テラーノベル
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※Among Usのゲームの世界の架空の話です。
人狼ゲームパロ、死ネタ、 キャラ崩壊あり!!
注意です!!でも書きたかった!!
「うわあああ!!!」
ーーーー誰かの叫び声とほぼ同時に通報の音が船内に鳴り響く。
「どうしたの、、、、っ!?」
音の鳴る方の部屋、そこは船内でも一番広いエリアのカフェエリア。タスクをこなす前にここでみんなと休憩して使っていた場所だ。そう、ここでいつも通り5人で居て、いつものように「お疲れー」と言い合ったりちょっとした世間話をしていた、、なのに、、
「ま、、まひちゃん?」
『てるちゃん。おつかれさま!大丈夫?疲れちゃった?』
『無理しないでね?』
さっきまでのまひちゃんの笑顔ではなく青白い顔。そして薄く開いた口から赤い液体が流れていた。声をかけてもぴくりとも動かず反応がない。
「、、っ誰が、こんなこと、、」
しばらくの間その場から動けずに震えながら泣いていると肩にぽんと触れられる感触があった。
「てるちゃん、ここから少しここから離れよ」
「ばぁうくん、、」
「ここにずっと居ても辛いだけだよ、他のメンバーにも話してくるね。」
犯行現場から離れたカフェエリアの隅の卓のところでメンバーで集まった。悲惨な状況を目にしたせいで全員が暗い表情のまましばらく沈黙の時間が続く。
誰かがまひちゃんを殺した。もしかしてこの船内に僕たちメンバー以外の侵入者がいる、、?そしてその侵入者がまひちゃんを殺してどこかに息を潜めてる?それが本当だとしたら僕たちも危険ってことか、、
みんなに伝えなくちゃ
「ねぇ、みんな‥聞い「つか、この中にいるだろ」
しゆんの一言でその場がまだ一瞬沈黙した。
「‥しゆちゃ?」
「まひとを殺したやつ名乗りでろよ」
「おい、しゆん落ち着けって」
「俺は落ち着いてる。だから早いとこ犯人特定しなきゃだろ」
「お前犯人とかマジで言ってんの?」
そうまとしゆんの口論の中、てるとは動揺していた。信頼し合っていた仲間の中に犯人がいる。
この船内に残るのはてると、ばぁう、しゆん、そうましか居ない。
「僕、信じられないよ、そんなこと」
「俺はもう誰も信用できないけどな」
「おい、しゆん!!」
「第一発見者はお前だよな?そま」
「!?だったら何だって言うんだよ」
「俺はお前が怪しいと思ってんだよ。明らかに動揺してるしね」
「俺じゃない!!」
「2人ともやめてよぉ!」
今にもしゆんに殴りかかろうとしているそうまを止めようと仲裁に入る。2人は睨み合ったままで不穏な空気が流れている。この息が詰まるような雰囲気を何とか変えたいと思うてるとだったが、しゆんの言葉通り「この中に犯人がいる」と自分自身の勘のようなものが働いてしまっている。
本当に吐きそうだ。
今まで信頼してきた仲間たちと共に過ごしてきた楽しかった過去の出来事が、ぐしゃぐしゃに黒く塗り潰される感覚。
「てるちゃん大丈夫?」
ばぁうくんが優しい声色で僕に問いかける。いつもの彼なら後先考えずに突っ走っていっちゃうし、感情的な部分もある。でも今はここにいる4人の中で一番落ち着いてて表情も柔らかい。
「おい!しゆんどこ行くんだよ!」
しゆんは席を立ち、1人その場から離れようとしていた。
「悪いけど、俺は1人で行動する。」
「1人になると危ないよ!」
「この中に殺人鬼がいる、この状況で俺はお前らとは居られねぇよ」
そう言い残してしゆんは部屋から出ていってしまった。その後誰も呼びかける声もなく、ただ見守ることしか出来なかった。
「僕、やっぱりしゆちゃ探してくるよ」
「いや、、今のあいつに何言っても聞く耳持たないと思う。」
「そまちゃだって本当は心配でしょ?」
「‥‥」
「‥探すにしてもてるちゃんを1人にはさせられないよ。みんなで行動した方がいい。」
「‥そうだね。じゃあ二人とも一緒に来てくれる?」
「‥うん」
カフェテリアから酸素ルーム部屋へ繋がる廊下へ向かう後を追うように3人で動いた。いつも使っている廊下が長く伸びているように感じ、コツコツと足音だけが響く空間にてるとは不気味さを感じとった。頼れる仲間が側に居るはずなのに、気持ちが落ちつかない。「しゆちゃどこ?」と途中にある部屋に目をやるが、姿は見受けられない。
