この世には教育という言葉がある。
その言葉が使われる場面はたくさんある。
学校の教師、家や家族での決まり、あるいは奴隷なんかに使う奴らもいる。
質問を変えよう。
人を育てるのが好きか?あまり好きではないか?
人と関わるのが嫌いか?
自信を持って好き。得意。そんなことを言えるものは少ないだろう。
ただ、ほんの一握り、好きだと言える者がいるのならば
こんな奴らになれるかもしれない。
ラプラス「うーん、holoxのメンバーが少ない。」
総帥であるラプラス・ダークネスが悩ましげに机に突っ伏す。
鷹嶺「そうは言っていてもどうにもなりませんよ。」
呆れたように幹部の鷹嶺ルイがツッコミを入れる。
沙花叉「でも、新メンバーってどうするの?」
インターンである沙花叉クロヱが首を傾げる。
風真「ルイ姉が推薦で見つけてくればいいんじゃないの?」
holoxの用心棒、風真いろはが刀を磨きながら言う。
博衣「確かに、それがいいんじゃないかな?」
holoxの頭脳、博衣こよりが試験管を振りつつ言う。
鷹嶺「え?じゃあ、捕まえてきますね。」
ラプラス「は?」
ラプラスが口を開けている時には鷹嶺ルイはいなかった。
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鷹嶺「と、いうことで仲間になっていただけますか?」
??「別にいいが。暇なんでな。」
鷹嶺「ありがたいですが、先に聞いておきます。あなた、得意科目や得意なこととかってあったりします?」
??「………」
鷹嶺「?」
??「……人に知識を教えること。」
鷹嶺「そうですか。なら、一緒に着いてきてください。」
??「ん」
まず、この女の身なりを説明しよう。
まず、この女、俺より身長が高い。あと腰に鞭のようなものをつけている。
もし、そのような趣味があったとしても俺には咎めたり、
責めたりするような資格はない。まあ、言えばこいつも色々合って
仲間?のようなものになってほしいらしい。
暇だったからという端的な理由でその意見に賛同したのは確かだ。だが、着いてきて、と言われたとき
本能が、いや今までの経験がそっちに行けと体を動かしたのだ。
少しの間その女に着いていくと少しボロい、いや古いドアの前に着いた。
鷹嶺「少しここで待っていて。」
??「ん」
そう言って女はドアを開けなかに入っていった。
鷹嶺「連れてきましたよ。」
?「はっや」
?「さすがルイルイは仕事が早いでござるなあ」
どうやら中に何人かいるらしい。
鷹嶺「まあ口で説明するよりみてもらった方が早いわね。」
お?呼ぶ気かな?
鷹嶺「入ってきてちょうだい。」
??「はい。」
そう言ってドアを開ける。
?「!」
?「!」
入った瞬間数人と目が合った。一人は仮面のようなものをつけている。
もう一人は刀らしきものを清潔な布で磨いていた。
物騒なもん持ってんな。
鷹嶺「えーっと、自己紹介…」
??「ああ、そうだった。」
そいつらの方を向く。
薩鬼「あー、蘒原薩鬼。(はぎわら さつき)27歳。よろ。」
静寂。気まずい。その気まずさを破ったのは
俺を連れてきた女だった。
鷹嶺「えーっと、私は鷹嶺ルイ。holoxの幹部。」
幹部。そう聞いてしっくりきた。だから鞭を持っているわけだ。そして聞いたところによるとこの組織はholoxというらしい。
風真「拙者は風真いろはでござる!holoxの用心棒でござる!」
ござる。今ではあまり聞かない語尾だ。
沙花叉「シャチの沙花叉クロヱです!holoxの掃除屋でーす。」
シャチのパーカーを着ている時点でなんとなくわかっていた。
博衣「holoxの頭脳!博衣こよりだよー!」
腰に試験管を3、4つ刺したケモ耳少女が話す。
そして俺はもう一人に目を向ける。
ラプラス「ラプラス・ダークネス。holoxの総帥だ。」
へえ、この人が総帥なんだ。
鷹嶺「それで、私もちょっと聞きたいんだけど…」
鷹嶺さんが手を挙げる。
鷹嶺「あなた、いろはの腰につけているものを見ても驚かないのね。」
おっと、そうきたか。
鷹嶺「どうしてそんな冷静でいられるの?普通なら少しパニクるはずなんだけど。」
薩鬼「はあ、」
少し息を吐いてから立つ。
薩鬼「少し、一緒に散歩しませんか?」
全員「!?」
薩鬼「ああ、そういうことじゃなくて、なんでこんな冷静なのか、理由説明のためにはみてもらった方が早いと思うんで。」
ラプラス「わかった。行こう。」
そう言ってまたドアを開け外に出る。
薩鬼「僕に着いて来てください。」
ツンとした夜の特徴的な匂い。
植物が呼吸をして発生させた濃い二酸化炭素の匂い、
人々が車で廃棄したガスの匂い、
じっとりとして少ししまっている空気
それらが入り混じってこの臭いができている。
正直言って心地いい。
あの時の夜と今日が重なる。
この人たちは僕のことしっかり見てくれるかな…