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今日はうとうとしてなかった。
でも疲れてたんだよ。
部長にビート版投げつけたり、全力で泳いだり。
だから油断してた。
夏樹を信用してたのに。
満員電車の入り口の角に追いやられ、夏樹を窓越しに睨み付ける。
「――んっ」
さっきから足を踏んでるのに(全体重をかけてグリグリと)
俺の可愛い尻を触ってやがる。
「夏樹っ」
睨み付けると、夏樹はにやりと笑う。
「どうした?」
「~~!」
あれか。水着を脱がせて尻を見たのを仕返しすてるんだな。
「~~触るなっ」
ボソボソと言うと、夏樹は楽しそうに掴んできた。
殺す。
ホームに着いたら、蹴りあげて痴漢なんかできないぐらい蹴りあげて、不能にして、女にしてやる。
「くっそ」
振りほどいて向き合う形にした後、他の人たちには迷惑になるが、夏樹の大事な部分を蹴りあげた。
「~~!!!!!!!」
「へへん」
半分死んでいる夏樹を見て、何だか自分も痛くないのにキュッとなる。
痛さなら同じ男だからよく分かるし。
『~~駅。~~駅」
「うわ」
アナウンスと共に更に人が乗ってくる。
ちょっと踏ん張ってくれていた夏樹も、痛さの余り油断したのか俺の顔の両側に手を付くが全然持ちこたえず、密着する。
「……押し付けるなよ」
「動けないんだって」
「……」
確かに身動きはできないけど、夏樹がグリグリと腹に当たって落ち着かない。
カーブで更に密着して圧迫される。
「――っ」
夏樹が辛そうに息を漏らす。
その顔が、水面から上がってきた時の荒い息を吐く夏樹の顔に重なった。
「夏樹、大丈夫か?」
「ん」
余裕が無さそうなその声が掠れてちょっと艶っぽい。
「――十夜?」
わざと俺から押し付けたら耳まで真っ赤になる。
そうか痴漢されたくなきゃ痴漢したら楽しいのか。
「ごめんってば。ごーめーん」
駅のトイレに閉じ籠って五分。
夏樹が出てこない。
未来のオリンピック選手を痴漢してしまったからな。
「いやーなかなか可愛い声だったよ。お前、敏感だなぁ」
はっははーと和ませようと笑ったら、トイレの鍵が空いた。
「全然、こんなんじゃ満足できない」
「は?」
一瞬何か分からなくて、不意をつかれてトイレに連れこまれてしまった。
「いや、男二人がトイレっておかしいから」
「お前も触ってやるよ」
「!?」
「お前の感じてる顔も見せろ」
ぎゃー!!
「……あれ?」
夏樹が俺を触りながら、動きを止めた。
やばい。逃げれない状況で、とうとうバレてしまったか。
「お前、俺に痴漢しながらちょっと感じてた?」
「離せ」
慌てて抵抗したが時、既に遅し。
夏樹の顔が、黒い笑顔になった。