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#恋愛
#長編
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あさぎかなさん、第21話読みました!ルティの「無理矢理ショコラを口に入れたら一瞬で笑顔」になるシーン、もう完全に飼い主さんと犬系彼氏みたいでほっこりしました😂 でもその後パーティーの話で「シズクを害そうとする連中に思い知らせたい」って瞳孔開いて言うルティ、笑顔だけどちょっと怖い…!そこからの抱きつきで満面の笑顔に戻るギャップがたまらないです。そして最後の薔薇の罠、まさかの展開で「る…てぃ」で終わるの、続きが気になりすぎます…!ルティがすぐ駆けつけてくれることを祈ってます😭
その後もぎゃあぎゃあと騒いだが、すぐに退室。すぐにお茶と高級菓子がやってきたのは支配人からの気配りだろう。なんだか申し訳ない。
(それにしても珍しくルティが大人しかった……というかブチ切れてなかったような?)
「あの女はどう処理すべきか。森人族にでも連絡を入れて……」
(予想以上にガチギレだしていた!)
一周回って静かにけれどもの凄く怒っていた。このままではいっそのこととか全く関係ない元王族まで飛び火しそうな勢いだったので、高級菓子の一つショコラを一粒取って、ルティに食べさせる。若干無理矢理口の中に入れたようなものだが、ルティは一瞬で笑顔になった。
「シズクが食べさせてくれました……美味しい」
「生クリームを練り込んだショコラだそうですよ。他の焼き菓子も食べましょう」
「ええ。……また食べさせてくれますか?」
尻尾が揺れ動き、期待の眼差しに負けて食べさせることに。それはそれで焼き菓子も紅茶も美味しかった。そしてルティの機嫌がすこぶる良くなったので、私はこの一件は片がついたものだと思い込んでいた。
あの騒がしい王女のことなどすっかり忘れて、翌日からの観光のことで頭がいっぱいだったのが不味かったのかもしれない。
****
元王女の件から特に問題はなく、私とルティは旅行を満喫していた。
この国に滞在して三日が過ぎ頃、空竜鳥族の第八王女ジーナ様からの手紙が届いた。王家主催のパーティーのお誘いだ。
私もルティも今はもう王族でもないし、煌びやかな生活、地位を望んでもいない。
しかしジーナ様の 「二人のお披露目をちゃんとしたほうが、悪い虫が付かないんじゃない?」という文面を見て「害虫はできる限り減らしておきたいですし」とルティがノリノリになったからだ。
「が、害虫……。ルティ様目当てってことですよね(元王女のような人たちの牽制……)」
「いえ。男女問わず、シズクを害そうとする、あるいは企んでいる連中に思い知らせておくことが大事ですから」
ニコリと笑っているが目が笑っていない、瞳孔も開いている。過去、私にとっては前世のトラウマがあるように、ルティもまた幼馴染と弟の所業で思い知っているのだろう。
正直、ヤンデレ感が半端ない顔をしていらっしゃる。不穏な空気をかき消すため、自分からルティに抱きつくと、すぐに満面の笑顔に切り替わった。尻尾が私のお腹二巻き付く。
「ルティ」
「私がシズクを溺愛しているとわかれば、変にちょっかいをかけてくる者を少しは減らせるでしょうし、なにより……」
「?」
「シズクと踊ってみたいのです」
「私と?」
「ええ」
ルティはおずおずと自分の希望を口にした。ルティは大人になった私に色々贈物をしたり、着飾ってほしいと思っているところがある。これはルティがというよりも、種族的に大事な人に対する求愛行動らしい。
自分の贈った物で身を包んでもらうことで、ちゃんと愛情が伝わっていると思うとか。ちなみに前世ではそんな知識は当然あるわけもなく、また私に贈っていたプレゼント関係は全て侍女や幼馴染に横流しされていたとか。
「シズクが嫌なら良いのです」
(言葉では配慮してくれているけれど、尻尾がへこたれて如実に心情を伝えてくれている……)
きっとブリジット王女の時に出来なかったことをしてあげたいのだろう。あるいは伴侶とのダンスは種族によって魂の交流で、幸福感が得られると書かれていたのを思い出した。
「せっかく招待に呼ばれたのですから、行ってみましょう。ジーナ様たちとも今後は頻繁に会うことは出来なくなるでしょうし」
「シズク」
ぶわぁ、と尻尾が一気に復活。嬉しいと抱きつく。前世で出会った彼とは別人って思うほど感情豊かだと改めて思った。あの時はお互いに身分もあって、感情を表に出さないように努めていた。
(改めて元凶によって歪められまくったけれど……!)
「シズク?」
「……今世ではステップとかまったく覚えていないので、練習しないと足を踏んでしまうかも?」
「それなら私がずっと抱き上げて踊れば良いし、間違っても足を踏んだって構わないですよ」
とってもご機嫌だ。思えば前世でのわだかまりが緩和してから、ちょっとずつルティがしてみたいことを言うようになった気がする。そのちょっとした変化が嬉しくも思えた。
「楽しみですね」
「ええ」
「それでパーティーはいつ頃なのです? ドレスとか準備をしないと──」
「今日の午後に迎えに来るという」
「ふぁ!?」
***
新たな王の即位と年始というのも重なり、中央広場にはたくさんの屋台があって祝福モードだ。今日は中央広場で買い食いして適当に観光して楽しみ、午後からは夕方のパーティーに参加となっている。
(ドレスは向こうで用意してくれるらしいし、気軽な感じで良いらしいけれど大丈夫かな?)
「シズク? どうかしましたか?」
「ん? ええっと、ドレスの準備って本当にしなくて大丈夫かなって……」
「それなら心配いりません、今回出張するに当たって色んなドレスを3つ作ってありますから」
「え」
「いざという時のドレスの代えは必要だと思って準備していたのです(こんなに早くシズクのドレス姿をまた見られるのですから……作っておいて良かった)」
もしかしたらジーナ様は、このことを知っていて気軽に呼んだのかもしれない。そんなことを思いながら、お揃いの品を探して歩き回る。人混みが多いので、手を繋いでいた。
「ルティ。フルーツホットワインと、ロイヤルミルクティーにちょっとブレンドが入ったものどっちが良いですかね」
「二つ買って少し交換するのはどうでしょう」
「じゃあ、買ってきますね」
「いえ私が買ってきますので、そこのモミの木の前で待っていてください」
「はい」
モミの木には様々な飾り付けがされて綺麗だ。クリスマスツリーに似ているが、これらの木々は年明けに設置されるという。各家庭の家で編んだ飾り付けを付けることで、今年一年も無事に過ごせますようにという意味が込められている。一週間後に一年分の厄災と共に木々を燃やすと言うのを聞いたとき、どんど焼きを思い出した。
(改めて見ると結構日本と似たような神事があるのね)
そんな風に暢気に考えていた。ふと花売りの少年と目が合う。
「あ、あの……。これ」
差し出された薔薇の花に固まってしまう。少年は「お祝いでみんなに配っていて」と言い出す。周りを見渡すと小さな子どもたちが、道行く人たちに渡していた。
(薔薇を配る行事なんてあったかしら?)
不思議に思いつつも薔薇を手にした瞬間、痛みが走った。棘が抜かれていなかったのだろう。だがその痛みに顔を歪めた瞬間、視界が唐突にブラックアウトした。
(る……てぃ)