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「ジョン……。本当にあなたなの……何故……」
「え? なんだって?」
ヘレンは受話器越しだが独り言を呟いてしまっていた。
窓の外はビュウビュウとした凄まじい吹雪となっていた。
ジョン・ムーアとは、七つの大罪で一度ここホワイトシティで世界を終末へと向かわせようとした張本人だった。
その男はアリスの叔父にあたる人物で、ジョンと戦ったモートは、一度ホワイトシティと世界の終末を救ったことになる。
ヘレンは不可思議な恐怖から寒さ以外の震えも抑えていた。
「ねえ、アーネスト? その男は何の本を借りたの?」
「いや、まだよくわからないんだ。不思議だよね。受付のお嬢さんたちはやけに重たい本だったと言っていたが……今、調べてもらっているんだよ」
「そう……ね。あ、アーネスト。お願いがあるの。その男が借りた本がわかったら、できるだけ早く知らせてほしいの」
アーネストが深く頷いたことをヘレンは受話器越しからわかった。
「わかったよ。明日の朝には知らせるよ……」
「ええ、そうしてくれると助かるわ」