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寒い空気が肌を掠める。部屋には小鳥の囀りも陽の光も無い。あるのは、太宰と中也の寝息だけ。2人はベッドの中でお互いを抱き合い、穏やかに眠っている。まるで、昨日の夜の出来事が嘘かのように。
「んっ、、、ふぁ、」
先に目覚めたのは太宰だった。小さく欠伸をし、眠たそうに目を擦る。そして、ゆっくりと身体を起こすと、中也に目をやった。
「ふふっ、可愛い寝顔。ずっと私だけのもの、♡」
ちゅっ♡
太宰は中也にそっとキスをすると、中也を起こさぬようベッドから抜け出し、部屋を出ていった。中也はまだ眠ったまま。だけど、太宰がキスをした後、小さく微笑んだのは誰も気づかなかった。
「んぅ、?」
数分後、中也はいい匂いで目を覚ました。部屋の外からは物音がし、扉の隙間から微かにいい匂いが入り込んでいた。中也はそっと体を起こし、周りを見回す。そして、太宰がいないことに気づいた。
「、、、太宰が飯作ってんのか、」
そう呟くと、またベッドに身を包んだ。ゆっくりと深呼吸をし、太宰の残った温もりを確かめる。
(腰痛ぇ、、、でも、気持ちよかった、//)
(、、、また、ヤってくんねぇかな、)
そんなことをぼんやりと考えていると、扉が音を立てて開いた。その瞬間、朝ごはんのいい匂いが部屋の中に充満する。中也はぴくっと反応し、寝返りを打って扉の方を見る。
「やぁ中也、よく眠れたかい?」
「一応、眠れた、」
「ふふっ、それは良かった。でもまだ疲れているだろう?今日は私が看病してあげようじゃないか」
太宰はそう言うと、朝ごはんが乗ったトレーを片手に持ち、ベッドの近くに椅子を持ってきて座った。そしてそのまま、トレーを自分の膝の上に置く。
「今日はサンドイッチさ。ちゃんと美味しく出来たからね」
口元を歪め、微笑む。サンドイッチを1つ持つと、そのまま丁寧に中也の口元まで運んだ。
「はい、あーん」
「あー、、、ん、」
一口、パクっと食べる。中也はもぐもぐと噛みながら、頬を緩めた。
「美味い」
「ふふっ、だろう?私の愛情が沢山込められているからね♪」
太宰は嬉しそうに微笑むが、その笑みはどことなく危なさを纏っていた。だが中也は、そんなことは気にも留めず、サンドイッチを頬張っていた。