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〖あと21日〗

やっと天気が良くなったので、紅魔館に行くことにした。目的は借りた(盗んだ)大量の本をパチュリーに返すためだ。箒を片手に、彼女は後ろの風呂敷に本を入れて、少しバランスを崩しながら飛び立った。雲ひとつない青空が広がっている。遮られない日光が降り注ぐのは、いくら魔法使い(人間)でも暑いものだ。暑すぎるのは好きでは無いので、少しスピードを速める。すると不意に、胸の痛みに襲われた。前回と同様、いや、前回よりも重い胸の痛み。目眩がして視界が歪み、魔力のコントロールが上手くできない。あと少しで紅魔館、紅魔館、紅魔館、こうまかん…

紅魔館にあと少しでつくという所で、彼女は落下した。気を失ったのだ。…



気がつくと赤色ベースの豪華な部屋のベッドで寝ていた。ゆっくり体を起こすとまだ頭がズキズキと痛んだ。少しずつだが、死期が近づいていることを悟っていた。死ぬ直前はきっと、耐えられないほどの痛みが体を駆け巡るのだろう、想像するだけで身が震えた。

「…やっと起きたのね。」

大人びているのに子供のような甜い声。

暗い赤色の羽が近づいてきた。

「…レミリア。」

幼い顔つきをしているのにも関わらず、その顔色は心配と疑い、その他様々な負の感情を混ぜ込んだような…例えるのなら失敗した鍋のようだった。

「どうしたんだ?そんな辛気臭い顔して。」

私が空元気に返すと、レミリアはキッと私を睨みつけた。

「決まってるじゃない。貴方が…」

だが、そう言葉を紡ぐときには、もう既に悲しそうな暗い顔をしていた。そうして、しばらくの沈黙の後、彼女は言った。

「単刀直入に言うわ。貴方、」


死ぬの?┈┈┈┈┈┈┈┈┈


あまりに予想外な言葉に私は何も返せなかった。なんで、分かるんだ?思わずでかかった言葉を飲み込む。レミリアは、弾幕勝負でもよく駆け引きをする。他者の感情を把握し、揺さぶるような行動をよくとるのだ。だが、きっとそれには根拠がない。自分のカリスマ性を自負している上での発言だと私は予測していた。なのできっと、今回も根拠はないのだ。そうなれば、狼狽えたら真実をさらけ出してしまうこととなる。それだけは絶対に避けなければ。私の真実よりも重い、あの人の笑顔を守る為に。

「何言ってんだ?お前?」

キョトンとした表情で私は言った。そうすると、レミリアは全てを見透かしたような目で此方を見据え、こう答えた。

「真実を述べた迄のはずよ。そうでしょう?貴方は気付いている筈、自分の余命に。…もし私に真実を隠そうとしてとぼけているのだとしたら、それは無意味に等しいわ。だてに長年吸血鬼やってないのよ。それに…今までそういう人間は数人だけだけど見てきたわ。」

彼女の赤い瞳は私の瞳を真っ直ぐ見つめていた。嘘ではないということがひしひしと伝わってくる。これ以上彼女に対して偽りの言葉を並べても無駄だと魔理沙は悟った。少しためらいながら、でも、しっかりと言い切った。

「その通りだ。私は死ぬ。」

彼女の濃い黄色の目は、心做しかくすんでいた。その様子を見てその言葉を聞いたレミリアはこう告げる。

「私は何も、貴方の真実を知りばらまこうとしている訳じゃないわ。…貴方には…ね。」

意味深に告げた最後の言葉が鈍感な魔理沙にはよく分からなかった。ただ、レミリアは何かを知っている、その事だけは感の鈍い彼女にも分かった。

「何を知っているのか、教えてくれ。」

私の言葉が沈黙に溶け込んだ。しばらく待っていると、彼女は口を開いた。

「…始めからそのつもりよ。やっと…人を頼ってくれたのね。」

そう呟くと、彼女は少し微笑み、雰囲気が柔らかくなった。

「今日はもう遅いわ。貴方はほとんど眠っていたから。…また明日、起こしに来るわ。」

そう言い残し、彼女はドアへ向かう。

「おやすみなさい。」

ドアが閉まると、彼女はやっと気づいた。

たった今、自分が優しくされたことに。

霧雨魔理沙は普通の人間でした。

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