僕の気のせいかもしれない。
予感。
悪い、予感。
「「!!!?」」
それは唐突だった。目の前が一気に闇へと広がり辺りを見回したがその光景は同じだった。
「‥停電、?」
異常事態。船内で過ごしてきた日々で停電が起こったことは一度もない。ここから先にある部屋の電気室へ行けば電気の復旧が可能なことはいくつかの事態に想定した上で事前に確認はしている。ここは冷静に対応するべきと頭では理解出来ている。でも実際には体が動けずにいる。恐怖と混乱が同時に混ざり合う。
「ばぁあくん、そまちゃ?」
後から着いてきていた二人に声をかけたが、反応がない。さっきまで居たはずの気配もそこにはないことに気付く。触れようと手を伸ばすととん、と冷たくて固い感触がある。ぺたぺたと触れるとそれは下から上まで同じ感触で通ってきた時には明らかになかったものがそこにある。確か停電になる頃に居た場所は保管庫に入ったところだった。そして保管庫には非常事態に備えた防犯扉が設置されていたことを思い出す。停電に気を取られていたてるとは防犯扉が作動して閉じてしまったことに気づかなかったのだ。
「嘘、、。ばぁうくん!そまちゃ!返事して!」
扉の方向へ必死に呼びかけるが、先程同様に反応はなく扉を叩いてみたり開けようと試みたがびくとも動かない。
一人になってしまった重い現実がのしかかる。しかし、みんなの無事を確認しなくちゃと覚悟を決めて一歩ずつ足を進める。幸い手元にあったスマホの明かりがあるおかげで足場を照らすことは出来る。そして保管庫を抜けて廊下を少し歩けば電気室へ辿り着ける。
…ここだ!
扉の前に明かりを照らすと電気室と書かれた部屋を見つける。部屋に入り、目の前にある配電盤を見つけて開ける。そこには複数のレバーがあり、これらを上に上げたら復旧できるはずだ。
「よし、これで、、」
レバーを全て上げると周りの光が帯びて目を細めた。電気室から廊下へ続くところの明かり見えたためおそらく船内の全ての電気が復旧したようだ。その状況に少し安堵したのも束の間、他のみんなとの合流をするためにてるとは電気室を後にしようとした。が、それはてるとの背後から伸びてきた手によって阻まれてしまう。伸びてきた手が腰に絡んできてバックハグのような形になる。
「見ぃつけた」
「っ…!?」
すりすりと顔を寄せられて耳元で囁かれるそれは馴染みのある声で驚愕はするもすぐに安打に変わる。
「ばぁうくん!」
「てるちゃん、探したよー?」
「はぁ…会えてよかった‥!」
「俺に会えてそんなに嬉しいの?」
振り返るとにっこりと微笑むばぁうくんの姿があった。無事であったことと僕以外の誰かが側に居てくれることの安心感があって僕も自然と笑みが溢れた。
「‥そういえばそまちゃは?一緒じゃないの?」
「‥さぁ?そまのことは別にいいじゃん。てるちゃんがいれば」
「もー、こんな時に冗談はやめてよ…」
にこにことばぁうくんは笑顔を貼り付かせている。僕に会えたから上機嫌、なのかな?
「2人を探しに行くよ」と声を掛けようとする前に僕は、少しの違和感に気が付いてしまった。
予感。
「‥ねぇ、ばぁうくん」
ばぁうくんを呼びかける口が震えてしまっている。言ってしまうと取り返しがつかなくなってしまうのではないかと、。
「どこから電気室に来た‥?」
「…」
電気室へ出ようとした僕を背後から捉えたばぁうくんはなぜそこに居たんだろう。僕より先に電気室へ来てたの?配電盤を無視したの?どうして?でも、僕が電気室に入ったすぐは人の気配や物音もなかった。じゃあ電気が復旧してから来たの?どうやって?僕の中で矛盾が広がる。
予感。
悪い予感。
「…てるちゃんって本当に可愛いね。」
「…!!!、あぁっ…、そんな、、」
停電前にはなかった、それが、ばぁうくんの体に赤く染み付いていて、そしていつの間にか手にはナイフが握られていて。ナイフの先端からは赤い液体がぽたぽたと下に滴って落ちている。その光景から目が離せなかった。
ねぇ、それは一体誰の血なの?
