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授業中、教室は静かに進んでいる。先生が黒板に書いた数学の問題に、生徒たちは集中している。しかし、その静寂を破るのは、決まってあの子。
「かな、また私語してるでしょ。」
はるは、いつも通り学級委員長として真面目な態度で、かなに目を向ける。かなは窓の外をぼんやりと見つめながら、何かを口にしていたのだ。
「何?」
「……別に。」
「授業中、私語はダメよ。」
「うるさいな、こっち見んな。」
かなは、あからさまに嫌そうな顔をして、はるの注意を無視して続けようとする。しかし、はるはそれを許さない。学級委員長として、きっちりしているはるは、いつもこうだ。誰かが規則を破ると、すぐに注意を入れる。
「髪も染めすぎよ。校則違反だって、何度言わせるの?」
かなは髪を一度耳にかけ、ふざけたように笑った。
「そんなもん、気にしてないけど。」
その反応に、はるの目はますます冷たくなる。かなに対して、厳しさを増していく。
「だからって、周りに迷惑かけちゃダメ。」
教室が少し静まり返る。かなは不機嫌そうにため息をつき、席を少しずらして座り直す。はるは少し肩をすくめてから、再び自分の席に戻る。