俺たちは、出会ってはいけなかった。
でも、出会う運命だったんや。
今も昔も、初めて会ったときからずっと俺たちは敵軍の幹部同士だった。
それでも、お互いを想い合ってしまうことは止められない。
だって、お互いがお互いの運命の人やから。
この愛が、お互いの身を滅ぼすことになるのはわかっている。
それほどにまで、敵軍の幹部という立場は強すぎた。
もちろん、立場如きで愛が変わることはない。
それでも、ふと思うことがある。
(俺らが敵軍の幹部同士じゃなかったら…)
でも、こればっかりは変えようがない事実だ。
俺らは敵軍の幹部同士やし、お互いを愛し合っている。
今は、愛し合っているという事実だけで多少は救われている。
でも、今後はどうだろう。
俺らやって、いつまでも二人でいられる訳やないことぐらいわかっとる。
それでも、俺たちの愛は止まらない。
愛し合えさえすれば、多少のつらいことだってのりこえらえる。
でも、でも…っ
いつまでも、軍の皆に隠したままで会うのはつらい。
罪悪感を抱えながら、愛し合うのは苦しい。
それでも、俺らは愛し合うことをやめはせん。
もし、咎められて、引き離されそうになったら…
…そのときは、軍を裏切って二人で生きていく。
その覚悟だって、俺らにはある。
でも、今は、隠したままでいい。
俺らやって、好き好んで軍を裏切りたいわけやない。
むしろ、ずっとこの軍にいたい。
…それでも、一番はお互いが愛し合えること。
だけど、軍にいたい。
心の中で、矛盾を抱えながら…
このまま、二人で愛し合いつつ、軍で生きていく。
いつかは、皆にも伝えたい。
でも、受け入れられなかったら…
だから、今は二人でいられるだけで十分や。
だからー…っ!
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「一生一緒にいような、シャークん!」
「…あぁ、ゾムさん。」
「俺たちはー…」
『一生一緒。やろ?/でしょ?』
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