かなり後ろ髪惹かれ気味に奈緒のアパートを後にした俺は帰路を急いだ。
仕事で遅くなる、と返事を返したにもかかわらず、しつこい電話。
スマホを見ると“待ってる”というメッセージが送られてきていた。
放っておけばいいのかもしれないけど梓の性格上、無視し続けても諦めて帰るということは考えにくい。
終電終わりに帰れなくなったと言われてしまっては厄介だ。
敢えて奈緒に言う必要がないと思って言ってなかったけど、梓とは大学生時代に少しだけ付き合っていた時期があった。
奈緒のアパートから徒歩10分余りで自宅アパートに着いた。
試しにドアの鍵穴に鍵を差し込んでみる。
――やっぱりか……
予想通り、部屋の鍵は空いていて、ドアを開けるとまた見慣れたヒールが玄関に揃えられていた。
今日こそハッキリ言おう!
急に来られては困ると何度言ってもアパートに訪ねてきて、当たり前のように合鍵で中に入る。 ******
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