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タクシーを使って、事務所まで来た。部屋のドアノブに手を掛けながら、挨拶をした。
「おはようございます〜」
❤️「おはよう、wki」
挨拶をすると、mtkが返してくれた。
荷物を置き、ryokちゃんのLI○Eについて、話すことにした。
「今朝のryokちゃんの事なんだけどさ…」
❤️「うん、[ちょっと、疲れちゃった。]って返事してたよね…」
「大丈夫、だよね……?」
❤️「ん?何を?」
「…居なくなったり、しないよね…」
❤️「……」
[ちょっと、疲れちゃった。]
[何とかして、治すから待ってて。]
たった2つの文章で、不安になるのもおかしいかもしれない。
だけど、何かしらの意味が含まれている気しかしなかった。
それが、“ryokちゃんが、消えてしまう”と。
疑っているんじゃない。
だけど、お日様のように暖かくて優しいryokちゃんは、自分の辛さや苦しみを見せたがらない。
もし、出てきてしまっても自分で解決しようとするのが、ryokちゃん。
…だから、俺たちを置いてどこかへ消えてしまうんじゃないのか。
不安が、埃のように溜まっていくのを感じていた。
その埃を払うように、言葉を掛けてくれたのはmtkだった。
❤️「…居なくなろうとしてたら、探そ。」
❤️「ryokちゃんもwkiも大切だから…」
「…うん、分かった。」
mtkは、凄いなと思った。
言葉を聞くだけで、安心する。
ryokちゃんも大事だけど、mtkも大事。
大事なmtkやryokちゃんの為にも、2人のことを信じた。
すると、スタッフさんに呼び出されたので、俺とmtkはレコ室へ向かった。
💛side
「……」
僕は、タクシーに乗り、外の景色を見ていた。
もう木は、ピンク色や白色の桜を身につけてなく、爽やかな新緑を身につけていた。
他にも、草原にはクローバーやシロツメグサも咲いていた。
木の葉は、お日様に照らされて、キラキラと光っていた。
ただ、タクシーに乗っていても楽しかった。
…でも、受け入れてくれる物は見つからない。
ずっと傍に、静かに、包み込んでくれるような、そんな場所にいたい。
そう、思っていると運転手に伝えた場所へ着いた。
お金を払い、タクシーを降りる。
タクシーから降りると、春にしては少し暑い風が吹いた。
タクシーが走り去ると、“あそこ”へ向かうため、歩き始めた。
こつ、こつ、こつ。
靴が道路に当たる音。
ぶーん。
車が走る音。
しゃらしゃら。
木の葉同士が擦れる音。
チュ、チュンチュ。
鳥たちが会話している音。
普段では気にしない音が、聴こえてきた。
人の話し声よりも何故か、心に響いた。
その音に身を任せる。
任せてみると、不安が取り除かれ、眠たくなるぐらいに、安心した。
だけど、本当に行きたい“あそこ”までは、まだ少し距離がある。
そこまで頑張ろう。
気持ちを切り替えて、また僕は歩き始めた。
「やっと着いた…」
そう、“あそこ”とは、とある草原だった。
大きさは公園ぐらいだが、まばらに花が植えてあった。
その草原の下は、海になっており、波が崖に当たる音が聞こえた。
花を踏まないように、その草原を歩く。
すると、大きい木の下にベンチがあることに気づいた。
そこに座ろうと思い、歩いた。
ベンチまで来た。
少し、葉っぱが落ちていたので、それを払う。
そして、座った。
「はぁ……」
ため息をついたら幸せが逃げる、とよく言う。
でも、ため息をついて気持ちを吐き出さないと、悪い感情で心に黒いモヤがかかってきちゃう。
言葉では説明が出来ない、悪い感情。
それを少しでも出すには、ため息をつかないとどうしようもなくなると思う。
そうしなきゃ、僕は……
「…あ〜、どうしよう……」
「ここの、花畑と一緒になりたいなぁ…」
「でも…」
mtkとwkiには[何とかして、治すから待ってて。]と伝えた。
待っててくれている2人を裏切ることは、したくなかった。
でも、悩みを伝えたとしても、この悪い感情は消えないと思う。
そんな、曖昧な気持ちにイライラが募っていた。
そんな自分に罰をしたくなった。
バシッ
自分の頬を強く叩いてみる。
叩いた部分が、ヒリヒリとしている。
なんでか、その感覚が面白くなって、もう1回叩いてみる。
バシッ
「ッ、楽し、い…?」
自分でもびっくりしていた。
どうしてこんなに…罰するのが楽しい、のか。
よく分からなかった。
でも、やりたい。
痛めたい。
気持ちよく…なりたい。
叩くだけじゃ、物足りない……
痛みを味わえることに、酔いしれているんだなと、冷静な自分がいた。
でも、そんな自分は、この自分を止められない。
僕は、鞄から“ある物”を探した。
色々なものの感触が指に当たる中、冷たくて細長い感触が指に触れた瞬間、ぶわっと熱いものが心に染みた。
「あった……」
「“ボールペン”…」
ノックを押して、ペン先を出した。
まずは、右腕から。
袖をめくり、右腕に向けてペン先を振りかざした。
パンッ
プチッ
「い゙っ……!?」
想像以上の痛みだった。
多分、これ骨まで行ってるんじゃ…?
そう思うのは一瞬で、後から気持ちよさが主張を示してきた。
「ッハ、楽しいハァッ…楽しい……」
痛い。
気持ちいい。
じわじわと痺れてきている。
真っ赤な血が、綺麗。
快感と苦痛が、交互に出てくる。
たった1回刺しただけで、こんなにも楽しいなんて。
いっぱいやれば、もっと楽しくなれるかな?
知りたい、知りたい。
もっとやりたい。
そして、またボールペンを振りかざした。