短編作品

「好き」

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この感情に気づいたのは

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彼女に出会って1年経った頃だ

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最初はただの”友達”だった

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同じ弓道部に入って

彼女の構えを見た時に

感じてしまったこの気持ち

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友達の”好き”とはまた別の”好き”

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普段は温厚で優しくて可愛い

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そんな彼女が

真剣な眼差しで的を見ていた

その普段とのギャップに私の心は射貫かれた

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休み時間になると私の元に来てくれる

ちょこちょこ歩く彼女が可愛い

可愛くて愛おしくて仕方なかった

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運良く彼女と3年間同じクラスで

私たちは疎遠になることは無かった…

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卒業式の日まで隠していたこの気持ち

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私はただ一言

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「大好きだよ〜！」

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そうだ、いつものテンションで

この言葉を軽々しく

彼女に伝えた

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この想いの本当の意味を

彼女は知ることもないんだ