなた自身の存在を、その者に強く印象付け続けなければならない。それもまた、過酷な道です」
うりは、それでも諦めなかった。
消えてしまうかもしれない恐怖。
大切な仲間を巻き込んでしまうかもしれない恐怖。
それでも、たった一つでも希望があるのなら、彼はその道を進むことを決意していた。
話難しくなってきたごめん
🌸𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎
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