「可愛くて、仲間思いで、何事にも一生懸命なてるちゃん…だーいすき。」
「…っ、ばぁうくん、どうして…?」
「てるちゃん以外の人間は邪魔だったからさ、消えてもらったんだ」
「ううっ…」
「はは、もう邪魔者はいなくなったよ」
逃げないと、、次は僕の番、、
頭の中で警告音ががんがん鳴り響いてるようで頭が痛い。
「あれ?もしかして逃げようとしてる?でもね、もう残ってるの俺とてるちゃんだけだから。ゲームオーバーだよ、ははっ」
ばぁうくんがゆっくり僕の方に歩み寄ろうとしてきて僕は反射的に出口の方へと駆け出す。捕まったら僕は、きっと殺される。だから逃げなきゃ、、必死に距離を取ろうと走る。途中、上手く足が動かなくて転倒してしまう程僕は恐怖で自身がパニック状態に陥っていた。そう、わかっている。いくら広い船内の中を逃げたり隠れようとしても、無駄であることに。誰も助けてはくれない。その残酷な現実からは逃れられない。
「はあっ、、はあっ、」
上手く呼吸が出来ずに、僕の体力は限界を迎える。逃げた先に医務室と書かれた部屋に入るとベッドが複数並んでいてその間に入って身を隠す。音が漏れないように静かに呼吸を整えようとする。
「てるちゃーん?どこー?」
「…!」
ばぁうくんの声と足音が部屋の外から聞こえてきて心臓が強く跳ねる。それが段々と隠れている医務室へと近いてくる。
お願い、あっち行って…!
体を小さく震わせながら心の中で懇願する。
「…ふふ、ごめんね、てるちゃん。途中から足音が消えてたからね、分かるんだよ、?」
「そこに、いるんでしょ?」
嗚呼、ばぁうくんっていつもはふざけてることが多いのに、意外と頭がキレるんだよね、、
「あ、やっぱり♡」
「!!」
頭上から陽気なばぁうくんの声。僕は怖くて顔を上げられずに手で頭を抱えていた。すると人とは思えないようなものすごい力で僕の手は引っ張られる。容赦のない力加減だったため腕に痛みが走る。そして、ばぁうくんの方へ一瞬で引き寄せられてしまう。掴まれた手を振り払おうとするが、びくともしない。それでも抵抗しようとしたが、頬に当たるのはひんやりしたナイフの感触。僕は当然抵抗出来ずに体硬直してしまい、その様子を見てばぁうくんはにっこりと笑う。
「…や、だ、…やめてよ…、ばぁうく、ん…殺さないで…っ、」
「てるきゅんをこのナイフで少しずつ、少しずつ傷つけて殺すのもいいなぁーて思ってたけど」
「やだ、、やだ、、!」
「可愛くて愛しのてるきゅんは俺が一生飼い殺してあげる♡」
「…あぁっ…!!!」
体を引き寄せられがぶっと僕の首にばぁうくんの歯が突き刺さるくらい噛まれ激痛が走る。離れたかと思うとまた噛んできて、それを何度も繰り返される。
「ああっ…うぅ、、!」
「はは!首輪みたいだな、これ」
気がつけば首の周りにばぁうくんによるいくつもの歯形が並んでいた。正気に満ちた笑みでばぁうくんは嬉しそうに歯形の跡を舌で舐めてくる。今まで生きてた中で感じたことがない感覚に体が痺れる。
「やぁっ…」
嫌なのに、だんだん力が抜けてしまい微力ながらの抵抗も無に等しくなる。力の抜けた僕の体は側にあったベッドに放り投げられて視線の先には天井とばぁうくん。なぜか僕はばぁうくんに組み敷かれている状態だ。
「な、なに…?」
「ふふ、今からいっぱい気持ち良いことしよーね?てると♡」
僕にとっての悲劇はここからだった。
終。続く?かも
コメント
1件
いや、もう最高すぎてさぁ…