「続いて第2審査です。『好きな人への告白』をテーマにこの場で愛の告白をしてもらいます!」
あれ……なんかデジャヴ……?
この学校ってそういうこと好きな人多いのかな……。
「あーあ……今の2人にとっては地獄のような企画だよ。」
「本当にくだらないですね。歯が浮くようなことを言われて何が良いのだか……。」
「エントリーNo.4の赤羽くん、お願いします。」
「あ、劉磨の番みたい。これは見物だね。」
「その……告白とか考えたことねえから手短に言う。俺は…頭も悪いし運動くらいしか取り柄がねえ。守るなんて言ってるけど、本当に守れるかの自信もねえ。でも…お前が望んでくれるなら…側にずっといて何事からも守る。だから…これからも一緒にいてくれ……好きだ。」
「きゃーーー!」
「劉磨のわりには80点ってところだね。珍しく文章にもなってるし、感情だけで押し切ってもいないし。」
「まあ、何をもって歓声をあげるのかは分かりかねますが……。」
「…楓…顔赤いぞ。」
「な、何言ってんの!そりゃあ、ちょっとときめいたけど、全然って感じだし、悪くは無いってところよ。」
「姫、言葉と動きがあってない。」
「いやー、さすがは赤羽くん。これが毎年推薦される魅力ですかね。」
「お前、後で覚えとけよ……。」
「さあ、次の方いきましょう!」
「これってさ、前から思ってたんだけど、10人分の告白聞いてどうするの?」
「同感です。もっと興味深い企画を考えてほしいですね。」
「…2人とも文句言うなら見なければいいのに……。」
「姫は楽しいだろうけどさ、僕たち飽きてきた。」
「それは2人がそういうことに縁がないからでしょ……?聖を見習って……」
楓ちゃんの言葉に私の胸が熱くなる。
そうだ……こういう企画が好きな人たちが多いんだ、なんて他人事に考えていたけれど、私もさっき聖さんに……
「花月は顔を赤くしないで!とにかく、桃瀬くんも藤林先輩もこれを機に勉強してください。」
「勉強ね……。」
「ありがとうございましたー。続いてNo.8の黄之竹泰揮くん、お願いします。」
「はい。」
突然会場が暗くなり、泰揮クンにスポットライトが照らされる。これも泰揮クンの演出なのかな……?
「Je vous aime.。」
「え、外国語…!?」
「なんて言ってるの…?」
「J’ai toujours voulu être à tes côtés. Je voulais être ton spécial. Ma seule Haduki. ……Quand je retournerais au manoir aujourd’hui, je veux que tu viennes dans ma chambre. N’en parlez à personne. 」
いま……泰揮クン……何て……?
「え…泰揮って外国語…話せたの…?これって何語……?」
「泰揮が外国語を話せるだなんて、私も初耳です。」
「フランス語だよ……。」
会場がガヤガヤと騒がしくなる中、私には泰揮クンが何と言っていたのか聞き取れた。
誰に言ったことなのかも聞き取れた。
「……花月…?」
嬉しいことのはずなのに……喜びたい自分がいるのに……それを拒む自分がいる。
「…おい、花月。」
私……まだ決められていないんだ。
聖さんを選びきることを……。
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