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「それは大変な目に遭いましたね」
「悔しいんだと思うの」
「もしかして、その女性ってお水系でお仕事されてません?
ホステスとか、キャパ嬢だとか」
「当たってます。彼女クラブでホステスしてるの。
で、今、ちょっとお金に困ってるみたい……かな」
「……にしても、なかなか強引な手管使う人で、一筋縄じゃいかない人の
ようですね。男女逆なら、よくありそうな手口ですが女性が強引にレイプ
のようなことをするとは、驚きました」
「しかも、その人学生時代の私の先輩なの。
んとに、何考えてるんだろうって思うわ」
「加納さん、ただのオイルマッサージだけのためにこちらに来たってわけ
じゃないですよね?
う~んと、例えばですけど少しエッチなことを経験すれば旦那さんを許せ
そうな気がするとか? ってことはないでしょうか?」
「そっか、そうなんだと思います。たぶん」
「にしては、毎回重装備ですよね。
でも今日は上半身の下着を付けていないので少し前進しましたが。
少しエッチなことをして旦那さんに意趣返しをしたい……されど
流石に旦那さんのいる身で生々しいことをすることに対する戸惑いも
隠せない……と、ジレンマを抱えて右往左往ということでしょうか」
「ありがとうございます。そっか、そうですね。
そう、そういうことだったんだわ」
「加納さん、僕のこと信じられますか?
そして、この件お任せいただけますか。
たぶん、ぎりぎりの線で加納さんのお悩みを解決して差し上げられるかと
思うのですが……」
「……」
どうしよう。
私は堀内くんに返事ができなかった。
返事のできない私に対して、一度も下半身の施術を受けたことのない私に、
堀内くんの手が膝の上をゆるゆると撫で始めた。
「はい、初めての場所に触れますが、息を吸って―、はいっ、吐いて―っ。
そうそう、その調子。はい、リラックスして~っ」