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はじめまして、UTUNEET です。 ボカロ曲をキャラクター化する 二次創作小説を書いてます。 この作品を呼んでいただきありがとうございます。この小説は 私の家族や友人に伝えたいこと、伝えれなかったことを小説にまとめたものです。この小説がいまこの本を呼んでくださっているあなたの支えになることを祈っております。それでは、 またどこかで。
わたしがしにたくなくなるまでのはなし③
【能力者】栗毛色あるは
【能力名】わたしのR
【能力】 自殺衝動を吸い取る能力
【以下、細菌達の記録】
私は栗毛色あるは、自殺衝動をすいとる能力
『わたしのR』をもつ可愛い可愛い高校二年生 女子だ。わたしは今、米津町の北側にある 羅刹山神社に来ていた。
参拝のためではない。
一人になりたかったからだ。
今日は少し自殺衝動を吸いすぎてしまった。
目に移る全てが憎くて仕方なかった。
神様、私はあなたが大嫌いだ。
あなたは 私の父親が自殺した時も、母親が自殺しようとした時も、私がこんな能力に目覚めたときも何もしてくれなかったじゃないか。
なんで私を殺してくれないんだよ。
私は生きたくなんて全くないんだよ。
早く殺せよ。
死ぬ勇気もない私を 見下してんだろ?
死ねよ神様死ね。死ね………あぁくそっ。
最悪の気分を抱えながら神社の階段をあがると女の子が階段の上にぼんやりと立っていた。
自殺衝動を吸いとれる私だから分かる。
あの娘はひどく死にたがっている。
女の子がふいに階段から飛び降りた。
私はその子を受け止めようとした。
馬鹿だよな、私、助けれるわけないのに。
女の子と私はぶつかった。
あ、これ、死ぬやつだ。
視界がゆっくりになっていく。
……なんか、あっさりだったなぁ。
……あーあ、いいことなんてひとつもなかったな……..。
その時だった。
「《ブリキノダンス第二形態!!!メガ•テラ•ゼロォォォ》!!!!!!!!!」
そんな掛け声とともにシリアスブレイカー様が ジェットエンジンのような物を背中に付けてものすごい勢いで空を飛びながら駆けつけてきた。
そして階段から落ちていく私たちを間一髪のところでキャッチした。
「シリアスシリアス!!!うおおお!!!!シリアスッ!!! ……ややっ、君はいつぞやのシリアスな顔をした子!!!怪我はないかい!!!?」
私の顔を見て、シリアスブレイカー様が
そう言った。
覚えててくれたんだ。
「あ、あの….. た、たすけてくれて、ありがとう…..ございます。」
意中のシリアスブレイカー様に担がれた私は
しどろもどろになりながら言った。
「離してよ ……..離してよ!!!!!!」
もうひとりの女の子がそうやって暴れだした。
「わわわっ、危ないぞ!!!!?」
シリアスブレイカー様はそうやってバランスを崩しながらもなんとか安全な場所に着地した。
「私は …..私は……!!!助けてなんて言ってない!!!!どうして死なせてくれなかったの!!!!?
あなたたちになにがわかるんだよ!!!!!!!」
叫びながら、震えながら、涙を流しながら
女の子は言った。
「わかんないよ、なにも。」
私は言った。
「でも、話してみてよ。あんたの自殺衝動、
あたしが吸ってあげるから。」
驚いたような顔をして、うずくまって、
それから女の子は話し始めた。ずっと飼っていた猫が事故でぐちゃぐちゃになったそうだ。
その子には友達がいなくて、その猫だけが
彼女の親友だったそうだ。
「ありがとう ……それとごめんなさい。
あなたたちにひどいこと言っちゃって。」
涙を拭きながら女の子は言った。
「問題ない!!!!君がまた飛び降りたら、いつでも 私が駆けつけてやるさ!!!!!!!」
シリアスブレイカー様が胸を張って言った。
「死にたいなら私のいないとこで死んでよね。 私の近くで死のうとしたらあんたの
自殺衝動なんか全部吸い取ってやるんだから。」
そういって私は顔を背けた。
「ごめんね、ありがとう……またね。」
そういって女の子は去っていった。
私は、シリアスブレイカー様と二人きりに
なってしまった。
……..シリアスブレイカー様と二人きりなってしまった!!!!!!?!?!?!?
どうしようどうしよう私陰キャだから何話していいかわかんないどうしよう!!!!?!!!?
その時、私の手を握りながらシリアスブレイカー様が私なんかに話しかけてくれた。
「君、さっきのすごかったぞ!!!!!!!
まるでヒーローみたいだった!!!!!!!!
名前は何て言うんだい!!!!!!!!?」
シリアスブレイカー様は大声で言った。
大声に驚いたカラス達がバサバサと飛んでいった。
「私は……栗毛色あるは…..です……….。」
「そうか!!!素敵な名前だ!!!俺はシリアスブレイカー!!!よろしくシリアス!!!!」
「あっ、ハイ、どうも。」
知ってます。
ずっとずっと前から。
本当に大好きです……..。
「クリリン!!今日はもう遅い、家はどこだい?俺の ジェットで送ってあげよう!!!!!!!」
「え、いやいやいや大丈夫です大丈夫です
そんな恐れ多いです。」
私はあわてて否定した。
「イクゾッ!!!!《ブリキノダンス》!!!!!!
……….っとう!!!!!!!!!!!!!」
「え!?ひゃああああぁあぁあああ!!!!!!!!!!?」
シリアスブレイカー様は私をお姫様だっこして 空を飛び、私を家まで送り届けてくれた。
その日はひどく月が綺麗な夜だった。
私はシリアスブレイカー様の腕に抱かれながら 死んでしまうなら今日がいいな、と そんな罰当たりなことを考えていた。
【細菌達による補足説明】
なぜ、栗毛色あるはの元に自殺衝動を持った
人間が引き寄せられるのか?もしかしたら
彼女の能力には『自殺衝動を吸い取る能力』
だけでなく『自殺衝動を吸い寄せる能力』
もあるのかもしれない。
彼女の能力は謎が多い。
引き続き、調査を進める必要がある。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)