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やっほ
マジバグっててヤバい
わかる人いたら教えて
いってらっしゃい~
夜。
窓の外では、風がカーテンをわずかに揺らしていた。
ちぐさは、ベッドの上で天井を見つめている。
(……眠れない)
体育館で感じた、あの違和感。
水の音。
胸の奥に残った、冷たい感覚。
「……らお、起きてる?」
少し間を置いて、隣の部屋から声が返る。
「起きてる。どうした」
扉が静かに開き、らおが顔を出した。
「眠れないのか」
「……少し」
らおは何も言わず、椅子を引いて座る。
「今日のことか」
「……うん」
ちぐさは指先を握りしめる。
「この世界に来てから、ずっと静かだったのに」
「……揺れたな」
らおの声は低い。
「水の記憶か」
「わからない。でも……」
ちぐさは目を閉じる。
「懐かしい、感じがした」
その瞬間。
——ぽとん。
どこかで、水が落ちる音。
ちぐさの意識が、ふっと沈む。
◇
冷たい。
足元に、水が広がっている。
白い床。
高い天井。
(……ここ)
水の宮殿。
異世界で、確かに存在していた場所。
「チグサ様」
幼い頃の声。
振り向くと、まだ背の低いらおが立っている。
「今日は、雨が近いそうです」
「……そうなんだ」
幼いちぐさは、窓の外を見つめていた。
空は、まだ晴れているのに。
「でも、嫌じゃない」
「雨、好きですか」
「うん。水の音が、落ち着くから」
その瞬間。
胸が、きゅっと締めつけられる。
(……違う)
これは、ただの思い出じゃない。
水が揺れる。
床に映る景色が、歪む。
「チグサ様」
らおの声が、少し大人びて聞こえた。
「……戻る時が近い」
(戻る?)
問いかける前に——
◇
「ちぐさ!」
現実の声。
ちぐさは、はっと目を開けた。
額に、冷たい汗。
「大丈夫か!」
らおが肩を掴んでいる。
「……夢、見てた」
息を整えながら、ちぐさは言う。
「水の宮殿」
らおは一瞬、言葉を失った。
「……そこまで、見えたか」
「らお」
ちぐさはまっすぐに見る。
「僕、何か思い出しかけてる?」
らおは、少しだけ視線を逸らした。
「……急ぐ必要はない」
「でも」
「今は、この世界で生きることが先だ」
らおの声は優しい。
でも、どこか必死だった。
その頃。
別の場所。
あっきぃはベッドの上で、天井を見つめていた。
「……なんだったんだろ」
今日の試合。
一瞬、世界が静止したような感覚。
「コンディション良すぎ?」
笑って誤魔化そうとする。
でも、胸の奥がざわつく。
同じ夜。
まぜたは、イヤホンを外して目を閉じる。
「……夢、か」
白と黒の境目が、やけに眩しかった。
ぷりっつはスマホを置いて、伸びをする。
「なんや知らんけど、今日は変な感じやなぁ」
そして。
静かな部屋で、あっとは窓を開けて夜風を感じていた。
「……水と、風」
理由は分からない。
でも、確かに何かが動き始めている。
ちぐさは、布団を握りしめながら思う。
(この世界で、僕は)
(ちゃんと、ここにいていいのかな)
窓の外。
雲の隙間から、月の光が落ちる。
その光は、水面のように揺れていた。
——続く。
(〃・ω・ノ)ノ オカエリー♪♪
またね!